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掲載日:2023年5月17日

平成27年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(清水義憲議員)

県職員の管理職、特に部長職に女性職員の登用を 

Q 清水義憲議員(自民

本県は、ウーマノミクスを提唱し、女性に優しい、女性が働きやすい環境づくりに特に積極的な県であるとのことであります。
私ごとで大変恐縮ですが、自己紹介のつもりで少しお話をさせていただきます。
私は、家業を継いで小さな水道工事店を経営しておりました。今は長男が後を継いでくれて、立派に切り盛りしてくれております。
さて、遡ること今から20年前のことですが、当時はまだまだ景気が良く、男性の従業員を募集しても、なかなか零細企業には人が集まりませんでした。そんな中、私は早くから女性の能力に着目し、それまで男性がするのが当たり前と思われていた作業も女性にやってもらおうと考えました。重い荷物を持つことやスコップで穴を掘ることなど、肉体的には男性に劣ることがあっても、事務的な能力では女性が男性に劣ることはないと信じています。具体的には、現場工事に関わる設計や製図の作業でした。今では一般的に見掛ける作業服姿で現場を闊歩する女性たち。女性の現場監督なども、当時はほとんどいませんでした。設計や製図、さらに現場監督まで女性にやってもらおうと考えましたが、専門的な知識のある女性を雇用することなど更に難しく、私は自分で養成することにいたしました。
養成するにしても、座学だけではどうしようもありません。現場を見て歩き、現場を知る必要がありました。私は、その女性社員を連れて歩き、現場を教えました。その女性社員も性分に合ったのか、仕事に興味を持ち、見る見る能力を発揮するようになりました。
しかし、陰口もありました。当時、めったに現場で女性を見掛けなかったためか、「あの社長は女性を連れて歩いている」などと言われたこともあります。また、その女性社員が少し慣れてきたので役所に1人で申請業務に行ってもらった折、書類に若干の不備があり、男性社員が行けば大した問題にはならなかったでしょうが、しかし役所の担当者から電話があり、「何も分からない女をよこしやがって」と口汚くののしられたことがありました。20年前ですが、世は正に偏見の中にありました。その後、その女性社員は大変活躍してくれて、私も大助かりをいたました。
私の話はこのくらいにいたしますが、事ほどさように古くから、また現在でも、様々な原因で女性を幹部職に登用することには困難があり、それを推し進める、まして他県より秀でた状況を作り出すには、相当の覚悟が必要であると考えます。
しかし、現在の本県の状況を見ると、女性の働き方全般についても他県に秀でているとは言いがたく、少し大きな看板を掲げ過ぎている感が否めません。余り大きな看板を掲げたため、かえって埼玉県の政策は立ち後れているのではないかとの意見も聞きます。
さて、埼玉県議会はテレビ中継が行われています。私を応援していただいたあるお母さんが、自分の応援した議員の姿を一目見ようと、小学校6年生の女のお子さんとテレビを見ていたときのことです。そのお子さんが画面に映る執行部の席を見て、「ねえ、この知事さんの座っている側の席には女の人は座ってはいけないの」とお母さんに聞いたそうです。この話をお母さんから伺い、私には、にわかには答えることができませんでした。この素朴な質問は、是非知事に、その小学校6年生の女の子にも、また全ての県民の方にも分かりやすく御答弁を願いたいと存じます。 

A 上田清司 知事

まずもって早い時期から女性の能力に着目し、社内で活用して来られた清水議員の先見の明に、敬意を表します。
県でもそうした趣旨から「埼玉版ウーマノミクスプロジェクト」に平成24年度から取り組んでおります。
このプロジェクトは単に女性が働きやすい職場環境を整えるだけではなく、企業経営者や男性も含めた県民の皆様の働き方に対する意識を変えていくための取組でございます。
総務省の労働力調査によれば、本県の女性就業者数はプロジェクト開始前の平成22年と平成26年を比べると3.5%伸びております。
これは同時期の全国の伸び率であります1.7%の約2倍の伸びになっております。
決して掛け声だけではありませんので御理解をいただきたいと思います。
本県においても、女性職員の登用には、積極的に努めております。女性の幹部職員は確実に増えております。
過去には会計管理者や環境防災部長、健康福祉部長などに女性の部長職がおりました。
現在も部長級としては報道長が報道対応のトップとして、また精神医療センター病院長が病院経営の責任者として、それぞれ女性の最高幹部が活躍しております。
県庁における女性の管理職の登用は、平成15年の4.2%から平成27年には8.2%に上昇し、この12年間で約2倍になっております。
10年後には更に現在の2倍以上になってもおかしくないような状況だと思っております。
全体の職員に占める女性の割合も、40年前には20.4%、30年前には25.1%、20年前には29.4%、そして現在では37.4%と着実に全体の職員の中での女性の割合が増えております。
私が出席した作文や絵画コンクールなどで表彰される方々の大半は、実は女生徒の場合が多いんです。
こうしたことを踏まえると、早晩議場に並ぶ幹部職員の大半が女性になるということも考えられます。
なぜ議場に男性職員がいないのかと、そういうふうに指摘される日が来るかもしれません。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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