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掲載日:2023年5月18日
Q 内沼博史議員(自民)
都市近郊に位置する飯能市は、西川材の産地として足場丸太や無節の杉やヒノキなどの優良材を提供し、地場産業として長い伝統を築いてきました。
一方、今日の林業・木材産業は、木材価格の低下により、原木を販売しても利益が出てこないことから、森林所有者に木材生産を行う意欲を失わせ、国産材が市場に出にくい状況をもたらし、再造林の負担など引き続き厳しい状況にあります。このため、間伐材を出す程度で伐採は進まず、豊富な森林資源は利用されずに、林業は停滞し、森林の適切な整備が行われない箇所も見られ、森林の有する多面的機能の発揮への影響も懸念されています。
埼玉県の林業を活性化するには、県産木材の利用拡大が不可欠であります。飯能市では、PR効果の高い市立図書館や名栗小学校などの公共施設の木材化、木材利用や西川材使用住宅等建築補助などの住宅分野での利用拡大を進めています。
県としても、様々な場所で県産木材の活用を図るため、住宅や公共施設等においての利用の拡大が望まれます。また、県産木材を指定して利用していただくためにも、知名度を上げることも必要なのではないでしょうか。林業活性化のため、森林資源の循環利用の観点から、県産木材の利用を拡大するための対策について、農林部長にお伺いします。
A 河村 仁 農林部長
県内人工林の約8割が利用可能な時期を迎えており、林業を活性化し、森林資源の循環利用の観点からも、木材を生産し、加工し、利用することが重要と考えております。
このため、県では伐採から植栽までを一貫して行う森林組合などを支援するモデル事業を、平成27年度に60ヘクタール実施するなど、木材の生産と森の若返りを進めております。
また、製材工場など木材加工施設の整備を進めるとともに、さいたま県産木材認証制度により、県内で生育したスギやヒノキであることを明らかにしております。
さらに、県産木材の利用を図るためには、首都圏に位置する埼玉県にも成熟した森林があり、良質な木材を生み出していることを、県民に知ってもらうことも重要です。
このため、県農業大学校、体育館、保育園、町役場などPR効果の高い公共施設の木造・木質化を進めるとともに、平成26年度から県産木材を使用した住宅や事務所に対する県単独の支援も行っております。
今後は、県産木材があまり使われてこなかった都市部の公共施設や集合住宅で活用いただくなど、都市部を含めた県域全体で県産木材の利用拡大を図ってまいります。
また、県産木材と触れ合い、その良さを体感していただく観点から、県産木材をふんだんに使った乳幼児と親の遊びの空間が、10月5日浦和駅近くに開設されます。
県としては、これらの対策を総合的に実施することにより、県産木材の利用拡大に積極的に取り組んでまいります。
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