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掲載日:2023年5月17日

平成27年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(土屋恵一議員)

平成28年度予算編成について 

Q 土屋恵一議員(自民

関東財務局は、全国財務局長会議において、埼玉県の7月から10月の経済情勢についての統括判断を、「一部に弱さが見られるものの、緩やかに回復している」と報告しました。また、景気の状況を7段階で示す天気マークは、前回と同じく「くもり一部晴れ」で上から3番目でありました。前回との比較を項目別で見ると、生産活動と公共事業は前回を上回りましたが、個人消費、設備投資、雇用情勢、住宅建設、企業収益、企業の景況感等は横ばいとなっており、総論として「持ち直しているものの、先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、着実な景気回復へ向かうことが期待される一方、引き続き世界景気の下振れなどに注意が必要である。」としています。
さて、そのような中、平成28年度当初予算編成方針が示されました。予算規模で、歳入は、平成27年度当初予算比2.4パーセント、341億円増の1兆4,465億円を見込み、歳出は4.4パーセント、649億円増の1兆5518億円で、歳入が歳出を下回る財源不足は1,053億円と、前年度の1,015億円より35億円増える見込みとなっています。収支不足の原因は、緩やかな景気回復の影響などで、法人事業税や法人県民税などの税収に一定の増加が見込まれるものの、高齢化に伴う医療や介護、子育てなどの社会保障関連費がかさむためだとしています。
そこで、知事にお伺いいたします。
このような大変厳しい財政状況の中、75歳以上の後期高齢者が急増する2025年問題への対応を基本方針の一つに掲げ、経済を活性化する「稼ぐ力」の展開、女性や高齢者の活躍を促す「人財」開発、高齢者が現役世代と社会を共に担う「シニア革命」に集中的に投資すると言われておりますが、どのように予算編成をするのかお伺いします。
また、総務省統計局の2015年の資料によりますと、埼玉県は、豊かさの指標である県民一人当たりの県民所得・県内総生産は、全国的にも中位から下位にランクされております。また、教育費の中で幼稚園費や小中高等学校費、そして児童福祉費等も、児童生徒一人当たりで計算すると全国でも下位にランクされております。さらに、人口一人当たりの警察費、十万人当たりの医師数、一人当たりの行政サービスとも言われる歳出決算額は、全国47位の最下位であります。こうした状況を当初予算などでどのように改善されるのか、併せて知事にお伺いします。 

A 上田清司 知事

まず、「2025年問題」への対応を基本方針に掲げているが、どのように予算編成するかについてでございます。
平成28年度予算編成に当たって、「『2025年問題』への対応」「5か年計画の総仕上げ」「財政規律の確保」の三つを基本方針に掲げたところでございます。
本県の財政状況は県税収入に一定の増加が見込まれるものの、毎年の社会保障関連経費の増大などにより、現時点で1,053億円の収支不足が見込まれ、依然として厳しい状況でございます。
限られた財源を効果的に活用していくことで、財政規律を確保してまいります。
一方、本県は異次元の高齢化や人口減少など、これまでに経験したことのない社会構造の変化に直面することになります。
従来の仕組みのままでは、経済ばかりか社会全体の活力が削がれていく恐れがあります。
生産年齢人口の減少など本県が直面する課題に、既に3大プロジェクトをはじめとした全国のモデルとなる取組により、先手先手で対応してまいりました。
平成28年度の予算では更に「2025年問題」への対応として「稼ぐ力」の展開、「人財」の開発、「シニア革命」の3つを柱に積極的に取り組んでいく予定でございます。
まず、生産年齢人口が減少する中で社会の活力を維持し高めていくには、「稼ぐ力」が必要であります。
「先端産業創造プロジェクト」を更に進め、ナノカーボン、ロボットなど高い成長が期待される分野の事業化を支援し、新たな産業を県内に集積させます。
また、県内企業の99.9%を占める中小企業の経営革新を支援し、生産性の向上を図ってまいります。
次に、「人財」開発を進め県民一人一人の個性や能力が最大限に発揮できる社会を目指してまいります。
「埼玉版ウーマノミクスプロジェクト」をはじめ、更に女性の活躍する場を一層拡大いたします。
また、シニアの就業支援や若者への職業教育の充実、生活困窮世帯への子供の学習支援などにも取り組んでまいります。
さらに、高齢者は「支えられる人」という従来の発想を転換し、元気なシニアがそれぞれの得意分野で「社会を共に担う人」になるよう「シニア革命」と呼ばれるムーブメントを起こしたいと考えております。
「健康長寿埼玉プロジェクト」を全県に展開するとともに、住み慣れた地域で安心して医療や介護サービスを受けられるよう「地域包括ケアシステム」を市町村と連携して構築してまいります。
迫り来る「2025年問題」に対し、全国のモデルともなるような本質的かつ効果的な施策を予算に盛り込み、この大きな課題の解決に立ち向かってまいります。
次に、一人当たりの県民所得などの全国順位が低い状況を当初予算でどのように改善するかについてでございます。
本県の人口一人当たりの県民所得は全国19位となっていますが、県民の所得を構成する大きな要素であります一人当たりの雇用者報酬は全国7位の高い水準でございます。
一方、同じく県民所得を構成する企業所得が低くなっています。
これは埼玉県から84万人もの県民が東京都内の企業に勤め、企業所得を稼ぎ出していますが、その企業所得は企業の所在地である東京都に計上されてしまうためです。
同様の事情で、神奈川県も一人当たりの雇用者報酬は全国3位でありますが、一人当たりの県民所得では全国13位になっております。
また、本県の名目県内総生産は全国5位の20兆3,740億円です。
この県内総生産を平成24年度までの10年間の増加率で見ると、多くの県がマイナス成長の中で、本県はプラス0.7%の全国5位になっています。
千葉県がマイナス1.5%で14位、東京都がマイナス3.5%で23位、神奈川県がマイナス1.4%で12位ですので、首都圏の中では際立った伸びだと思っております。
また、全国のシェアもこの10年間で3.91%から4.07%へ大きく伸びて、愛知県に次いで全国2位の伸びになっています。
決して埼玉県民の得る報酬が低かったり、経済の勢いが弱かったりするわけではありません。
よく言われる有効求人倍率についても、本県の平成27年10月の数値は0.91と、全国45位であります。
本県と同じ環境にある神奈川県も43位です。
必ずしも有効求人倍率だけでは雇用の実態を正確に表すことにはなりません。
また、御指摘がありました総務省統計局の数値は、都道府県分と市町村分の合計であります。
まず、都道府県分の教育費ですが、小・中・高等学校費の大半は小中学校の教員の人件費になっています。
小中学校の教員の定数は法令により主に学級数などの学校規模によって決められています。
児童生徒数が少ない県では、基準未満の児童生徒数の学級編成が多くなり、相対的に教員数が多くなるため、児童生徒一人当たりの歳出も多くなります。
島根県や高知県などの児童生徒一人当たりの教育費が多いのもこのような理由からであります。
また、警察費についてもそうですが、その大半は警察官の人件費です。警察官の定員は各県が自由に決めることができません。 
本県では人口急増期に警察官の増員が十分になされませんでした。
土屋義彦前埼玉県知事の努力に引き続き、私も国に増員要請を行い、平成16年度から平成27年度までに全国1位となる1,607人の警察官を増員いたしました。
去る11月6日にも河野太郎国家公安委員長をはじめとする関係者に、来年度の増員を要請してきたところでございます。
また、本県の医師不足は構造的な問題でもあります。
これは、国の基準病床数制度により本県の病床数の増加が抑制されてきたことが大きな要因であります。
加えて、他県に比べ急激な人口増加に医師数の増加が追い付いていなかったことも要因の一つであります。
こうした中でも私は医師確保に積極的に取り組み、本県の医師数は平成14年度からの10年間で2,162人増加し、全国6位でございます。増加率では全国5位です。
これに加え、さいたま新都心における医療拠点の整備など、地域医療体制の充実を図っているところでもございます。
本県の一人当たりの歳出決算額は全国46位でございます。
埼玉県のような人口密度が高い大都市圏では、一人当たりの歳出額は小さくなりますが、これは行政効率の問題と考えられないことはありません。
ちなみに、一人当たりの歳出決算額は、神奈川県が最下位の47位、千葉県が45位、愛知県が44位となっております。
土屋義彦前知事も、当時本県が毎年全国最下位に位置付けされていた経済企画庁の「新国民生活指標」、いわゆる「豊かさ指標」に対して、「もしこれが本当ならばなぜ埼玉県にこんなに人が集まってくるのか」とカンカンになって怒っておられました。
私も同感であります。
とはいえ、土屋恵一議員も御心配されたように、実態はともかくとして、埼玉県の全国順位が低い数字については私も快く思っておりません。
平成28年度予算編成を通じて、可能な分野については、いい数値が出るよう最大限の配慮をしていきたいと考えております。 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

<注意>
議員の氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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