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ページ番号:61282
掲載日:2023年5月17日
Q 土屋恵一議員(自民)
全国の小中高校と特別支援学校で認知されたいじめの件数が18万8,057件と、文部科学省の問題行動調査で急増しました。これは、今回の調査でいじめが急増したのではなく、認定が不十分であったのではないかと見られます。問題行動調査は、いじめや暴力行為、不登校など、生徒指導上の問題を把握するために文部科学省が毎年実施している調査で、いじめを「一定の人間関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為で、行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」と定義し、いじめに該当するかどうかは、被害者の立場で判断するとしています。いじめ認知件数は、当初の集計より3万件増えている状況です。学校は、クラスにいじめがあれば指導力を問われると考えがちで、報告に消極的な傾向があるのではないかと思われます。
具体的な認知件数の内訳は、小学校で12万2,721件、前年度は11万8,748件、中学校で5万2,969件、前年度は5万5,248件、高校で1万1,404件、前年度は1万1,039件、特別支援学校で963件、前年度は768件で、中学校だけが前年度と比較して減少しましたが、一方で小学校の低学年が、5年前と比べ各学年で3倍から5倍になるなど急増しています。
また、埼玉県のいじめの認知件数の内訳は、小学校1,402件、中学校1,476件、高校195件、特別支援学校25件で、合計3,098件ありました。
具体的な調査結果は、「冷やかし」や「からかい」が6割を超えるなど、一見軽微で見過ごされやすいが、深刻な問題につながる事件が目立ち、「遊ぶふりをしながら暴力」、「無視」や「仲間外れ」と続き、「ネット上の中傷」などは全体の4.2パーセントでした。
このようないじめの調査結果に対して、教師は見て見ぬふりをしていなかったのか、ほかにも子供たちの異変を見逃していなかったか、教師自身もこの調査を機会に、改めて指導を見直す必要があると思いますが、教育長の御見解をお伺いいたします。
また、子供たちが相談しやすい環境を作り、問題が起きたときは担任だけで抱えず、学校、家庭、PTA、教育委員会で連携して対応できるように指導体制を日頃から整えるとともに、いじめから目を背け、不信を招いてきた学校の体質も変える必要があると思いますが、教育長に併せてお伺いいたします。
A 関根郁夫 教育長
はじめに、「この調査を機会に教師の指導を見直す必要」についてでございます。
いじめの問題につきましては、全ての教職員はまず、いじめが気づきにくいものであることを認識し、ささいな兆候であっても、いじめを疑うことが必要です。
このためには、教職員一人一人が児童生徒と触れ合う時間を増やすことで、表情や言動などの変化を見逃すことのないよう、日頃からアンテナを高く保つことが大切であると考えます。
このような調査の機会に、改めて教職員自身が日頃の生徒指導の在り方や児童生徒との関わり方を見つめ直し、いじめの未然防止、早期発見・早期対応に努めるよう徹底してまいります。
次に「子どもたちが相談しやすい環境をつくり、指導体制を日頃から整えるとともに、いじめから目を背け、不信を招いてきた学校の体質を変える必要がある」についてでございます。
まず、相談しやすい環境づくりについては、「いじめメール相談フォーム」や24時間対応できる電話教育相談などの相談窓口を用意するとともに、広報カードを小学校4年生以上の児童生徒に配布いたしました。
また、各学校では、児童生徒とその保護者に対して、全ての教職員が相談の窓口であることを周知しております。
今後もこうした取組に努め、相談しやすい環境づくりを進めてまいります。
次に、日頃からの指導体制づくりでございます。
県教育委員会ではさいたま市を除く県内公立小中学校に通う児童生徒の家庭に「いじめ発見チェックシート」を配布し、活用を促しております。
さらに、各学校においては保護者を対象にいじめの実態把握のためのアンケートを実施するなど、いじめの早期発見のため、家庭と連携しております。
また、県内全ての公立学校では、いじめ防止対策推進法に基づき、いじめに対応するための組織が設置されており、必要に応じ、PTA、地域の方などの参加をお願いしております。
いじめの問題が発生した場合は、一部の教職員が抱え込むのではなく、校長のリーダーシップのもと、この組織が中心となって適切に対応してまいります。
教職員一人一人の意識を高め、学校がいじめに対して、真正面から取り組み、学校の体質を家庭や地域から信頼されるものとしてまいります。
<注意>
議員の氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。
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