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ページ番号:58420
掲載日:2023年5月18日
Q 石渡 豊議員(公明)
今年は、空き家対策元年です。空き家対策特別措置法が2月に施行されました。法には「特定空家」が明記され、「措置」が可能となりました。特定空き家とは、倒壊や衛生上有害となるおそれのある住宅のことです。この持ち主に、修繕や撤去の指導、勧告、命令が可能となったのです。勧告されますと、固定資産税の優遇もなくなり、税額は増えます。この特定空き家の問題は、我が公明党の安藤議員もさきの議会で取り上げました。大きな問題です。本県の特定空き家、昭和63年には4万6,300戸、平成25年には11万2,000戸、この25年間で2.4倍です。今後、更に増える見込みです。
この空き家対策の取組は、市町村が担われます。各市町村では、今効果的な取組の検討を始められています。ここで、持ち主からの御相談を基に申し上げます。
解体に当たり、二の足を踏む理由は大きく2点あります。
1つは、費用の工面が難しい。もう1点は、手間がかかるから。この2つです。解体されたお2人の体験です。
一方は、地元上尾の方です。介護施設に移り住みました。放置し、空き家となっていた家を解体しました。300万円弱と多額となり、費用を工面するのがとても大変だったとおっしゃいました。もう一方は、近県にお住まいになっていて、持つ空き家が埼玉県内にある方です。庭木や雑草が生い茂り、建物が壊れかけ、隣近所に迷惑をかけてはいけないと解体に踏み切りました。簡潔に申し上げます。費用は200万、解体工事の業者探しに御苦労、市役所へ伺うと、税金は税務課へ、水道は水道局へと、電話ははというとNTTへ、電気はというと東京電力へ、解体後、滅失登記、この書面を作成し、法務局へと、また、もとより工事の前後には隣近所への御挨拶もあります。家から埼玉県に何度も何度足を運ばれ、こうした手間のかかる現実を教えてくださいました。
それでは、2点、提案いたします。
1点目は、本県は市町村に対し、「空き家何でも相談ワンストップ窓口」を設置してくださるよう促されてはいかがでしょうか。まずは、市町村役場へ御相談ください、丁寧にお答えしますよ、これはありがたいです。
2点目は、費用の工面です。金融機関の融資は利息7パーセントから10パーセントのフリーローンが勧められます。朗報がありました。川口信用金庫が利息2.9パーセントの空き家解体ローンを始められました。県内初。私は8月7日、川口信用金庫本店を訪ね、空き家解体ローンを始めた理由をお聞きしました。お答えは、「社会貢献のためです」との一言でした。費用面での二の足を踏む方には有効と考えます。この空き家解体ローンを県下の他の金融機関でも取り扱われるよう、本県は促されてはいかがか。
以上、2点、都市整備部長に御所見をお伺いします。
A 秋山幸男 都市整備部長
まず、「空き家・何でも相談・ワンストップ窓口」の設置についてでございます。
空き家の解体には様々な手続きが必要であり、行政の担当窓口や関係機関をいくつも訪問するなどの手間がかかります。
また、空き家が原因となり市町村に寄せられる苦情も、外壁の落下、樹木の繁茂、防犯対策など、内容によって担当課が異なっておりました。
このようなことから、お話しのとおり空き家に関するワンストップ窓口の必要性は高いと考えております。
空き家対策は、住民に身近な市町村が主体となる必要がございます。
そこで県では昨年12月に、県内全市町村や、埼玉県宅地建物取引業協会など10の関係団体に呼び掛けて空き家対策連絡会議を立ち上げ、相談体制の整備について市町村とともに検討を進めております。
この結果、35の市町で近隣からの苦情に対して、ワンストップで相談できる担当課を定め、関係部局と連携して対応できる体制がまずは整ってまいりました。
しかし、持ち主から寄せられる解体などの相談には、まだ十分に対応ができていない状況があります。
今後、空き家に関する様々な問題に市町村がワンストップで対応できるよう、市町村とともに手続きガイドや相談対応マニュアルの作成などを行ってまいります。
次に、「空き家解体ローン」についてでございます。
空き家を解体する場合、一般的な木造住宅で坪あたり3万円から5万円程度はかかるといわれており、費用負担は大きな課題と考えます。
一方、県内の金融機関には、建替えを行う場合に限って解体費用までを対象としたローンはありますが、解体単独のローンはありませんでした。
お話しの、今年7月に川口信用金庫が始めました空き家解体ローンは、空き家の解体を行う持ち主への有効な支援策であると考えます。
今後、県内の金融機関に空き家の現状や課題などの理解を深めてもらうため、空き家対策連絡会議への参加を呼び掛けるとともに、空き家解体ローンを取り扱っていただけるよう積極的に働きかけてまいります。
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