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掲載日:2023年5月18日
Q 齊藤正明議員(自民)
トラは死して皮をとどめ、人は死して名を残すと言われておりますが、晩節を汚すことなく有終の美を飾っていただくことを願っております。
さて、思い起こしますと、12年前、平成15年6月議会一般質問のトップバッターとして質問原稿の作成を終えた頃、飛び込んできたのが土屋前知事に関するニュースでした。質問内容を急遽切り替え、事件の全容解明に向けて質問を行いました。心苦しい、厳しい内容となったことを思い出します。
そして、上田知事が誕生し、我が自民党は責任政党として県民のための県政運営の一翼を是々非々の立場をもって担っていくことを決断いたしました。脂の乗り切った55歳での船出でありました。しかし、船長として見事なかじ取りをもって操縦したのは、最初の8年間だったと思います。その後の4年間は、かじ取りにも狂いが生じたのではないかと思っております。
あれから12年、上田知事4期目のスタートでの質問のめぐり合わせになり、不思議な縁を感じながら質問に入らせていただきます。
上田知事、選挙が終わったからノーサイドと言える状況ではないということを一番感じていらっしゃるのは、知事本人ではないでしょうか。原因は2つあります。
1つは、知事の政治経験を基に、固い固い信念から生まれた多選自粛条例であります。なぜ信念を曲げてまで約束を守らなかったのか、不思議で不思議でなりません。幾ら説明しても全く苦しい言い訳に過ぎないことは、これも御本人が一番分かっていると思います。
2つ目は、自民党県議団との大きな溝となり、信頼を損ねたさきの県議選の対応であります。
自民党候補に対抗馬を擁立したり、対抗馬にてこ入れを図るという出来事は、知事の横暴であり、知事御乱心と、心ある人たちからも知事への不信感が高まっておりました。正に3期12年によるおごり、よどみ、きしみという知事本人が懸念しておられました多選の弊害が露呈したと言わざるを得ません。覆水盆に返らず。選挙に勝って、県民の信頼を得たと言ってみても、多くの首長の応援をいただいたと言ってみても、県民には確かな情報も、真実も伝わらない中での低投票率での結果であります。選挙で信任を得ても、信頼を得たわけではありません。
「花に十日の紅なし、権は十年久しからず」、中国と朝鮮の言葉を引用した細川護煕元総理の名言です。まだやり残したことがあるからといって、4選も5選もやる人がいるが、それはやり過ぎであろう。種をまく人、水をやる人、その花をめでる人、それぞれの役割があったほうがいいとも言っておられます。上田知事は、これまでふるさと九州の大先輩である細川さんの言葉や思いを胸に刻んで政治に携わってこられたと思います。
ところで、知事。知事の政治スタイルであります。知事の政治スタイルは、北風と太陽、どちらなのでしょうか。北風は上田知事には似合いません。力づくの政治からは怨念しか生まれません。脅し、どう喝の類いからは対話は決して生まれません。太陽こそが慈悲の心を持った明るく笑顔あふれる対話を生むことでありましょう。
そして、今から2,500年前に活躍した中国の思想家老子の言葉である「上善は水の若し」であります。水は大地に恵みを与え、作物を育て、人々の喉を潤します。川の流れを見ると、しなやかに岩を避けながら流れています。柔らかくしなやかな水は、時には金属や岩のように頑丈で重いものを動かすこともあります。さらには、どんな形にも姿を変えることができる水は、ちょっとしたすき間にも入っていくことができ、人が嫌がるところにも平気で赴きます。孔子も水から学べと言っております。川の流れはとうとうとして尽きることがないことから、水を絶えざる努力の象徴、つまり、勤勉な人間の姿に例えました。水のありようは人としての生き方であり、政治そのものではないでしょうか。知事の御見解をお伺いいたします。
A 上田清司 知事
齊藤議員の深い人生哲学を踏まえた厳しい御指摘、また、政治家のあり得べき生き方に対する示唆などを謙虚に受け止め、心して今後の私の政治姿勢にしたいと思います。
また、「花に十日の紅なし」あるいはまた、「権は十年久しからず」 「上善は水の若し」、極めて示唆に富む御指摘をいただきました。
肝に銘じます。
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