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ページ番号:61550
掲載日:2023年5月17日
Q 木下博信議員(改革)
2025年問題を見据えて、急速な入所施設の整備推進と在宅介護の拡充が必要となっています。その実現には、容易ならざる様々な努力が必要です。そして、更にその先を見据えたとき、実は今意識して考えなければならない大切なことがあります。それは、ある時期から介護ニーズが急速に減っていくということです。私たちは、つい目の前の課題解決に没入してしまいます。今現在の課題を解決し、県民に幸せを提供していくために、ある意味で当然のことです。
しかし、我々の行ったことは、更に先の世代にも影響を残してしまいます。例えば県立高校、人口急増期にその受入れを図るために、県内で急速に多くの学校が整備されました。その結果、生徒数減少により、その施設が過剰になるだけでなく、同時期に老朽化し、多大な維持管理費が必要になり、その整理統廃合が必要になりながらも、それにも多大な労力がかかっています。高度成長期に整備した道路、橋りょう、水道、下水道等社会インフラも、今我々に多額の維持補修コストをどうやって生み出すかという課題を突き付けています。過去の行為に伴う支出が、将来に向かって正に取り組むべき予算を確保することへの阻害要因として存在しているのです。
こうした経験をしている現在の我々までもが、同じように未来の世代に同じことをして負担を残していくわけにはまいりません。待機解消に向けて、単純にこれまで同様のレベルでの特養施設整備を続けていくと、ある時期からその施設が過剰となり、将来の世代に過剰設備の維持補修という負担が行ってしまうことを私たちは正確に認識し、それを生じさせない整備の仕方を創出していく責任があるのです。
現在の人口推移を前提としてでも、介護ニーズのピークから20年、30年後の必要数の概算をしていく必要があります。そして、その数を意識して、これからの特養整備をどのような形で進めていくのか、早急にあらゆる方式を検討、導入していかねばなりません。それは、他施設への転用を見込んだ設計の見直しかもしれませんし、既存施設の改修、増築の促進かもしれませんし、容易に縮減・縮小できるサテライト型の施設の推進かもしれません。
私も、現段階で明確な答えは持っていませんが、この視点での検討は、将来世代のため絶対に必要であると考えていますので、この視点を取り入れて整備の仕方を研究していただけるかどうか、福祉部長の見解を伺わせていただきます。
A 田島 浩 福祉部長
県では、在宅での生活が困難になった方が安心して施設でのサービスを受けられるよう、「埼玉県高齢者支援計画」に基づき多様な介護施設を計画的に整備しております。
このうち特別養護老人ホームは、平成27年3月策定の第6期計画で、入所希望者数や介護サービス見込量等を踏まえ、平成31年度までの5年間で約1万人分を整備することとしております。
後期高齢者が2025年に向け日本一のスピードで増加している本県では、介護サービスのセーフティネットである特別養護老人ホームの整備は、当面、計画的に進めていく必要があると考えております。
国立社会保障・人口問題研究所によりますと、全国の後期高齢者人口は2015年の約1,650万人から2025年には約2,180万人へと急激に増加すると見込まれています。
その後は概ね横ばいで推移し、いわゆる団塊ジュニア世代が後期高齢者になった後の2053年頃に約2,400万人で、ピークを迎えると推計されています。
また、医療の進歩による健康寿命の延伸やロボットなどを含めた介護機器の進歩などにより、在宅での生活期間が長くなることが見込まれております。
このような後期高齢者人口の動向や社会状況の変化を踏まえると、特別養護老人ホームに対する需要はいずれかの時点で減少に転じていくものと考えております。
将来を見据えた特別養護老人ホームの整備については、議員お話しの他施設への転用を見込んだ設計など、その手法を研究してまいります。
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