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掲載日:2023年5月19日
Q 浅井 明議員(自民)
全国で5番目に若い埼玉県は、日本一早いスピードで高齢化が進んでおります。2025年には、75歳以上の高齢者が現在の約70万人から約120万人に倍増し、それに伴い、医療費も大幅に増加することが見込まれます。埼玉県の医療費は、今後毎年約800億円増加し、平成29年には2兆3,700億円になると見込まれております。国民医療費39兆円のうち、3分の1が糖尿病などのいわゆる生活習慣病にかかる医療費です。
そこで、団塊世代の代弁者を自負しております立場からお伺いします。
年間1人当たりの高齢者医療費が最も少ない小鹿野町の検証から始まった健康長寿埼玉プロジェクトは、運動、食生活の改善と地場産野菜の活用などを併せた提携事業も展開されております。取組をされているモデル自治体でも、ウオーキングや筋力アップトレーニング、栄養指導など、具体的で特徴のある様々な事業で成果を上げているとのことであります。今年度から対象モデル自治体を7市から20市町に拡大し、医療費の抑制も見込まれているとのこと、誠に喜ばしいと存じます。
各モデル市で開発、実践された様々なプログラムの検証データも蓄積されてきているようです。これらを更に分析、研究されてマニュアル化し、各方面に埼玉モデルの情報として提供し、全県に普及を図ること、一層の推進が見込まれ、メディアからも注目されてきているようであります。特産野菜の活用で地場産業など地元企業や商工団体、多くの企業の協力、提携も進み、暗く考えがちな長寿社会の未来を明るくしてくれるものと期待しております。モデル自治体を今年度の20市町から更に拡大していくべきと考えます。
さて、医療費の抑制ということでは、シルバー人材センター事業のほうからも明るい数値が上がってきております。シルバー事業会員の総医療費の推計値は、一般の高齢者に比べ年間で約6万円少なく、要介護者の減少も見られているようです。推計しますと、約80万人の会員全体で年間約480億円、介護保険で37億円、合わせて年間約517億円の医療・介護の財政軽減に寄与しているという報告があります。団塊の世代が65歳以上となった現在、人口の4人に1人が65歳以上。私もその1人ですが、平成47年には3人に1人が65歳以上となる超高齢社会が待ったなしに訪れます。シルバー人材センター事業会員のこの数値は、リタイア後に家に引きこもりがちな高齢者との行動の違いの中にあると言われています。自分の能力に自信を持ち、人の役に立てる喜びで生きがいを見つけ、積極的に社会に飛び出して活動することにあると言われます。
健康長寿埼玉プロジェクトの筋トレ等、体力を維持しロコモに陥らず、食生活改善指導でいわゆるメタボを克服し、そしてシルバー人材センター事業への就業で地域社会に貢献していくことで、3人の若者が1人の高齢者を介護するのではなく、1人の高齢者が3人の若者を助けていく社会を構築することが、超高齢社会を明るく導くと思われます。団塊の世代の代弁者を自負いたします浅井の提案ですが、健康長寿埼玉プロジェクトとシルバー人材センター事業とのコラボは考えられないでしょうか。例えば、連絡会やシルバー人材センター事業会員を対象としたプログラムの実施と検証、健康長寿サポーターのシルバー人材センター事業での資格認定などです。
また、健康長寿埼玉プロジェクトを立ち上げ、この成果を上げるため、どのくらいの職員がどのくらい携わっていたのでしょうか。費用対効果の検証はなされたのでしょうか。併せて、保健医療部長にお伺いします。
A 石川 稔 保健医療部長
まず、「「健康長寿埼玉プロジェクト」と「シルバー人材センター事業」とのコラボは考えられないか」についてです。
健康とは、身体的に良好で、精神的にも良好な上に、さらに社会とも良好な関係が保持できて初めて、本当の意味で「健康である」といわれています。
高齢になっても、仕事や趣味などを通じて地域社会と主体的に関わり続けていくことが、社会的な健康を維持する上で欠かせません。
議員御提案のとおり、シルバー人材センター事業は、そうした意味でまさに健康長寿社会の実現に大いに資する事業であると考えております。
超高齢社会にあって、高齢者がその能力を存分に発揮し、社会を支えていく存在になれれば、大変すばらしいことだと思います。
これまでも健康長寿埼玉プロジェクトでは、できるだけ多くの方に参加していただくため、食生活改善推進員や自治会など地域の様々な団体と連携をし、事業を推進してまいりました。
シルバー人材センターともコラボし、会員の皆様にもモデル事業に御参加いただけるよう、市町村に働きかけてまいります。
また、会員の皆様に健康長寿サポーターになっていただき、健康情報を広めていただければ、地域の健康意識がさらに高まることが期待できます。
県内約4万7千人の会員を擁するシルバー人材センターを対象とした健康長寿サポーター養成講習の実施についても検討をしてまいります。
次に「費用対効果の検証はしたのか」についてです。
小鹿野町の検証以降、平成21年度から本年度までの7年間に、市町村に対し交付した補助金の総額は、約3億500万円になります。
携わった県職員は延べ15人、市町村職員は延べ54人で、その人件費を加えますと、およそ9億6800万円の経費をかけてこのプロジェクトを推進しています。
今年度、埼玉モデルを始める20の市や町の40歳から74歳までの住民の皆様の1割が、この事業に取り組んだと仮定した場合の医療費抑制効果は、これまでの事業費を大幅に上回る約25億5300万円と試算されます。
できるだけ多くの方々に継続して取り組んでいただき、大きな効果が出るよう市町村をしっかりと支援してまいります。
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