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ページ番号:61553
掲載日:2023年5月17日
Q 木下博信議員(改革)
幅広い学力の生徒に同じ授業で対応していくには、高度な指導力が必要です。特に数学は、小学校からの積み重ねが影響するため、その困難度が高いものとなります。そして、それは先生にとってだけでなく、生徒にとっても深刻です。全く訳の分からないことに取り組ませ続けられる状況が生まれてしまうからです。一部の生徒にとっては、苦痛以外の何物でもありません。その現状に対応するためにチームティーチングが取り入れられていますが、加えて習熟度別学習を取り入れれば、その課題解決に資するはずです。
もちろん、こうした選択は市町村教委が独自に検討し、実施すべきですが、単独教委では、県内様々な事例を検証し検討していくことは困難ですし、差別化になるという意見もあるので、大変なことです。でも、サッカーが苦手な子が得意な子と同じ練習をさせられたら全くできずに、別なメニューのほうがよほど本人の向上になります。5教科の学習も、苦手であることが悪いことではないという、運動が苦手な子と同様の考えで捉えれば、全く同じ授業で勉強しているほうが、一人一人の成長の機会を逃がしてしまうかもしれません。
そこで、県教委として市教委をサポートする立場で、県内のみならず、全国での習熟度別学習の実施状況とその成果、導入に向けての課題の解決法を収集整理し、状況に応じて市町村教委が容易に習熟度別学習を選択可能になるように取り組んでいくべきだと考えますので、教育長のお考えをお聞かせください。
A 関根郁夫 教育長
平成27年度の全国学力・学習状況調査によれば、中学校2年生の数学における導入校の割合は、全国、県ともに4割を超えております。
習熟度別学習は、きめ細かい指導ができますので、学習内容の定着に効果がある、というメリットがございます。
一方で、各学級の生徒の習熟度をどのように把握するか、どのようにグループ分けをするか、どのような教材を使うかなどの課題もございます。
これらの点を踏まえ、市町村教育委員会の指導助言を受けながら、各学校が生徒の実態や教科の単元などに応じて、習熟度別学習などの指導方法を選択していくことが大切であると考えております。
習熟度別学習は、学習指導要領に明記されてから、概ね20年を経過し、各学校で多くの効果ある事例が蓄積されております。
県教育委員会といたしましては、こうした事例などを改めて整理して、市町村教育委員会に発信し、その取組をサポートしてまいります。
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