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掲載日:2023年5月18日
Q 江原久美子議員(民主・無所属)
上田県政になり12年が経過しましたが、医師数、看護職員数のいずれも着実に増加していると伺っております。しかし、依然として本県の医師不足は続いており、深刻な状況です。国においては、地域包括ケアシステムの構築や在宅医療などを推進し、2025年問題に対応するとしています。
しかし、それ以前の問題として、県北地域においては、人口10万人当たりの医師数は県平均を下回っており、医師不足がより深刻な状況にあると思っています。そのような状況の中で、県北地域の三次救急や周産期医療、小児、二次救急医療を担う拠点病院として、深谷赤十字病院は重要な役割を担っています。また、県としてこれまで様々な支援策を講じていただいていることも十分認識しておりますが、この地域の中核となる病院でさえも、現在、小児科医などの医師不足が顕在化しています。
医師の確保には、中長期的な医師確保、即戦力の確保と、多面的な対策が必要であると考えています。中長期的な医師確保としては、研修医に対する資金貸与制度があります。県内の指定する医療機関において臨床研修や後期研修を受ける若手医師に対して、研修終了後も引き続き県内に勤務することを条件に資金貸与するものです。この指定する病院に深谷赤十字病院も含まれており、初期臨床研修医はここ数年、募集定員に対してそれを超える募集があり、医師確保に効果があると考えています。
また、埼玉県医師育成奨学金、いわゆる県外学生奨学金制度がありますが、これは平成24年度の創設以降拡充がなされ、来年春の大学医学部入学予定者は20名に貸与予定であると聞いています。ここでは、臨床研修後の勤務予定地として特定地域を設けていただき、その中で私の地元も含まれていると伺っておりますので、そちらも期待したいと考えています。
即戦力の確保としては、埼玉県が深谷市と深谷赤十字病院と連携し、大学医学部に寄附講座を開設し、毎年3名の救急医を派遣していただいております。平成23年度から行われていることもあり、実績も上がってきたと聞いておりますが、県北地域では救急搬送先として群馬県の医療機関が多いのが実態です。1分1秒を争う救急搬送事案では、中核となる深谷赤十字病院の救命救急センターの更なる機能充実が必要です。
そこで伺います。深谷赤十字病院の救命救急センターへの支援など、県北地域の救急医の確保・定着について、保健医療部長に伺います。
また、県北部の小児二次救急医療体制につきましては、県の支援により、平成27年4月以降、空白日がなくなり、月曜日から日曜日まで切れ目ない状況になっています。もちろん、小児医療センターの医師確保やほかの病院の小児科医の協力はもちろん、深谷赤十字病院の自助努力も必要であると考えます。引き続き空白日ができないようにすることが欠かせないものと思いますが、保健医療部長の御所見を伺います。
A 石川 稔 保健医療部長
深谷赤十字病院は、県北地域における三次救急の拠点病院であり、救命救急センターの機能を果たすため、その医師確保は極めて重要です。
県では、平成23年度から埼玉医科大学に、救急医療に携わる医師の人材育成や救急医療体制の整備に関する調査研究を行う寄附講座を設置し、救急指導医など3名の医師派遣を行っています。
その結果、救急搬送受入者数は、平成22年度の3,043人から26年度には3,133人に増加をしております。
今後、地域枠医学生や県外医学生の奨学金貸与者が、県内医療機関に勤務することになります。
こうした若手医師が県北地域に救急医として定着できるよう、深谷赤十字病院の救命救急センターにおける指導医の確保を引き続き支援をしてまいります。
次に、県北地域の小児二次救急医療体制についてです。
県北地区につきましては、深谷赤十字病院、行田総合病院、熊谷総合病院の3病院による輪番体制となっています。
4年前の平成23年には、1週間のうち4日間もあった輪番の空白日は、各医療機関の協力と医師派遣事業の活用により、本年4月には全ての空白日を解消することができました。
議員御指摘のとおり、整備したこの小児二次救急医療体制を今後も維持していくことは非常に重要です。
そのため、県では、この輪番体制の運営費の助成をいたしますほか、群馬県との連携の強化、小児救急電話相談#8000の充実などにより、小児二次救急病院の負担軽減を図ってまいります。
今後も引き続き、県北地域の方々が安心して生活できますよう、救急医療体制の充実に努めてまいります。
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