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掲載日:2023年5月17日

平成27年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(前原かづえ議員)

大規模商業施設の林立の中で、商店活性モデルタウンプロジェクトを 

Q 前原かづえ議員(共産

埼玉県内各地に超大規模商業施設が林立しております。敷地面積34万平米の越谷レイクタウン、23万平米超のイオンモール羽生、14万平米超のモラージュ菖蒲などは御存じと思います。さらに今年、15万平米超のららぽーと富士見、14万平米超のさいたま新都心コクーン2がオープンしました。今後も7万平米超のイオンモール上尾、17万平米超の花園プレミアム・アウトレット、13万平米の所沢市東改札とまだまだ大規模商業施設の進出の勢いは止まりません。
その一方で、県内の小売商店数は平成24年までの10年間で6,500件減少しました。その結果、中心市街地は飲み屋チェーンと塾と整体診療所に占められています。大規模商業施設に太刀打ちできない大型店の撤退も平成27年度までの15年で70件発生し、郊外住宅団地からは小規模スーパーが撤退し、買い物難民が生み出されています。平成12年の大店法の廃止によって、いわゆる商業調整が禁止された結果、商店街の荒廃に拍車がかかり、コンパクトシティが崩れ去っています。
知事にお伺いします。私は、大規模商業施設の林立による商店街はじめ地域社会の荒廃が、高齢化社会に向けてもはや深刻な段階に至っていると感じておりますが、いかがでしょうか。また、このような政府の政策から全力で商店営業を守ることが県の仕事だと考えますが、2点について、知事、御答弁ください。
党県議団は、既に商店リフォーム助成制度に実績のある群馬県高崎市を視察しました。高崎市が実施している助成事業は、既存の商店はもちろん、これから営業開始しようとしている人も対象に店舗などの改装や店舗などで使用する備品の購入に対し、その費用の2分の1を補助するもので、補助上限額100万円です。これは制度を活用する商店だけでなく、工事を行う、請け負う地元業者も元気になる制度だと高崎市の職員は語っています。
訪問した中華料理店主は、「20年以上使って冷えなくなったエアコンや製氷機を更新しました。費用は総額160万円、半分が助成されるので持ち出しは80万円。若いときは勢いでやってきたが、年をとってからは無理がきかず、修理や購入にも金がかかるので店を閉めようかと思った。でも、この制度のおかげで乗り越えられた」と語っていました。高知県で4月から始めましたが、埼玉県としても商店リフォーム助成制度を創設すべきと考えますが、産業労働部長の答弁を求めます。
個人財産への公費投入を疑問視する意見もありますが、エコタウンプロジェクトのように個人宅や商店に補助をした例もあります。私は、商店活性モデルタウン計画としてモデルの市町村を募り、その中でリフォーム助成を始めることを提案しますが、産業労働部長の答弁を求めます。 

A 上田清司 知事

地域社会の荒廃が深刻な段階に至っているのではないかについてでございます。
大規模な商業施設の出店は、一般に商店や商店街の売上げにマイナスの影響を与えています。商店街機能の低下によって地域社会の機能が弱くなっていることは事実だと思います。
大型店の出店場所については、平成19年の都市計画法改正により、立地可能な用途地域を見直すとともに、用途地域を緩和する地区計画制度の創設により市町村のまちづくりの中で主体的に定めることになりました。
県では大型店と地域商業との共存の重要性を踏まえ、平成19年に「大型店、チェーン店の地域商業貢献に関するガイドライン」を定め、地元市町村のまちづくりや商店街事業への協力を働き掛けています。
これらにより、大規模な商業施設と地域の商店街が共存を図る動きも出ております。
例えば本年4月に開店した「ららぽーと富士見」においては、全てのテナントが商工会に加入し、地元商店会のスタンプラリーに積極的に参加するなど、地域商業との連携をした取組も行っております。
今後とも高齢化社会を見据え、身近な地域の商店街と大型店の共存を進めながら、地域商業の活性化を図っていきたいと思います。
次に、このような政府の政策から全力で商店営業を守ることが県の仕事だと考えるがいかがかについてでございます。
商店や商店街の活性化は、私も大きな課題だと思っております。
なぜなら、顔が見える商店や商店街は、単なる買い物の場所だけではありません。
地域社会におけるコミュニティの形成や交流の場であり、時と場合によっては、安心・安全を守る「交番」や「灯台」にもなったりする、地域にとって貴重な存在だと認識しています。
そうした商店や商店街の衰退に対し、私自身もあるいは県全体も危機意識を持っています。
こうした危機意識の中で、県では、地域商業をけん引する人材の育成、専門家によるノウハウの指導、モデル事業の実施など、商店や商店街を支援しております。
中でも、元気でやる気のある「黒おび商店街」に対し、新たな補助制度を設け、工夫を凝らした集客イベントなど、商店街のにぎわい向上につながる事業を支援しております。
県内各地で頑張っている873店を「地域で頑張る元気な商店」として、ホームページでも紹介しております。
また、意欲の高い個人商店を応援するため、個性ある店づくりを行っている小売店をこれまでに78店表彰してまいりました。
今後も、市町村、商工団体と連携して多くの商店・商店街が自らの力で活性化に取り組めるよう様々な視点から支援をしてまいります。

A 立川吉朗 産業労働部長

現在、個人商店を取り巻く環境は大変厳しく、店舗の改修や使用備品を購入することが大きな負担となっているものと思われます。
しかしながら、店舗の建物や備品は、商業者の資産となることに加え、商業的効果がその個店に限られることから、その取得に公費を投入することは慎重にならざるを得ません。
したがって、リフォーム助成制度の創設は、難しいものと考えております。
次に、モデル市町村を設定して、リフォーム助成を始めてはどうかとの御提案でございますが、モデル事業は全県展開を前提として行うものでございますので、エリアを限定しての検討も困難と考えております。
商業者の方々に対する支援は、補助制度だけではなく、様々な方法があります。
県では、個人商店に対する専門家による経営ノウハウの指導、商店街活性化リーダーの育成、個性あふれる小売店の表彰などの事業により支援を行っております。
今後も、市町村、商工団体と連携して、多くの商業者が自らの力で稼いでいけるよう支援してまいります。

再Q 前原かづえ議員(共産

自らの力で乗り越えられるよう対策を講じるという言葉を知事もおっしゃいましたし、産業労働部長もおっしゃいました。自らの力で乗り越えられない大きな問題が起きているわけなんですね。それで先ほど説明ありましたけれども、平成19年にモデルプランを立てまして、6年たった今現在で、かなりまた商店街の荒廃が明らかになっているわけですので、やはりきちんと商店を守るという対策を前に進めていただきたいと思うんですが、その点について知事の答弁をお願いいたします。

 

再A 上田清司 知事

大規模商業施設関連の再質問でございますが、問題意識は基本的には議員と変わらないと思っております。
そして商店並びに商店街のこうした困難な状況をできるだけカバーすべき政策についても一定の御理解を商店、商店街からも理解をいただいていると私たちは考えております。
そして、それでも、最後は、個々の商店街や個々の商店に、それなりの努力や工夫がいるっていうことを申し上げたことについて御理解を賜りたいと思います。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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