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掲載日:2023年5月17日
Q 荒木裕介議員(自民)
アベノミクス効果により、国の景気回復も着実に進む中で、一時期の学生就職難からは脱した感があります。民間研究機関の調査によりますと、来春に卒業する大学生の求人倍率は1.73倍となっており、昨年と比較して0.12ポイント上昇するなど、就職状況は企業側の買い手市場から学生側の売り手市場へとシフトされつつあります。
しかしながら、学卒で意欲を持って就職はしたものの、思っていた仕事内容、又は職場環境とは違い、「石の上にも3年」という言葉とは裏腹に、新たな環境を求め、離職する若者が増えてきております。これがいわゆるミスマッチであります。
そこで、現在、インターンシップ制度が改めてクローズアップされているのです。インターンシップは、本来、就職活動に直接つなげてはならないとの考えがあるものの、企業も学生も就職活動の前哨戦として位置付けられる傾向にあるようです。
私が、以前衆議院議員事務所で勤めていた頃、とある女子大学の学生さん3人をインターンシップとして受け入れたことがありました。職業体験を通じ雰囲気を感じてもらい、そして現場を知っていただくために、我々の事務局が対応したことを覚えております。当初、仕事内容を説明している段階ではそれほど興味がないように見受けられましたが、時間の経過とともに質問をされることが増え、関心を持ってきてくれているんだなと感じるようになりました。
それから約2年が経過した春、我が事務所に1人の女性が訪れると、以前にお世話になった職業体験からこの業界に強い関心を持ち続け、ある方の御紹介をもとに、某政治家事務所で見習いとして働き始めましたとの報告でありました。当時は、まだまだ就職難であったことも考えると大変にうれしい気持ちにもなり、私ごとではありましたが、インターンシップによる人と企業のマッチングという重要性を感じさせられる事例となりました。
現在、県内企業の99パーセントが中小企業でありますが、依然として学生の大手志向が強く、売り手市場の就職状況下にあっては、知名度の低い中小企業は学生からなかなか見向かれず、技術力の優れた企業や評価の高い製品を生み出している中小企業も県内にはたくさん存在しているのにということを考えると、残念に思えてなりません。
私は、単独ではなかなか学生を集めることが困難な県内中小企業の人材確保を支援していくべきだと考えております。そして、何より現状の大学3年生からではなく、学生生活の中でどの段階からでもインターンシップの機会を提供し、そしてこれまで以上に県内企業のアピールをしていくことが必要なのではないでしょうか。こうしたことを踏まえ、インターンシップに県として今後どのように取り組んでいかれるのか、産業労働部長にお伺いをいたします。
A 立川吉朗 産業労働部長
インターンシップは、学生が職業適性や将来設計について考える貴重な機会でございます。就職後3年以内に仕事をやめる大学新卒者が3割を超える中、職場適応力を高め、定着率の向上にもつながるものでございます。
このため、県では働くことに対する大学生の意識を高め、県内企業への理解を深めるため、平成22年度から埼玉県経営者協会と連携して、大学生インターンシップ事業に取り組んでまいりました。
今年度は、新たに埼玉県インターンシップシステムを構築し、ホームページ上で、受入企業と学生のマッチングを迅速にできるようにいたしました。
11月末現在で、123大学、174企業がシステムに登録し、675人の学生の応募がありました。その中から76大学250人の学生と40社の企業・団体とのマッチングが成立しております。
このサイトでは、企業の募集情報だけではなく、「企業からのメッセージ」機能を利用して、自社のPRや業界の仕事の理解につなげることが可能となっております。
参加学生の約9割は大学3年生ですが、受入企業の多くは学年を問わないという募集条件であり、1・2年生も参加しております。
こうしたインターンシップは通常1、2週間の期間で行われることが多く、学生、企業ともに気軽に参加できるメリットがあります。
一方で、単なる職場体験にとどまるケースが多いことが課題としてあげられます。今後は、より長期のインターンシップの導入も検討してまいります。
また、グローバルな視野を持つ人材の育成を図るため、グローバル人材育成基金を活用して海外インターンシップ事業も実施しています。
今年度は21名の学生が県内企業9社の海外拠点で2、3週間のインターンシップに参加いたしました。
今後とも多様な形態のインターンシップを推進し、県内大学生のキャリア形成や県内企業の魅力発信を支援してまいります。
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