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掲載日:2023年5月19日

平成27年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (中野英幸議員)

消防団の充実について

Q 中野英幸議員(自民)

消防団は、市町村の非常備の消防機関であり、その構成員である消防団員は、本業を持ちながら自らの地域は自らで守るという郷土愛の精神に基づいて、消防・防災活動を行っております。地域の安全確保のため果たす役割は極めて大きいものがあります。東日本大震災をはじめ、全国各地で地震や風水害など大規模災害が発生した際には、多くの消防団員が出動をしております。
消防団員は、災害防御活動や住民の避難支援、被災者救出救助などの活動を行い、地域からも高い期待と大きな信頼が寄せられております。平成26年消防白書によりますと、平成26年4月1日現在で全国の消防団員は約86万5,000人、10年前の平成16年の約92万人と比べて約5万5,000人も減少しています。埼玉県においても、平成26年4月1日現在の消防団員数が1万4,276人、10年前の平成16年の1万4,762人と比べて486人減少しております。
一方では、明るい兆しもあります。それは、女性消防団員の増加であります。消防団員総数が減少傾向にある中、女性消防団員数は年々増加をしています。女性消防団員は、火災予防の啓発や応急手当の指導など、日頃から普及啓発や広報活動でその力を発揮しております。
また、昨年8月の広島の土砂災害でも、女性消防団員は土のうや救援物資の運搬といった力仕事はもちろん、避難所の清掃活動や悩み相談など細やかな心配りで避難された方々の大きな支えとなりました。当時の報道によると、避難された方々からは、「消防団員の活動自体もありがたいが、女性隊員がいてくれたおかげで、いるだけでも心強い」という声が聞かれたわけであります。確かに、避難所で女性特有の困り事、悩み事があっても、誰に伝えてよいのかよく分からないときなど、女性消防団員がいれば声をかけやすいと考えます。
本県も、女性消防団員の活躍に着目をし、増加に向けて取り組むべきと考えますが、危機管理防災部長の御所見をお伺いいたします。
また、男女にかかわらず地域を守る崇高な使命感を持って活動を行う消防団員の処遇についても考える必要があります。消防団員の年額報酬は、その基準額が3万6,500円となっておりますが、その職責と日頃の御労苦に報いるためにも、基準額以上がしっかりと報酬として支払われるべきと考えますが、県内市町村の消防団員に対する報酬額は適切な状況なのか、県として報酬の引上げにどう取り組んでいくのか、危機管理防災部長に併せてお伺いをいたします。

A 小島敏幸 危機管理防災部長

まず、女性消防団員の増加に向けた県の取組でございます。
これまで、消防団は男性の活動分野とのイメージが強く、女性消防団員の存在や活動が、県民の皆様に十分に知られているとは申せません。
しかし、県内では、平成27年4月1日現在で552人の女性消防団員が、高齢者のお宅への防火訪問や寸劇を活用した防火指導などに活躍をされております。
また、災害時に、避難所などで高齢者や女性、子供などに対し、ソフトで細やかな配慮ができる女性消防団員の役割にも大きな期待が寄せられています。
そこで、今年度は、県と市町村、公益財団法人埼玉県消防協会が協力して、女性の消防団への加入促進に向け、集中的にPR活動を展開してまいります。
まず、今月には、埼玉県消防協会が主催、県が後援する県内の女性消防団員が一堂に会する「埼玉県女性消防団員大会」が開催されます。
優れた活動事例や啓発劇の発表などを通して、日頃の活動の成果をPRすることにより、女性消防団員に対する県民の皆様の認知度を高めてまいります。
さらに、女性消防団員の増加に向け、消防団、市町村、県などの関係者が一丸となって取り組むことを宣言し、オール埼玉で入団促進の機運を盛り上げてまいります。
また、9月と11月に、県内全市町村で、消防団活動の周知や団員の加入促進を目的に、集客施設でのイベントの開催などを行う「県下一斉PR」を実施いたします。
同じ日に集中的に、また、繰り返して、幅広くイベントを実施することで、女性のみならず消防団の活躍を広く県民の皆様にアピールしてまいります。
こうした取組を「彩の国だより」や県の広報番組、市町村広報紙などを通じて県民の皆様にお伝えすることはもちろん、マスコミにも情報提供して、女性消防団員の増加、ひいては消防団全体の充実に繋げてまいります。
次に、消防団員の報酬額についてでございます。
消防団員の報酬額は、地域の実情に応じて、各市町村が条例で定めるものでございますが、県といたしましては、国が基準としております1人年額36,500円が目安になると考えております。
県内では、これに満たない市町が平成26年4月1日現在で10ございました。
そこで、市町の幹部に直接、報酬額の引上げをお願いするなどしました結果、平成27年4月1日までに8つの市町で国の基準額以上に報酬額の引上げが行われました。
県といたしましては、消防団員の使命感と責任、献身的活動に少しでも報いることができますよう、報酬額の適正化を、引き続き市町村に働き掛けてまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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