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ページ番号:61367
掲載日:2023年5月17日
Q 水村篤弘議員(民主・無所属)
埼玉県内の全市町村は、平成22年6月から一斉に事前登録型本人通知制度を導入いたしました。事前登録型本人通知制度とは、戸籍謄本や住民票の写しなどを代理人や第三者など本人以外に交付したとき、事前に登録した方に対して、その交付した事実を通知する制度です。制度が導入された背景には、就職や結婚などに際して身元調査のために、興信所、探偵社と結託して、行政書士や司法書士などが職務上の権限を悪用して不正に戸籍謄本や住民票を取得する事件が発生したことがあります。
平成23年には、結婚相手の身元調査などのための戸籍など全国で3万通、県内で300通にも及ぶ大量不正取得事件が発覚しました。いまだに、同和地区出身かどうかを確かめる差別意識があり、身元調査事件が後を絶ちません。また、ストーカーや振り込め詐欺など犯罪にも悪用されています。
制度の有効性については、事前登録をしていた桶川市の住民が、通知を受け取ったものの心当たりがなく、開示請求で鹿児島県の行政書士が関わっていたことが判明し、不審に思い被害届を出した結果、平成24年7月に、鹿児島県警が2人を逮捕した事件からも明らかです。制度の周知が、戸籍などの不正取得への抑止につながります。そして、住民を犯罪や身元調査から守るために必要な制度です。
そこで、企画財政部長に質問をいたします。
1点目、事前登録型本人通知制度が県内の全市町村で導入されてから既に5年が経過をいたしましたが、平成27年9月の時点で県内の登録者数は約4万4,900人であり、725万人の県民のわずかに0.69パーセントに過ぎません。既に県内全市町村で制度が導入されていることから、県として登録者を増やすために、市町村任せにするのではなく、大阪府や京都府を参考にして、ポスターやリーフレットを作成して県民への周知徹底を図るべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
2点目、不正取得をなくすために、戸籍法が原則公開から原則非公開へと法改正が行われ、身分証明書の提示や職務上請求書の改訂などが行われましたが、行政書士会など8士業の有資格者にその趣旨が徹底されていません。県が監督権限を有する行政書士会に更なる指導を行うとともに、県民の個人情報保護の立場から、それ以外の7士業へも啓発、周知徹底を行うべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
3点目、一連の不正取得事件では、戸籍・住民基本台帳事務を担当する市町村の窓口担当者が、職務上請求書を提出した場合には十分に本人確認を行わないなど、フリーパス状態であったことから、人権意識が問われました。市町村の戸籍・住民基本台帳事務担当者に対して、こうしたことがないように研修を行うべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
A 中原健一 企画財政部長
まず、事前登録型本人通知制度について、県として県民への周知徹底を図るべきについてでございます。
事前登録型本人通知制度は、戸籍謄本や住民票の写しなどの不正取得防止のため、法律に基づく制度ではなく各市町村独自の取組として行われているものでございます。
この周知につきましては取組を実施している各市町村において、ポスターの掲示やリーフレットの配布、広報誌やホームページへの掲載などにより行われているところでございます。
まずは取組の主体である市町村自らが十分に周知することが必要と考えております。
次に、行政書士会への更なる指導、それ以外の7士業へも啓発、周知徹底を行うべきについてでございます。
県では埼玉県行政書士会が開催する会議や研修会などの機会を通じて、直接会員の行政書士に対して、職務上請求書の適正な使用・管理について重ねて周知してきております。
また、行政書士会では県からの要請を踏まえ、会報誌での啓発を行うとともに、不正な請求がないか事後的に各会員の使用状況を確認するなどの取組を行っております。
行政書士以外の7士業につきましても、関係機関等に対して職務上請求書の適正使用について一層の徹底を図るよう要請しているところでございます。
次に、市町村の戸籍・住民基本台帳事務担当者に対する研修を行うべきについてでございます。
県では、全市町村で構成される事務協議会が実施しております研修会などにおいて、住民基本台帳事務や個人情報保護に関する助言を行ってきたところです。
本年度も県内を4地区に分け、市町村の住民基本台帳事務の初任者や実務経験者を対象に、実務レベルに応じた研修会を実施しております。
研修会では厳格な本人確認の実施のほか、郵送や代理人による請求への慎重な対応など、不正取得の防止対策について周知をしているところでございます。
県としては今後とも埼玉県行政書士会等と連携し、取り組んでまいる所存でございます。
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