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ページ番号:54653
掲載日:2023年5月19日
Q 飯塚俊彦議員(自民)
昨年10月の人口推計によれば、我が国の65歳以上の高齢者は3,300万人、総人口に占める割合は26パーセントと、ともに過去最高になっております。一方、15歳から64歳までの生産年齢人口は前年に比べ116万人減少し、7,785万人、15歳未満の年少人口は16万人減少して1,623万人、総人口に占める年少人口の割合は昭和50年以降、40年間一貫して低下を続けており、昨年初めて高齢者の人口が半分以下となりました。少子化対策には国を挙げて取り組んでいるところでありますが、人口を維持できる水準にはまだほど遠い状況であると言えます。急速に進む少子高齢人口減少社会において、地域における人間関係の希薄化や地域コミュニティの弱体化が進行し、介護や子育てをはじめ、環境保全、まちづくりなど、様々な課題が山積しております。
一方、国、都道府県、市町村の財政状況は厳しく、公的サービスだけで全てに対応することは困難となっています。このような状況があるがゆえに、NPO法人や地域団体など様々な課題の解決に取り組んでおります。
昨年、富岡製糸工場と絹産業遺産群が我が国の近代産業遺産として初めてユネスコの世界遺産に登録され、人気の観光スポットになっております。私の地元本庄市は、富岡製紙工場と絹産業を支えた養蚕農家の建物が多く残され、高窓の里と呼ばれている地域があります。平成21年2月には、その美しい町並みが評価され、彩の国景観賞を受賞しました。こうした地域の歴史的遺産や自然を保護する活動の中心となっているのも地元NPO法人などです。
私自身も、地元で農業関係のNPO法人を主催し、耕作放棄地の再生などに取り組んでおります。日頃、他のNPO法人や地域活動に取り組む仲間たちと意見交換をすると、その多くが活動に必要な人材や資金の確保に頭を悩ませています。現役世代の人口が減少する中、地域社会の健全な維持、発展には住民や企業、NPOなどの様々な主体による共助社会づくりを一層進めていくことが大切であると考えます。
そこで、県は共助社会の担い手に対し、どのような支援をし、どのような成果が出ているのか、県民生活部長にお伺いいたします。
A 福島 勤 県民生活部長
共助社会づくりを進めるためには、企業やNPO、自治会などによる地域活動を支援し、活発にする仕掛けを作ることが必要です。
そこで、県では、多くの地域活動団体が苦労されている人材と資金の手当てを支援するため、平成26年度から「共助の取組マッチング事業」を開始いたしました。
この事業は、地域の課題解決に取り組むNPOなどに対して、人材の面では、社会貢献をしたいと考えている様々な分野の専門家を、資金面では、各種助成金制度や融資制度などを紹介するものです。
そして、NPOなどの相談を受けて最も適した人材や資金をマッチングするため、「共助仕掛人」と名付けた斡旋役を、県庁の共助社会づくり課のほか、熊谷市、川口市、和光市の3市に配置をしております。
昨年度は、4名の共助仕掛人が延べ310件のマッチングを行い、115件が成立いたしました。
例えば、運営する子育て支援施設の老朽化に悩んでいたNPOに対し、共助仕掛人が無料で改修プランを助言してくれる建築士と、活用できる助成金制度を紹介して、施設改修が可能になったケースなどがあります。
また、法人設立の手続きに苦労しているNPOには行政書士を紹介し、無料でアドバイスをいただいております。
こうした専門家には、建築士や行政書士のほかホームページを作成できるIT技術者、企業で経理やマーケティングに携わった定年退職者などがおり、現在198の個人や団体に登録をいただいています。一方、資金面では、昨年度、8つの金融機関と「共助社会づくりのための協力に関する協定」を締結し、全ての金融機関で低金利のNPO法人向けローンを取り扱っていただいております。
平成26年度の融資実績は129件、約12億2,750万円に上っております。
その中には、資金繰りに困っておりましたNPOに共助仕掛人が低金利ローンを紹介して、障害児デイサービス施設の整備に活用していただいた事例などがございます。
今後とも、人材と資金の両面からNPOなどを支援するマッチング事業と その成果についてホームページや職員による出前講座などを通じて積極的に発信し、共助の取組を更に広げてまいります。
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