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掲載日:2023年5月19日
Q 秋山文和議員(共産党)
中学校夜間学級いわゆる夜間中学は、戦後の混乱期に様々な事情で義務教育を修了できなかった人たちを対象に始まり、今日では不登校、引揚帰国者、外国人らの大事な学びの場となっています。現在、公立の夜間中学は全国に31校ありますが、県には1校もないため、都内の学校に通わざるを得ず、そうした生徒は延べ1,000人を超えます。
一方で、1985年開設の川口自主夜間中学は、無償ボランティアに支えられて今年30周年を迎え、今月9日には超党派による夜間中学等義務教育拡充議員連盟の国会議員が授業を視察し、当県議団も参加をいたしました。生徒やスタッフ、卒業生らとの懇談では、埼玉県内に住む現在教員の女性が発言されました。「小中学校時代に不登校となり、学齢期を過ぎてしまった。悩み苦しんでいたとき、都内の公立夜間中学に出会い学べたことで、今の自分がある。是非、埼玉県に公立夜間中学をつくってほしい」、また、埼玉での設置を願う皆さんからは、「学齢超過の人の県内公立中学への編入を認めてもらいたい」、「都内に通う生徒に就学援助が支給されるようにしてほしい」など、切実な要望が寄せられました。
昨年12月議会で村岡議員が埼玉県内への公立夜間中学設立を求めたのに対して、知事は、国の動きの進展に対応できることが大切としつつ、「出遅れがないように整理しておこうということだけはしっかり指示をしております」との答弁でした。教育長に伺いますが、今日までどのような取組を行ったのでしょうか、お答えください。
文部科学省は、今年度の中学校夜間中学の充実改善等への取組事業予算を前年度比3倍強の1,000万円へと増額しました。60万円が一単位です。本県は、まだこの予算の申請をしていないと伺いました。国のこの予算を活用して、公立夜間中学設置を積極的に推進していただきたい。教育長の答弁を求めます。
A 関根郁夫 教育長
まず、昨年12月定例会以降の取組についてでございますが、平成27年2月、教育局内に「中学校夜間学級設置検討会議準備委員会」を立ち上げました。
この準備委員会は、これまでに2回開催し、中学校夜間学級設置に関する課題の整理などを行っております。
次に、国の予算を活用して、公立夜間中学設置を積極的に推進してはどうかについてでございますが、この予算は国が地方に検討を促すためのものであります。
本県では、既に準備委員会を立ち上げ、情報収集をするなど調査を独自に進めております。
県教育委員会といたしましては、引き続き国の動向を注視しつつ、具体的な方向性が示された場合に対応できるよう、調査・研究に努めてまいります。
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