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ページ番号:58782
掲載日:2023年5月18日
Q 齊藤正明議員(自民)
1点目は人口です。県内63市町村の8月1日現在の5年前、10年前との人口比較をしてみました。人口増の市は19、そのほとんどは南部地域です。私なりの分析では、自治体の財政状況が良い、都内に近く交通の便が良いなど、当然住みやすい条件が整っています。しからば、人口減の市町村はそれに劣らない工夫をする必要があります。
2点目、諸団体の弱体化です。まず、自治会の加入率は年々低下し、何と70パーセントを切っています。また、地域の各分野で活躍する諸団体のクラブ数、会員数が減少しています。町のにこにこ隊である子ども会、地域の知恵袋集団である老人クラブ、社会奉仕団体であるロータリークラブ、ライオンズクラブ、地域活性化青年グループである青年会議所、生命・財産の守り神である消防団、明るく住み良い社会づくり女性グループの日赤奉仕団、交通安全母の会、町の活性化団体である商工会、商工会議所等々、社会にいろいろな形で貢献をされている団体の弱体化は市町村の弱体化につながっていきます。
3点目は、自治会の疎遠化と高齢化です。近所付合いが減少し、高齢化の影響で地域の体育祭や納涼大会など、地区行事に影響が出ております。
4点目は、空き家です。2050年には、住宅総数の約4分の1が空き家になると予測されています。草ぼうぼうの庭、枯葉が舞い散って困っている。高木が倒れてきたら怖い。暗くて薄気味悪い。不審者が出入りしている。家の倒壊が怖い。火が出たら大変。こんな声が寄せられています。親からの贈り物の住宅が、時には借り手がない、売れない物件となり、さらに相続税、固定資産税、維持管理費の負担となり、負の資産にもなりかねません。市役所に相談すると、個人の所有物に行政は手を出せませんと言って何の進展もありません。
以上、申し上げた課題は、地域や地方自治体だけで対応できる問題ではありません。県が国と対応策を協議し、各自治会と連携し、対応しなければならない21世紀の大きな宿題です。こうした課題を解決するためには、地域の絆を守り、団結を守り、愛着を深め、次の世代に住みたいまちとしてバトンタッチしていくための方策が必要であると考えますが、県民生活部長にお伺いをいたします。
A 福島 勤 県民生活部長
日本社会が少子高齢、人口減少という構造的な変化を遂げる中で、これまで地域の絆を中心となって支えてきた自治会や諸団体が弱体化し、地域の活力が失われつつあります。
また、住む人がいなくなり放置された空き家が増加し、防犯や防災の点からも新たな地域課題となっております。
国が税制の一部見直しを行い、県でも市町村や関係団体と空き家の活用方策などについて協議をしておりますが、対策は始まったばかりでございます。
議員お話のとおり、少子高齢社会の到来という21世紀の大きな宿題に対しては、国、県、市町村が協議し、連携を図りながら社会制度全体を見直す中で、答えを出していくしかありません。
県では、国に対し積極的に政策提言を行うとともに、各地域振興センターが管内の市町村と「地域の未来を考える政策プロジェクト会議」を設けて、地域の活力を高めるための様々な方策を検討しております。
こうした取組に加えて、地域の人々の絆で地域の課題を解決する様々な仕組みづくりも進めております。
元気な高齢者が支援を必要とする高齢者を助ける「地域支え合いの仕組み」は、自治会や商工会、NPO、社会福祉協議会などにより、既に61市町村で実施されており、ボランティアも4,500人を超えております。
日本一を誇るわがまち防犯隊は5,800を超える団体が活動をしております。
このほか、生活保護世帯の子供に対する学習支援、川の国応援団、彩の国ロードサポート、学校応援団などたくさんの共助の取組が大きな成果を挙げております。
また、昨年度から地域の課題を解決しようとするNPOや自治会などを支援するため、「共助の取組マッチング事業」を始めました。
空き店舗の活用に悩んでいた川越市内の自治会に対しコミュニティ・カフェを運営しているNPO法人を紹介し、その助言を受けて日替わりコックさんによる食堂を開店させ、街の活性化につながった事例もございます。
2025年には県内の65歳以上の高齢者が198万人になりますが、その8割は社会参加が可能な元気な高齢者です。
元気な高齢者の皆さんには、これまで培った経験や知識、技術などを生かして、共助の取組の中で太い絆を数多く結び、地域を支える中心となっていただきたいと考えております。
県といたしましては、県民がいきいきと暮らすための基盤となる地域の「絆」や「団結」を守り、地域への「愛着」が深まるよう、引き続き県民やNPO、企業などによる様々な共助の取組を積極的に支援してまいります。
<注意>
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。
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