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ページ番号:54531
掲載日:2023年5月19日
Q 醍醐 清議員(県民)
知事はかねがね、「経済のグローバル化が進み、地方がただ待つだけで製造業が立地してくれる時代は完全に終わりを告げようとしている。こうした厳しい状況の中で本県経済を成長させていくには、埼玉の持つ強みを生かした大胆な戦略を練り、先手先手で思い切った投資を積極的に行っていくことが必要」というお話をされております。また、「地域の中小企業の強みを把握し、そのニーズに迅速に対応できる、地方自治体が知恵を絞り競い合って産業や雇用を創出していくことが日本の競争力を取り戻す処方せんであり、そのために通商産業政策の地方分権化に取り組む必要がある」というお話もされております。私も全く同感であります。
昨今、地方創生、地方創生という言葉が叫ばれておりますが、地方が自ら動いて自らを変えていく、また、埼玉から日本を変えていく、そのような意気込みで取組を進めていかなければ、真の地方創生は実現できないのではないかと考えます。
そのような中でスタートした先端産業創造プロジェクトでありますが、昨年は、全国に先駆けて産業技術総合研究所と新エネルギー・産業技術総合開発機構いわゆるNEDOとの間で三者協定を締結するとともに、産業団地の分譲収益を活用した産業振興・雇用機会創出基金を設置するなど、本プロジェクトを進める上での地固めをされました。また、ナノカーボンをはじめ、医療、ロボットなど五分野を重点分野に定め、様々な研究開発が県内企業を巻き込んでスタートしていると伺っております。今年度の予算を見ますと、産学連携で取り組む研究開発の支援や企業が主体となって行う新技術製品化・開発のための新たな補助制度の創設など、強力に本プロジェクトを進めていこうという意欲が見てとれます。
こうした取組の一つとして、県では去る5月11日に、先端産業に取り組む企業の支援をうたった先端産業支援センター埼玉をJR北与野駅前の新都心ビジネス交流プラザに設置、開設し、これを私も大いに注目しているところであります。
そこで、知事にお伺いします。どのような狙いでこのセンターを設置し、県内企業の先端産業への取組を加速させようとしているのでしょうか、お伺いをしたいと思います。
A 上田清司 知事
経済のグローバル化が進む中で、私は地方が自ら稼ぐ力をもたなければならない、このような認識をもっております。
幸い、日本にはまだまだ優れた研究シーズがあり、本県には高い技術力を持った企業も多くあります。この2つを結び付けたら新たな成長産業を地方から生み出すことができるのではないかと思います。
そこで、日本を代表する研究機関であります産業技術総合研究所やNEDOとの間で技術協力を約束する三者協定を全国で初めて締結し、先端産業創造プロジェクトをスタートさせました。
本プロジェクトの推進に当たっては、国の第一線で活躍されている研究者や有識者で構成する先端産業研究サロンを設置し、大所高所から、あるいは専門的な観点からアドバイスを受けています。
現在、ナノカーボン、医療イノベーション、ロボット、新エネルギー、航空・宇宙の5分野を重点分野と定めて、それぞれの分野に応じた取組を進めています。
昨年度は、ナノカーボン分野で試作品開発や特許申請に至る企業が出ているほか、航空・宇宙分野では新規参入に成功した企業があるなど、着実に成果が出始めているところでもございます。
平成27年度は、将来の大きな成果につながる、より多くの「種」をまくことができるよう、先端産業分野の研究開発を更に活性化させてまいります。
これまで取り組んできた埼玉大学や早稲田大学などとの産学連携による研究開発に加え、他の大学や研究機関の先端シーズも活用し、有望なテーマの開発に取り組んでまいります。
例えば、ナノカーボンの研究で日本をリードする信州大学や産業技術総合研究所などとの間で、夢の素材ナノカーボンの産業化に向けた開発プロジェクトを県内企業の参画のもとに進めてまいります。
また、企業が自ら取り組む新技術や新製品開発のための補助制度も充実させていただきました。
上限2,000万円の補助では、重点5分野で合計26件の採択枠に対し82件の申請があり、先端産業分野への参入の気運が確実に高まっていると感じています。
一方、県内中小企業の中には、先端的な分野に挑戦する意欲と高い技術は持っておられますが、その次どうするかという次の一手がなかなか見いだせないという方々もおられます。
そうした企業の相談に対応して、不安や疑問を取り除いていくことが重要ではないかと考え、こうした思いから、先端産業に取り組む県内中小企業の相談に一元的に対応する総合窓口として、「先端産業支援センター埼玉」を開設したところでございます。
センターでは、先端産業の各分野に精通した専門のコーディネーターを14人配置し、技術的な問題に対する助言を行っています。
また、研究開発に共同で取り組むパートナーのマッチングや、法規制、販路開拓の相談に応じるなど、先端産業に取り組む県内中小企業を全面的にバックアップしてまいります。
5月11日のオープンから1か月で約150件近くの相談があり、中小企業の先端産業に対するニーズや期待の大きさというものが裏付けられているのではないかと思うところでございます。
このセンターでは展示コーナーも設けて、先端産業創造プロジェクトの PRを行うほか、最新の開発動向の紹介などを通じて、県内中小企業の先端産業に関する理解も深めてまいります。
企業支援の新たな拠点として「先端産業支援センター埼玉」を十分機能させ、参画する中小企業の裾野を広げることによって、先端産業の集積を進めていきたいと考えております。
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