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掲載日:2023年5月19日
Q 安藤友貴議員(公明)
私の地元である新座市を含む県南都市部の農地は、新鮮な農産物の供給をはじめ、防災や環境保全の面で大きく貢献をしており、引き続き貴重な緑地空間として保全していく必要があります。新座市では、ニンジンやホウレンソウなどの野菜を大規模に生産する農家もあり、こうした農家の方々には、営農を継続していただくことが重要であると考えています。
しかし、農地は、農業生産の基盤であるのにもかかわらず、都市部においては相続時に多くの相続税が課せられ、相続税を納めるために農地を切り売りせざるを得ないのが実態であり、これが営農を継続していく上で1つの大きな課題となっています。私自身も地元の農家の方々にお話を伺ったところ、ほとんどの方が相続税を何とかしてほしいと言われていました。
農地の相続税猶予制度については、相続税を払うために農地を売却せざるを得ないという問題を解消し、自ら農業経営を継続する相続人を税制面から支援するために設けられた制度です。原則、自ら農業経営を継続することを要件としていますが、このことが農地の利用集積の支障となっていたため、現行では、市街化調整区域内であれば中間管理機構等に貸し付けても納税猶予の対象となっております。
しかし、新座市など3大都市圏特定市の市街化区域内においては、生産緑地地区内で自ら農業経営を継続する場合のみ対象とされています。このままでは、相続税の問題がネックとなり、都市部における貴重な緑地空間である市街化区域内の農地は減少の一途をたどることになってしまいます。都市農業は、都市住民に潤いと安らぎをもたらすなど様々な機能を果たしていることから、首都圏に位置する埼玉農業にとって、1つの重要な位置を占めているものと考えます。都市部の農家が安心して農業を続けていくためには、都市農業の持つ様々な機能を踏まえ、都市部の農地の相続税について更なる配慮が必要と考えますが、農林部長の御所見をお伺いします。
A 河村 仁 農林部長
都市農業は新鮮な農産物の供給はもとより、農業体験の場や潤いをもたらす緑地空間、さらには災害時の防災空間の提供など重要な役割を果たしております。
県では、こうした都市農業の役割を踏まえ、農産物の生産指導をはじめ、加工販売や体験農園の運営などを行う農業者の支援に努めております。
たとえば、新座市におきましては特産でございますニンジンの暑い時期の発芽率向上対策や体験農園開設の際の作付計画や利用規程の作成支援などを行っております。
また、議員お話の相続税納税猶予制度につきましては、県内の市街化区域内農地のうち、平成25年12月末現在865ヘクタールに適用され、エダマメやコマツナなど地域特産物の生産が受け継がれております。
こうした中、都市農業のもつ多様な機能の適切かつ十分な発揮と都市農地の有効な活用及び適正な保全を図ることを目的に、本年4月に都市農業振興基本法が施行されました。
この法律では、都市農業の振興に関する施策を実施するため、国において財政面や税制面などにおける必要な措置を講じなければならないとしております。
県といたしましても、都市部の農家の方々が安心して農業を継続できるよう、相続税納税猶予制度の適用範囲の拡大を国に働き掛けるなど都市農業の振興にしっかりと取り組んでまいります。
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