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ページ番号:61980
掲載日:2023年5月17日
福祉保健医療委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されました案件は、議案12件及び請願2件であります。
以下、これらの議案等に関して行われた主な論議について申し上げます。
まず、第120号議案について、「検査機器の取得に当たり、購入金額の妥当性を判断するためにほかの病院の購入金額を調査する必要があったのではないか」との質疑に対し、「今回は、ほかの病院での同じ仕様の機器の購入費用を事前に調査していなかったが、今後はしっかりと調査する」との答弁がありました。
また、「新たな機器を更新前の機器と同様に10年以上使用するのであれば、機器の性能向上が著しい現在では県民の利益とならないと思うが、今後の更新についてどう考えるか」との質疑に対し、「購入予定の機器の耐用年数は6年であり、耐用年数を超えた際には速やかに更新することが望ましいと考えている」との答弁がありました。
次に、第155号議案について、「県立大学の中期目標で数値目標を設定した理由は何か」との質疑に対し、「全国の公立大学の中でも中期目標で数値の評価基準を定めているところは少ないが、県立大学の努力の達成度を表し、客観的な評価ができるものとして設定した」との答弁がありました。
このほか、第129号議案ないし第138号議案についても活発な論議がなされました。
以上のような審査経過を踏まえ、本委員会に付託されました議案12件について採決いたしましたところ、いずれも総員をもって、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
次に、請願について申し上げます。
議請第24号につきましては、不採択とすべきとの立場から、「マクロ経済スライドは、年金制度を長期にわたって安定的に維持するために必要なものであると考える。全額国庫負担の『最低保障年金制度』は、財源確保に課題があることや、年金に係る制度設計は、生活保護やその他の福祉制度と密接に関連しており、総合的かつ政策的に議論すべき事項であることから、実現することが望ましいとはいえないと考える。年金支給開始年齢の引上げは、少子高齢化などの社会情勢を踏まえて決定されてきたものであり、年金制度を安定的に維持するために必要な決定であったと考える」との意見が出されました。
次に、採択すべきとの立場から、「政府は、マクロ経済スライドにより年金を引き下げ続けることを見込んでいるが、デフレ経済下でマクロ経済スライドを適用できるようにすることは許されるものではない。また、日本の年金支給額は国際的に見ても低く、年金だけでは生活することができず、最低保障年金制度もない。さらに、既に年金の支給開始年齢も高い状況の中で、これ以上の引上げは許されない」との意見が出されました。
次に、議請第25号につきましては、請願者から松坂喜浩議員及び木下博信議員を紹介議員として追加したい旨の申請があり、これを了承の上、審査したところであります。審査におきましては、不採択とすべきとの立場から、「個人の生活の状況はそれぞれ異なるため生活設計も多様であることから、一概に隔月支給では生活設計しづらいとはいえない。また、現行制度を変更することは、隔月支給に慣れた受給者に混乱を来すことや、システム改変費や手数料などの追加の行政コストが生じるという懸念がある」との意見が出されました。
次に、採択すべきとの立場から、「毎月支給に変えてほしいという年金受給者の声は広がっており、切実な願いを受け止めるべきである。年金が毎月支給されることで月ごとの計画が立ち、生活設計が成り立つと考える」との意見が出され、採決いたしましたところ、賛成少数をもっていずれも不採択とすべきものと決した次第であります。
次に、所管事務の調査として、「社会福祉施設等施設整備費の補助について」、「小児がんについて」、「ネウボラについて」、「がん検診の推進について」、「地域がん登録の活用について」及び「旧県立がんセンターの解体工事について」質問が行われました。
以下、論議がありました主なものについて申し上げます。「妊娠、出産から子育てまでを包括的に支援するフィンランドの『ネウボラ』という支援体制が注目されているが、県ではどのように取り組んでいくのか」との質問に対し、「フィンランドの出生率が高い理由の一つが『ネウボラ』にあると言われており、県内では、和光市や行田市が実施している。県としては情報提供などを行い、市町村を支援していく」との答弁がありました。
また、「地域別の罹患状況などを把握するための地域がん登録について、適切ながん治療の提供につながることを期待しているが、登録データを県では今後どのように公表していくのか」との質問に対し、「現在、県の登録データを取りまとめており、年度末までに分かりやすい概要版の資料を作成し、ホームページでも公表する。病院ごとのより詳細なデータについては、各病院の合意を得て公表していくことを検討する」との答弁がありました。
なお、付託案件のほか、当面する行政課題として、保健医療部から「埼玉県薬物乱用対策推進計画の策定について」、病院局から「小児医療センター跡地を活用した施設の運営事業者決定について」の報告があり、種々活発な論議がなされましたことを申し添えまして、本委員会の報告を終わります。
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