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ページ番号:199809
掲載日:2024年7月2日
意見書・・・次の12件です。
決議・・・・次の1件です。
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は、令和2年度補正予算や予備費の活用により、累計で約8兆円規模の総額が確保されたことで、地方自治体が必要とする感染症対策、雇用・経済対策に一定程度取り組むことを可能とした。
また、今年度においても、地方自治体が新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けている事業者への支援及び感染症対策の強化を実施するための新たな特別枠として事業者支援交付金分5,000億円が措置されており、そのうち3,000億円は既に地方に配分され活用されている。
しかし、残りの2,000億円については緊急事態宣言終了後の対応のため留保されており、地方自治体の財源不足が深刻化している。
さらに、変異株の猛威により、感染が全国各地へと急拡大し、飲食店や酒類販売事業者等への協力金の支給などにより追加的な財政支援を要する状況となっていることや、感染症の拡大による社会経済活動の低迷により、地方の税収入は大幅な落ち込みが見込まれている。
よって、国においては、地方が引き続き感染症対策はもちろんのこと、雇用・経済対策や、地域の実情に応じた独自の対応を、地方の判断により迅速に実施できるようにするため、事業者支援交付金分として措置された5,000億円のうち、国が留保している2,000億円をできるだけ速やかに地方に交付するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年6月14日
埼玉県議会議長 木下 高志
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣 様
厚生労働大臣
経済産業大臣
内閣官房長官
経済再生担当大臣
本年4月16日に開催された日米首脳会談において、菅総理大臣は「バイデン大統領との間で、北朝鮮の拉致問題は重大な人権問題であり、日米が連携して即時解決を求めていくことを再確認した。」旨を共同記者会見で述べた。これを受けて、拉致被害者家族は、早期救出に向けた政府の具体的な行動を求めている。
昨年には、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の初代代表横田滋さんも逝去されている。国民は拉致被害者の一日も早い帰国を心から願っているが、拉致被害者と家族の高齢化は重い現実であり、もはや一刻の猶予もない。
よって、国においては、菅政権の最重要課題と位置付けた拉致問題について、米国をはじめとする国際社会と緊密に連携を図りながら、日朝首脳会談の実現を見据え、圧力に重点を置いた姿勢を貫くとともに、あらゆる手段を講じて事態の打開を図り、いわゆる特定失踪者等の拉致の疑いが排除できない方も含む全ての拉致被害者等の即時一括帰国を実現するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年7月2日
埼玉県議会議長 木下 高志
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣 様
内閣官房長官
拉致問題担当大臣
本県では、これまで人口の増加が継続する中、犯罪や交通事故の増加に歯止めをかけ、県内治安の回復を着実なものとしていくため、警察官や会計年度任用職員を増員し、パトロールや取締りの強化などに努めてきた。また、全国最多を誇る自主防犯活動団体に対する積極的な支援を行うなど、関係機関及び団体との協働による事件・事故の抑止対策を推進している。
こうしたことにより、令和2年の刑法犯認知件数は平成17年以降16年連続で減少して過去最多であった平成16年の4分の1以下の44,485件となり、人身交通事故件数も昭和42年以降最少となるなど、県内の治安回復傾向は継続している。
しかしながら、犯罪の種類ごとに見ると、殺人、強盗をはじめとする重要犯罪は全国3位、侵入盗をはじめとする重要窃盗犯は全国1位、振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺は全国6位であるなど、全国的に見て、本県の治安情勢は依然として厳しい状況にある。
他方、本県警察官の負担状況を見ると、平成12年に警察刷新会議から国家公安委員会へ提出された「警察刷新に関する緊急提言」において、「当面、警察官一人当たりの負担人口が500人となる程度まで地方警察官の増員を行う必要がある。」旨が提言されたが、現在、本県警察官1人当たりの人口負担は全国1位の637人であり、提言の基準を大きく上回っている。また、警察官1人当たりの刑法犯認知件数も3.86件と全国1位である。
今後も、事件・事故を減少させ、更なる県内治安の改善を図り、県民が安全で安心して暮らせるまちづくりを実現するためには、警察官の増員による人的基盤の強化が必要不可欠である。
よって、国においては、本県の厳しい治安情勢を踏まえ、いまだ警察官の過重負担が深刻な本県に対して、なお一層の警察官増員を措置するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年7月2日
埼玉県議会議長 木下 高志
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣 様
総務大臣
国家公安委員会委員長
新型コロナウイルス感染症対応の決め手となるワクチンは、欧米をはじめとした諸外国では、複数社のワクチンが開発されたが、我が国は国産ワクチンの開発において大きく出遅れている。
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大や新たな感染症の拡大懸念等により、ワクチンの需要は高まるばかりだが、現在のように、全量を海外の製薬会社に依存する状況は、安全保障上のリスクともいえる。他国の事情に左右されることなく、国民に対して早期かつ着実にワクチンを供給することを確保するため、また、国内での感染を早期のうちに封じるワクチンを迅速に供給するためにも、日本国内におけるワクチン開発・生産体制の整備は最重要課題である。
こうした中、国は、本年6月、官民が一体となって必要な体制を再構築し、長期継続的に取り組むべき国家戦略として「ワクチン開発・生産体制強化戦略」を閣議決定した。同戦略では、ワクチンの研究開発・生産体制等における課題として、最新のワクチン開発が可能な研究機関の機能、人材、産学連携の不足やワクチン開発への戦略的な研究費配分の不足、ワクチン製造設備投資のリスクなどを挙げている。
加えて、ワクチンの発症予防効果を確認するためには数万人規模で治験を実施することが必要であるが、そもそも我が国において、こうした大規模なワクチン治験を実施する土壌が形成されていない。
よって、国においては、ワクチン・治療薬等を早期かつ着実に確保するべく、国産ワクチン・治療薬等の開発・生産体制の整備を図るため、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。
記
1 国が一体となって、ワクチンの研究から実用化までを管轄する体制を再構築するとともに、世界の研究者を惹きつける、これまでにない世界トップレベルの研究開発のフラッグシップ拠点を構築すること。
2 企業のリスクを軽減するため、平時にはワクチン以外のバイオ医薬品の生産が可能な両用性のある、いわゆるデュアルユースのワクチン製造設備とできるよう企業における施設改修の支援を実施すること。
3 数万人単位の治験者の確保のため、アジア地域における臨床研究・治験ネットワークを充実させるとともに、一刻も早くワクチン等を国民に届けるため薬事承認プロセスの迅速化と基準整備を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年7月2日
埼玉県議会議長 木下 高志
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣 様
外務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
長引く新型コロナウイルス感染症への対応により医療崩壊が危惧されるなか、国は感染拡大防止対策を実施している。
感染拡大防止対策は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき、感染者に対する就業制限等により行われている。特に感染リスクの高い医療従事者や介護従事者で濃厚接触者とされた場合は、自宅待機を指示されるケースが多い。
自宅待機の結果、欠勤となった場合の補償は、感染者であれば労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)の対象となるが、濃厚接触者の場合は労災保険の対象とならない。この場合、従事者個人への補償は所属する医療機関等の判断に委ねられており、実際には雇用調整助成金等の本来の目的外の資金から支払われるか、あるいは事業者の自己資金から支払われるか、最悪の場合は補償されない事態となっている。こうした収入面の不安は医療従事者等の離職につながりかねない。
感染リスクの高い医療従事者等に対しては、十分な補償を行うことが、医療崩壊を防ぐために不可欠である。
また、医療崩壊を食い止めるためには、自宅療養者を在宅医療で支え、重症化の兆候を早期発見し、スムーズに入院治療へ移行することも重要である。しかし、在宅医療の従事者に対する支援は、病院勤務者への支援と比べて明確に低いものとなっており、在宅医療の従事者への支援を病院勤務者への支援と同等とすべきである。
よって、国においては、新型コロナウイルス感染症による医療崩壊等を防ぐため、医療従事者や介護従事者への就業規制に対する補償を手厚くして離職防止につなげるとともに、在宅医療の従事者への支援を手厚くして人的資源等を確保するために、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。
記
1 医療従事者や介護従事者への自宅待機指示による就業規制に対し、労災保険の適用を行うこと。
2 医療機関や介護事業所に対する雇用調整助成金等の条件を緩和すること。
3 新型コロナウイルス感染者への在宅医療等における診療報酬について、少なくとも新型コロナウイルス感染者の受入医療機関と同等の加算を設定すること。
4 新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金等の対象者として、在宅医療等の従事者も病院勤務者と同等に給付すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年7月2日
埼玉県議会議長 木下 高志
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣 様
厚生労働大臣
内閣官房長官
経済再生担当大臣
近年、核家族化、晩婚化、若年妊娠などにより、産前産後の身体的・精神的に不安定な時期に身近な人の助けが十分得られず、不安や孤立感、うつ状態の中で育児を行う母親が少なからず存在している。
そのため、妊婦や母親の相談やサポートを行う産前・産後サポート事業、産後すぐの時期に宿泊型やアウトリーチ型の支援を行う産後ケア事業が非常に重要となっている。
本年4月の改正母子保健法の施行に伴い、これまで市町村の任意事業として実施されていた産後ケア事業が同法に位置付けられるとともに、市町村の努力義務として定められた。また、令和2年5月に閣議決定された少子化社会対策大綱において、産後ケア事業について、令和6年度末までに全国展開を目指すとされたところであり、産後ケア事業の整備は喫緊の課題である。
産後ケア事業の実施主体は市町村であるものの、本事業の趣旨を理解し、適切な実施が期待できる団体等に事業の全部又は一部を委託することができるとされ、実際にサービスの提供を行うのは医療機関や助産所など民間事業者が多い。本事業の提供するサービスは、高度かつきめ細かく、母子や地域のニーズに応じたものでなければならないため、多額の費用がかかる。しかしながら、実施主体である市町村の財政状況によって差を生じさせてはならない。
よって、国においては、産後ケア事業等の新たな取組を推進するため、次の措置を講ずるよう強く求める。
記
1 地域の医療機関や助産所など産後ケア事業のサービス提供の場において母子が必要とする支援を確実に行うため、地域ごとのニーズに応じた柔軟な制度設計を認めるとともに、適切な予算措置を講ずること。
2 宿泊型の産後ケア事業等について、母子にとってより魅力的なサービスを選べるようにするため、民間事業者の活用を推進し、民間事業者の提案を柔軟に取り入れて事業が実施できるようにすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年7月2日
埼玉県議会議長 木下 高志
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣 様
総務大臣
厚生労働大臣
少子化対策担当大臣
2018年に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「1.5℃特別報告書」は、産業革命から2050年までの気温上昇を1.5℃以内に抑えるためにはCO2排出量を実質ゼロにする必要があるとしている。この気候危機の状況は、私たち人類が生み出している温室効果ガスが主因と言われている。
このような状況の中、菅義偉首相は昨年10月の国会での所信表明演説の中で、日本政府として初めて2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)にするとの政策目標を表明した。
このため、我が国の次期エネルギー基本計画における取組は大変重要であり、また、温室効果ガスを減らすためには、再生可能エネルギーの導入拡大が求められる。
さらに、再生可能エネルギーの導入拡大を進めることにより、新たなエネルギーシステムへの投資が促進され、再生可能エネルギー産業を活性化させ、雇用も含めて地域経済への貢献も期待することができる。
一方、国民生活の安定を鑑みると電力の安定供給は必要条件であり、安定供給に向けた取り組みも求められるところである。
電力の持続的な安定供給を図りながら2050年カーボンニュートラル実現を両立させるには、多くの困難が想定されるが、あらゆる政治・政策資源を総動員し、必ずや達成しなければならない。
よって、国においては、2050年カーボンニュートラル実現に向け、次期エネルギー基本計画を策定するにあたり、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。
記
1 あらゆるポテンシャルを活用した再生可能エネルギーの研究、開発支援、導入を進めるとともに、計画の着実な実行のために中長期にわたる予算措置を大胆かつ計画的に実施する新たな仕組みを検討すること。
2 次期エネルギー基本計画の策定に当たっては、電力の安定供給、エネルギーミックスを十分検討の上、再生可能エネルギーの可能性に関して幅広い有識者による議論とともに多くの国民の声を取り入れること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年7月2日
埼玉県議会議長 木下 高志
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣 様
経済産業大臣
環境大臣
夫婦が望む場合には、結婚後も夫婦がそれぞれ結婚前の姓を称することを認める選択的夫婦別姓制度の導入に関し、平成8年2月に国の法制審議会が答申を出してから四半世紀が経過した。近年、結婚前の姓で社会的信用や実績などを築く期間が長くなっていることから、結婚に伴う改姓により社会的不利益・不都合や精神的苦痛を被る事例が更に増加している。
平成30年3月の衆議院法務委員会において、法務省民事局長が、夫婦同姓制を採用している国は日本以外にはない旨を答弁し、また本年4月の同委員会において、法務大臣が、仮に選択的夫婦別姓制度が導入された場合でも、戸籍の機能や重要性は変わらない旨を答弁している。
更に、本年6月23日に示された最高裁判所決定では6年前の判決同様に、夫婦の氏についての制度の在り方については、「国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならない」と示している。
そこで、国の基本である戸籍制度を堅持しつつ、選択的夫婦別姓制度に関し、その意義や必要性並びに家族生活及び社会生活への影響について、社会に開かれた形で議論を進めていく必要がある。
よって、国においては、近年における国民の価値観の多様化及びこれを反映した世論の動向等に鑑み、選択的夫婦別姓制度の導入に向けた国会審議を推進するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年7月2日
埼玉県議会議長 木下 高志
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 様
法務大臣
男女共同参画担当大臣
新疆ウイグル自治区で、大規模な恣意的勾留、人権弾圧が中国当局によって行われていることを国際社会は深く憂慮している。
国連の人種差別撤廃委員会は、平成30年9月、中国に関する総括所見を発表し、多数のウイグル人やムスリム系住民が法的手続きなしに長期にわたって強制収容され「再教育」が行われていることなどについて、「切実な懸念」を表明した。
我が国は、大使館員が現地に出張した際などの実態調査をはじめ各方面からの情報把握に努めてきた。また、令和2年11月に王毅国務委員兼外交部長が来日した際も含め、中国政府が透明性のある説明をするようあらゆるレベルで働きかけている。さらに、本年1月、外務大臣が国連人権理事会において、深刻な懸念を表明するとともに、中国に対して具体的行動を強く求めた。
一方、米国は、本年1月に、新疆ウイグル自治区における人権状況を「ジェノサイド(集団殺害)」と判断し、続いて、3月には、米国、EU、英国、カナダは新疆ウイグル自治区の人権侵害を理由に制裁措置を発表した。
G7(先進7か国首脳会議)構成国の中では日本だけが中国の人権侵害に対する対応に問題を残すこととなる。
よって、国においては、更なる徹底調査を実施し、各種問題があった場合は、抗議や即時是正等を求めることを強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年7月2日
埼玉県議会議長 木下 高志
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 様
外務大臣
子供に関する諸施策を一元的に担う「こども庁」の創設に向けた議論が進んでいる。
こども庁創設における議論では、子供関係の施策の所管官庁が内閣府、文部科学省、厚生労働省などにまたがっている縦割り行政の弊害を取り除くことに注目が集まっているが、国が取り組むべき課題は、他にもいくつか挙げられる。
第一の課題は、子育てや教育分野の財源確保である。経済協力開発機構(OECD)によれば、日本の家族関係支出といった比較的若い世代に向けた支出は対GDP比(2017年度)で1.58%にすぎず、英国やフランスなど他の先進諸国と比較して半分程度の低い水準となっている。
第二の課題は、子供の貧困の克服である。令和元年国民生活基礎調査によれば、相対的貧困率は15.4%であり、特に現役のひとり親世帯の貧困率は48%とOECDの中で最も高い水準となっている。
また、国の平成30年度の推計によれば、3歳から5歳のうち貧困、親の精神疾患、子供の発達障害などの理由により、保育園にも幼稚園にも通っていない子供は約9.5万人いるとされている。
子供の貧困を解消し、全ての子供が教育などの必要なサービスを享受できることは、成人後の就業率の高まりや所得増加につながり、社会全体に大きな利益をもたらすことが十分に期待される。
令和元年10月からは、改正子ども・子育て支援法の施行により、生活保護世帯なども含め幼児教育の無償化が実施されているが、それだけでは必要な幼児教育は届けられていない。そこで、現状、通園できていない幼児は誰もが保育園又は幼稚園に通園できるような踏み込んだ施策が必要である。
よって、国においては、子供・子育て分野における課題を解決するため、こども庁の創設とともに下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。
記
1 こども庁に強い権限を付与し、縦割り行政でなく、子供関連予算の一元的策定と確保を図ること。
2 子供関係の予算を他の先進諸国並みに大幅に拡充すること。
3 現状、通園できていない幼児も含め誰もが保育園又は幼稚園に通園できるような仕組みを設けること。
4 地方自治体の子供・子育て分野に関する政策を充実させるため、財政支援を強化すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年7月2日
埼玉県議会議長 木下 高志
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣 様
文部科学大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
少子化対策担当大臣
新型コロナウイルス感染症の脅威は依然として続いており、本県におけるまん延防止等重点措置が本年7月11日まで延長となっている。
収束のためには希望者へのワクチン接種を1日でも早く完了させなくてはならない。しかし、7月以降に地方自治体に供給されるファイザー社製のワクチンは大幅に減少する見通しとなっており、モデルナ社製ワクチンについても、調整のため大規模集団接種や職域接種の申請受付が一時休止となっている。今後のワクチン供給の量やスケジュールが明らかにならなければ地方自治体としてもワクチン接種を進めにくくなる。
また、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催が間近に迫っているが、選手や観客の移動等による新規陽性者の発生から、医療機関をひっ迫させることのないよう可能な限りの感染対策を講じる必要がある。そのような中、事前合宿のために来日した選手団の中に陽性者が確認されたことや、開会式の参加人数も観客数上限の1万人とは別に大会関係者ら約1万人の入場が予定されているとの報道もあるなど、新型コロナウイルス感染症の感染が再拡大することへの不安が根強く存在する。
さらに、デルタ株をはじめ、海外からの変異株が猛威を振るっている。その対策としては水際対策が特に重要であるが、国が海外からの入国者に毎日求めている位置情報の報告について、6月14日までの1週間では1日平均で約4,000人が「応答なし」であったとの報道もなされている。14日間の隔離や公共交通機関不使用などの措置は入国者が自主的に行うものであり、徹底されていない恐れがあることから、水際対策の実効性を上げるには更なる対策強化が必要である。
よって、国においては、下記の事項を早急に実施するよう強く要望する。
記
1 地方自治体において、一日でも早く、一人でも多くの国民にワクチンを接種するために、早急に、今後の詳細なワクチン供給の量やスケジュールを明らかにすること。
2 現在のワクチン接種能力を最大限に活用するために、市町村が希望する量のワクチンを適時適切に配分するとともに、地方自治体の大規模接種会場に対して最優先で配分すること。
3 東京2020オリンピック・パラリンピックの開催に当たっては万全の感染対策を講じること。
4 さらなる水際対策の徹底強化を図ること。
5 AI・デジタル(マイナンバー)等の先端技術を用いて、ワクチン接種等の効率化を進めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年7月2日
埼玉県議会議長 木下 高志
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣 様
外務大臣
厚生労働大臣
マイナンバー制度担当大臣
東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣
現在、教育の現場では、「誰一人取り残すことのない公正に個別最適化され、創造性を育む学び」の実現を目指す「GIGAスクール構想」の一環で、児童生徒に一人一台の情報端末の貸与や校内の高速ネットワーク整備が進められている。
また、これらのハード面の取組に加えて、児童生徒の「個別最適な学び」と「協働的な学び」の充実や、「特別な配慮を必要とする児童生徒の学習上の困難の低減に資するもの」として、「デジタル教科書」の導入も進められようとしている。
「GIGAスクール構想」に対しては、ICTを活用したオンラインでの授業や宿題の配付、さらにデジタル教科書やデジタルドリルの活用など、各人の状況に合わせた学習を推進することにより、多様な学びの実現と教員の負担軽減などへの期待が高まっているところである。
一方で、全ての教員が情報端末を活用した一定レベルの授業を行うことができるように、個人情報の取扱い及び管理も含めた教職員の資質の向上が求められる。また、デジタル教科書・教材は、学校から貸与された端末を使い、学校のシステムに接続する必要があり、例えば、転校先でも復習や学びが継続できる環境を整備しておくことも重要である。
加えて、デジタル教科書のみを使用した場合には、学習の基本能力である「読解力」の低下が危惧されている。そこで、各地方自治体において、Society5.0時代を生きる子供たちにふさわしい教育を推進するため、学校教育にICTを浸透させ、さらなる教育の充実を図るためのデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」という。)の実現に向けて取り組んでいくべきである。
よって、国においては、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。
記
1 情報端末の利活用や個人情報の取扱いなど、教育DXに対応する教職員研修の在り方について検討を進めること。
2 システムやソフトウェアの整備、情報端末や通信設備の修繕や定期更新など、教育DXに関する学校教育予算の充実・確保とその在り方について検討を進めること。
3 様々な社会の情報端末、デジタル教科書、個人認証システムの互換性を確保するための規格の統一について検討を進めること。
4 よく聞き、よく読み、よく書くなどの生涯学び続けるための基本的な「学ぶスキル」を身に付ける上で、紙面の活用と対面学習の併用を検討すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年7月2日
埼玉県議会議長 木下 高志
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣 様
文部科学大臣
経済産業大臣
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大や新たな感染症の拡大懸念等により、ワクチンの需要は高まるばかりだが、現在のように、全量を海外の製薬会社に依存する状況は、安全保障上のリスクともいえる。他国の事情に左右されることなく、国民に対して早期かつ着実にワクチンを供給することを確保するため、また、国内での感染を早期のうちに封じるワクチンを迅速に供給するためにも、日本国内におけるワクチン開発・生産体制の整備は最重要課題である。
こうした中、国は、本年6月、国家戦略として「ワクチン開発・生産体制強化戦略」を閣議決定した。同戦略では、ワクチンの迅速な開発・供給を可能にする体制の構築のために必要な政策として、ワクチン製造拠点の整備やワクチン開発・製造産業の育成・振興などを挙げている。
今般、諸外国で開発されたワクチンの多くは、新技術を用いたいわゆるバイオ医薬品であるが、このバイオ医薬品の工場は多額の設備投資を必要とすることから、ワクチン製造のために投資をしても感染症収束後には余剰設備となりうる。そのため、国は、企業の投資リスクを軽減するために、措置済みの大規模ワクチン製造設備では、平時のワクチン以外の医薬品生産を可能とするために必要な施設改修の支援を実施するとしている。さらに、有事におけるワクチン供給能力の確保に必要な範囲で、新設するバイオ医薬品製造設備については、有事にワクチン製造に転用するデュアルユース設備を構築し、平常時からの技術・人材等の確保を行うことが考えられるとしている。
医薬品製造業の生産額は全国第1位、医療機器製造業の生産額も全国第5位と医療関連産業が集積しており、東日本の交通の要衝である本県は、国産ワクチンの製造拠点としてふさわしい。
よって、本県議会は、県に対し、国におけるワクチン製造拠点の整備事業に関し、ワクチン・治療薬等の製造拠点を本県に誘致するとともに、既存のワクチン製造事業所への支援を拡充するなど、本事業に係る確実な実行を強く求める。
以上、決議する。
令和3年7月2日
埼玉県議会
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