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ページ番号:61537

掲載日:2023年5月17日

平成27年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(田並尚明議員)

奨学金問題について 

Q 田並尚明議員(民主・無所属

最近、奨学金を返したくても返せない若者が増えているというニュースをよく聞きます。現在、奨学金受給者は、無利子奨学金38万人、有利子奨学金96万人の計134万人となっており、全大学生の5割以上が奨学金受給者となっています。背景には、1970年代半ば以降、公費支出が抑えられた結果、国立、私立大学とも授業料の値上げを繰り返し、世界で最も高い水準の学費になってしまった反面、経済の悪化や雇用制度の変化により、親の平均賃金は下降傾向にあり、家計収入が減少の一途をたどっていることに一因があると思います。このような状況から、奨学金に頼らなければ大学に進学できない学生が多数を占めるようになってしまったのではないでしょうか。
また、国が1999年に財政投融資と財政投融資機関債の資金で運用する有利子貸与制度を作り、一般財源の無利子枠は拡大せずに、有利子枠のみ、その後の10年間で約10倍に拡大させてきたことにも原因があると思います。
もちろん、借りたものを返すのは当たり前のことですが、卒業しても十分な収入が得られず、返済に苦しむ若者が増え、延滞者は33万人にも及んでいるそうです。その8割は年収300万円以下で、延滞者には延滞金5パーセントが課せられ、返済金がまず先に延滞金に充てられるため、元金はいつまでたっても減らず、これでは一生、奨学金返済に追われかねません。それでは結婚を考えることはまず無理で、将来に希望を持つこともできません。これが学生支援なのでしょうか。
問題は、経済状況や雇用制度が変わってしまったのに、返済を含む奨学金の制度がいまだに、教育費がかかる頃には賃金が上がるという昔の日本型雇用システムの上に成り立っていることだと思います。早く国でこの制度を見直し、給付型の奨学金にしていただきたいと思うところです。
質問に入らせていただきます。
県では、奨学金の説明を先生が進路指導のときに行っているとお聞きしていますが、返済の大変さも含め、生徒や保護者は奨学金について十分理解していると言えるのでしょうか、教育長にお伺いいたします。また、十分な理解を得るために、専門家を呼び、学校単位で教職員や保護者を対象に奨学金の返済を含む消費者教育の講演会を開くなどできないのでしょうか、併せて教育長のお考えをお伺いいたします。
これまで様々に変化してきた社会情勢の犠牲になっているのは、学びたくても学べない、この国の未来を担う子供たちです。子供たちの犠牲の上に成り立つ社会ではなく、子供たちが夢や希望にあふれる社会にするために、やれることは全てやるという意気込みが感じられる御答弁を御期待いたします。 

A 関根郁夫 教育長

まず、生徒や保護者は奨学金について十分に理解していると言えるのか、についてでございます。
奨学金は、将来を担う高校生が家庭の経済状況に関わらず、希望する進路を実現する機会を等しく得るための制度でございます。
学校では、進路指導の一環として、奨学金を希望する生徒と保護者に対して、様々な情報提供や、申込みから将来的な返済にわたる一連の手続きと負担について、説明と指導を行っております。
今後とも、奨学金の活用にあたっては、その利点はもとより、貸与条件や返済義務などについて、しっかりと説明し、生徒や保護者が十分に理解できるよう努めてまいります。
次に、奨学金の返済を含めた消費者教育に関する講演会についてでございます。
家計と貯蓄、ローンや消費者トラブルなど、消費生活に関する教育を行うことは、生徒が将来の生活設計をするうえで、大変重要なことと認識しております。
高校では、家庭科や公民科の授業で、消費者としての権利と義務などについて、全ての生徒に学習させております。
また、学年集会や総合的な学習の時間で、司法書士会や税務署などから専門家を招き、講演会を行っている学校もございます。
県では、教員を対象に研修会を開催し、例えば今年度は、レシートを使用して身近な経済を学ぶことや、消費者として必要なお金の知識を学ぶ授業の実践報告などを通して、教員の指導力向上に努めております。今後とも、奨学金を希望する生徒・保護者に対して、奨学金についての理解を徹底させるとともに、学校全体で奨学金返済を含めた消費者教育の一層の充実にしっかりと取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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