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掲載日:2023年5月17日

平成27年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(杉島理一郎議員)

県立高校の入試改革の問題点 

Q 杉島理一郎議員(自民

国づくりの根幹は、一に教育、二に教育、三、四も教育、五も教育であると考えます。そこで、生徒も先生も明るく楽しい教育環境の整備に向けて、まずは県立高校の入試改革の問題点についてお伺いいたします。これまでの一般質問の発言とは違った角度から御質問をさせていただきます。
先月、県立高校の入試改革が発表をされました。平成29年度の入試から数学と英語において簡単な問題を増やした上で、難易度の高い学校選択問題を導入する。つまり、入試を二分化するとしています。
かつて、議会の中で、勉強が苦手な生徒が最後まで諦めずに試験問題に取り組んでもらうために、試験問題の難易度を下げたり、入試問題を分けるべきだという考えが示されたと承知しております。しかしながら、全体の難易度を下げるがために、難易度の高い問題を出す高校と難易度の低い問題を出す高校とを分ける学校選択問題の導入は、本当に子供たちのためと言えるのでしょうか。
学校は、一人一人の子供の能力を引き出し、可能性を伸ばすところのはずです。しかし、入試の二分化は中学校の教室の中で生徒を二分化して授業をすることにもつながり、学力の低いとされた子供の可能性を諦めたも同然だと考えます。最も懸念されるのは、入試問題の二分化が中学校段階で子供の向上心を失わせ、更には子供の可能性を伸ばすという学校の役割が低くなり、教員の士気や能力そのものが低下することであります。
そして、更に今回この重大な入試改革がオープンな議論がなされないまま、教育長の専決事項で決定され、かつ教育委員には事後報告であったことは大変問題があると考えております。入学者選抜方法改善協議会で議論された報告を受けての決定とのことですが、同協議会は非公開での会議体であり、やはり透明性に問題があると感じます。入試の改善は、試験問題の内容を工夫することで十分に対応ができたのではないかと考えますが、なぜあえて今回このような制度設計にしたのか、これまでの指摘も踏まえて教育長に説明を求めます。
また、朝日新聞の記事では、教育委員会の場で入試改革の報告があった際に、教育委員から改善は心配や、教育委員会に報告事項でしかないのはおかしいとの声が上がったと報道されており、本県の教育は大丈夫かと心配になります。
そこで、教育委員会委員長にお伺いいたします。教育委員会にとって、埼玉県の教育の最重要事項である入試改革について、教育委員会では全く議論がなされないまま進められてきたことについて、どのようにお考えか。また、教育委員の間ではどのような議論がなされ、教育長に対して何らかの申入れは行ったのか、御自身の考えも含めて御答弁を願います。 

A 関根郁夫 教育長

なぜあえて今回このような制度設計にしたのかについてでございます。
高校入試の学力検査は中学校3年間の学習の集大成として、受検生一人一人の学力を測るものであるとともに、各高校の入学者を選抜するための重要な資料となるものです。
学力検査問題は本来、1種類であるべきであり、中学生の学習の到達目標とすべき問題であると考えております。
これまでも出題についてさまざまな工夫を続けてまいりましたが、数学と英語の学力検査では正答率が極端に低い問題があるなど、難易度の設定に課題がありました。
そのため、受検生一人一人の学力をより適切に見ることができるよう、全体的に学力検査問題を取り組みやすいものに改善いたします。
また、改めた学力検査問題では、得点に差がつかず選抜の資料となりにくい高校については、学校の判断により、例外的に一部に応用的な内容を含む学力検査を実施することができることといたしました。
数学と英語の検査問題は全体の6割から7割が共通の問題となります。
このことで、受検生が意欲を持って日々の学習に取り組み、学力検査では最後まで粘り強く解答して、力を発揮してくれることと考えます。
次に、この改善の経緯でございます。
数学と英語の学力検査問題に課題があるということが、県議会の平成25年6月定例会と平成26年2月定例会で指摘され、研究を進めてまいりました。
入学者選抜の具体的な制度設計は、これまで中学校、高校の校長、教頭、教諭と教育局から構成する、入学者選抜方法改善協議会を設置し、その意見を踏まえて検討してまいりました。
今回の協議会では、協議内容に学力検査問題の具体的な作成方法についても含まれているため、入学者選抜の公平性の確保の観点から、非公開で実施したものでございます。
また、入学者選抜事務については教育委員会規則において、教育委員会から教育長に委任されており、これまでの入試制度の改善においても、教育委員会には報告事項としておりました。
しかしながら、教育委員会に節目節目で報告していなかったことは事実ですので、今後は改善してまいります。
今回の入試改善については、中学校や保護者に十分に周知を図りながら、その定着にしっかりと取り組んでまいります。

A 高木康夫 教育委員会委員長

まず、入試改革について、教育委員会では全く議論がなされないままで進められたことについてどのように考えるかでございます。
県立高校の入試に関することについては、教育委員会規則により教育長に委任しております。
その仕組みの中で、今回の入試改善も前例にならって進めてきたことと理解しています。
しかしながら、教育長に委任しているとはいえ、私たち教育委員もこの件については議論を重ねてまいりました。
次に、入試改革について、教育委員の間では、どのような議論がなされ、教育長に対して何らかの申し入れはおこなったのか、についてでございます。
現在の入試制度は学力検査の得点に、中学校での9教科の成績、生徒会活動や部活動の実績等、調査書に記載された内容を加味して各高校で定めた選抜基準で、選抜することとなっております。
さらに、高校の判断により面接も実施できることになっており、それぞれの高校の特色を生かした選抜ができる入試制度になっています。
今回の変更につきましては、今年の7月に事務局から事前に説明を受けた際、このような大きな問題について、検討する段階で教育委員にも話をして欲しいという意見がありました。
また、数学と英語は、通常の学力検査問題のほかに学校選択問題を導入することで、高校をランク分けすることにならないかという懸念が示されました。
そのため、数学と英語の学校選択問題を選択する場合は、各高校の目指す学校像、求める生徒像を踏まえて、慎重に判断すべきという意見を事務局に伝えました。
その後、事務局と教育委員の間で、あるいは教育委員同士で何度も意見交換を行いました。
そして、去る11月の教育委員会において改めて詳細な説明を受け、委員から意見が出された上で、今回の入試改善についての報告は了承いたしました。
その際、私から教育長に、今後の入試制度の改善については、その都度、教育委員に報告しながら進めるよう申し入れをいたしました。
私たち教育委員は、子供たちを育てていく中で、皆でいろいろなものを改善していきたいという思いをもっております。
県教育委員会といたしましては、教育委員と事務局とが一体となって今後とも、より良い入試制度を目指してしっかり取り組んでまいります。

再Q 杉島理一郎議員(自民

今回、入試の改善ではなく、改革と使った理由は、教育長の専決事項で全て決めたことに問題があると言っております。今回、協議会の報告どおり、そのまま決定がなされており、教育委員会委員長からの発言のとおり、教育委員会から申入れがあっても、そのまま何の検討もせず、教育長の専決事項によって決定をされたことは、正に改善ではなく改革だと思います。
では、教育委員会からの申入れをどのように考慮したのか、今後専決事項であったとしても、教育委員会の意見はしっかりと考慮に入れていくつもりなのか、教育長にお伺いします。 

再A 関根郁夫 教育長

教育長の専決事項でございますが、7月に事前に教育委員に御報告し、7月から11月の間、3か月かけていろんな御意見をいただきました。
それを受けて今回の内容となったものでございます。
そういった意味で、その前の段階の御報告が足りなかったと思っておりますので考慮に入れて考えていきたいと思っております。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

<注意>
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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