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掲載日:2023年5月18日
Q 宇田川幸夫議員(自民)
安心して子供を産み育てるためには、やはり医療費の支出が大きな問題となっていると言えます。将来の日本を背負っていく子供たちの医療費は全額補助するのが理想かもしれませんが、現実的な対応となると、財源などの難しい問題があることは理解するところです。しかしながら、県南地域は東京と隣接する自治体が多く、歴史的にも文化的にも、また制度的にも東京都との比較がされているのは御承知のとおりだと思います。
道一つ挟んだ向こう側の東京都では8年前の平成19年10月から中学3年生までの医療費について、義務教育就学時医療費助成制度が実施されています。本県では、乳幼児医療費助成制度で対象となるのは、入院、通院とも小学校就学前までとなっております。大まかに言って、埼玉県の6歳と東京都の15歳、この9年間の開きは是正しなければならないと考えますが、この点についてお答え願えればと思います。
また、県の補助要件に所得制限がつけられているところですが、この補助要件の所得制限を撤廃すべきだと考えますが、併せて保健医療部長に伺います。
A 石川 稔 保健医療部長長
医療費助成の実施主体は市町村で、県はその補助を行っています。
県の補助基準は小学校就学前までですが、県内の各市町村はこれを上回る範囲まで拡大をしております。
市町村が行う事業に対する補助については、各都道府県の政策判断により異なっています。
まず、対象年齢を就学前までとしているのは医療費が多く掛かる子育て家庭をしっかりと支援していくことを政策として考えているためです。
医療費を推計いたしますと、小学校就学前までは一人当たり年間およそ21万2,000円、小学生は10万5,000円、中学生は8万5,000円です。
小学校就学前は小学生・中学生の倍以上の医療費が掛かります。
本県と同様、就学前までを助成対象としている都道府県は、通院分で約7割、入院分でも約半数となっております。
御理解を賜りたいと存じます。
次に、所得制限を撤廃すべきについてです。
所得制限については受益と負担の適正化を図るために導入しており、所得の少ない子育て家庭を重点的に支援しようとするものでございます。
これまで所得制限の額を年収917万円まで引き上げてきた結果、子育て家庭の97%がこの所得制限の対象外となっております。
本来、子育て支援は、国が全国一律の制度として実施すべきものと考えています。
財政力や政策の違いによる格差も解消されます。
国では、本年9月に「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」を設置いたしました。
その中で、子供の医療のかかり方や自己負担の在り方など、子供の医療に関する課題や対応について検討をすることとしております。
会議では、医療費助成は子育て家庭の負担軽減に大きな役割を果たしているとの意見がある一方で、過度な無償化はサービスの過剰使用を招きかねないなどの意見も出ています。
今後、議論を重ね、平成28年の夏頃には報告書が取りまとまる予定と聞いております。
県といたしましては検討会での議論も注視しつつ、今後とも政府要望をはじめ、様々な機会を通じて、国に対し制度の創設を強く要望してまいります。
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