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掲載日:2023年5月17日
Q 美田宗亮議員(県民)
今年9月の関東・東北豪雨では、台風18号及び台風から変わった低気圧に向かって湿った空気が流れ込んだ影響で、西日本から北日本の広範囲に大雨をもたらしました。積乱雲が帯状に並ぶ線状降水帯の発生により、栃木県では最大48時間降水量が600ミリを超える大雨が観測され、茨城県常総市では、鬼怒川の堤防が決壊するという災害が発生いたしました。
内閣府などがまとめた茨城県の被害状況を見ますと、鬼怒川の堤防の決壊に伴う洪水により、40平方キロの広大な面積が浸水し、住宅の被害では全壊50戸を含む床上、床下浸水が7,000戸に及び、悲しい人的被害も発生してしまいました。また、ライフラインでは、土砂崩れ等により1万1,000戸が停電するとともに、浸水のために浄水場やポンプ場が停止したことで1万2,000戸が断水となり、復旧に10日余りも要したそうです。濁流により町全体が水につかる状況を目の当たりにし、洪水への備えの重要性を強く感じたところです。
さて、洪水によるライフラインの影響を考えたときに、一番心配なものの一つが下水道施設の被災です。もし被災により下水道処理がストップしてしまえば、長期間トイレが使えなくなり、県民への深刻な影響が懸念されます。東日本大震災では、仮設トイレは設置されましたが、トイレの回数を減らすため膀胱炎になったり、水分や食事を控えてしまい脱水症になるなどの健康被害があったと聞いております。こういった事態を招かぬよう、下水道についても適切な洪水対策を行う必要があります。
また、流域下水道の特性により、下水処理場が河川に隣接していることも心配な点です。流域下水道では、管の勾配を利用して自然の力で汚水を運ぶ自然流下方式により、上流の市町から下流の下水処理場に運び、浄化した水を河川に放流しています。このため、下水処理場は河川に隣接して建設されています。洪水が発生した場合は、一層大きな被害を受けるのではないかと思われます。下水処理場や管渠の震災対策、老朽化対策については計画的に進めていると聞いておりますが、最近の天候を考えると、洪水対策も後回しにはできない重要課題と考えます。
そこで、流域下水道施設の洪水対策について、下水道事業管理者にお伺いいたします。
A 三井隆司 下水道事業管理者
下水道の処理場や汚水を処理場まで中継するポンプ場は、構造上、主要な電気機械設備の多くが施設の地下部分に設置されております。
このことから、東日本大震災において被災地では、津波の浸水により電気機械設備が水に浸かり大きな被害が発生し、その復旧に多くの時間を費やしました。
地震によるコンクリート施設の被害であれば、大きな破損でなければ応急修繕により下水の処理機能は維持できますが、電気機械設備が水に浸かると処理機能は完全に停止します。
この教訓から下水道施設での浸水対策の重要性が改めて認識されました。
また、議員の御質問にございました、今年9月の鬼怒川の洪水をもたらした「線状降水帯」による大雨など、近年は異常気象による豪雨が頻発しており、下水道施設に対する浸水対策は急務となっております。
本県の流域下水道は、荒川、利根川などの流域に処理場やポンプ場が設置されており、関連する河川の洪水ハザードマップを見ますと9か所の処理場のうち6か所、22か所のポンプ場のうち18か所で施設への浸水が想定されております。
このことから、浸水が想定される処理場やポンプ場については、地震対策や老朽化対策と併せて洪水対策としての浸水対策も順次進めております。
現在、施設ごとに洪水時の浸水の深さを推定し、施設全体をコンクリートや盛土などの壁で囲う対策や、個別の施設ごとに防水扉を設置する対策など、効果的で効率的な浸水対策の検討を進めているところでございます。
荒川ほか新河岸川の洪水時にも浸水が想定される、和光市にある下水処理場の新河岸川水循環センターでは、他の処理場に先行して浸水対策に取り組んでおり、平成27年度は施設の周囲を囲う盛土などの工事に着手いたします。
今後も引き続き、流域下水道施設の洪水対策・浸水対策につきましては、しっかり取り組んでまいります。
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