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掲載日:2023年5月17日
Q 吉良英敏議員(県民)
12月4日の埼玉新聞にも掲載されましたが、私は地元杉戸町の国際交流協会の顧問を受けている関係もありまして、先日、西オーストラリア州バッセルトン市に行ってきました。地元の市議会議員のお宅に9日間ホームステイをさせていただき、西オーストラリア州連邦議会議長との昼食会をはじめ、市役所や福祉施設、小学校、商工会など様々見学、意見交換をさせていただきました。これからは、グローバル化の中で世界で活躍する人材、あるいは埼玉県にビジネスあるいは人をどんどんと引っ張ってこれるような人材、これの育成がとても重要だと改めて感じました。県としても、高い志を持った高校生50人を選抜して、ハーバード大学であったり、マサチューセッツ工科大学であったり、あるいは姉妹州であるメキシコ州の高校生との交流事業、さらに埼玉発世界行き奨学金制度など、その活躍のサポートにとても力を入れています。
しかしながら、人材育成は成果が見えるまでにとても時間がかかります。若者が成長し、世界に打って出られる人材になるまでどれくらいかかるでしょうか。10年以上かかるでしょうか。
また、国際交流事業は、一般県民にとってどのような取組を行っているのか、実は分かりづらい一面もあります。グローバル人材育成を充実させていくために、更に県民の理解を得ることが必要であり、そしてそのためには県が目指す方向や事業の実績、これをしっかりと県民に示していくことが求められると思います。
そこで、以下伺います。
初めに、今後のグローバル人材育成に対する知事のお考えを伺います。
次に、これまでの実績とPRについて、どのようなスタンスで取り組んでいらっしゃるのか、県民生活部長に伺います。
A 上田清司 知事
吉良議員も今回改めて感じられたとのことでございますが、海外で活躍できるような人材はもとより国際人を育成することはますます重要だと思います。
ところが、日本から海外への留学生は平成16年度をピークに急激に減少していた状態が分かりました。
私も22年にそのことを見て「これはいかん」というふうに思って、であれば、埼玉県ががんばってみようということで、10億円の基金を用意してグローバル人材育成基金を創設して、以後海外留学を目指し埼玉から世界へ羽ばたく若者を応援する「埼玉発世界行き」奨学金制度で、自治体としては全国一のレベルであります約300人の奨学生を毎年海外に派遣することにいたしました。
正にこの奨学生たちには第二の渋沢栄一や本多静六になっていただきたい、そういう思いがございます。
本県のこうした取組に触発されて、国の留学支援予算も実はその後埼玉県の事例を財務省に示すことによって、2倍の予算額になったという報告も聞いております。
ただ、「もっと広がればなおいい」というふうに思って企業や団体に働き掛けたところ、早速、昨年度は県が協定を締結したFMナックファイブで、スポーツ研修に参加する高校生をオーストラリアクイーンズランド州に派遣しています。
浦和高校同窓会でも留学のための奨学金を創設いたしました。
また、先月は独立行政法人国際交流基金とも包括的連携協定を結びました。
この協定の中で、国際交流基金の事業を活用して、アセアン諸国の高校などで授業のアシスタントとして現地の生徒や地域の人々に日本文化を紹介しながら交流する人材も派遣することができるという仕組みでございます。
こういう形で、今後も官民一体となってムーブメントを起こしてグローバル人材の育成に進めていきたいと考えております。
A 福島 勤 県民生活部長
県は「埼玉発世界行き奨学金制度」を平成23年度に創設し、これまで約1,400人の留学生をアメリカなど50か国へ派遣してまいりました。
派遣に際しては留学情報を提供するためのセミナーを開催し、帰国後にはインターンシップや就職相談を行うなど留学準備から就職までトータルに支援を行っております。
その結果、世界銀行などの国際機関やハーバード大学附属病院、海外展開をしている県内企業などで活躍している奨学生も出てまいりました。
グローバル社会が進展する中で、こうした留学支援事業がますます重要になってまいりますことを県民の皆様に理解をしていただく必要がございます。
このため、グローバル人材育成事業の目指す方向や実績について、知事の記者会見や県のホームページ、彩の国だよりなどで定期的に公表をしております。
また、奨学生の募集や留学に関するイベント情報につきましては、国際交流協会のフェイスブックなどを活用してタイムリーに情報を発信をしております。
さらに、帰国した留学生による留学体験レポートをホームページに掲載することで、留学の魅力を広く県民の皆様にお伝えをしております。
今後は、社会で実際に活躍し始めた留学経験者の声を紹介するなどさまざまな方法により、留学の意義やメリットをわかりやすく伝え、県民の皆様にご理解をいただけるよう努めてまいります。
<注意>
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。
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