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掲載日:2023年5月17日

平成27年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(福永信之議員)

建設業の育成について 

Q 福永信之議員(公明

10月15日付けの埼玉建設新聞に、元国土交通省事務次官の佐藤直良氏の独自調査に基づく発言が掲載されていました。こうです。「地域の建設会社が営業利益率3パーセントに届けばいいほうだ」。建設会社の利益率はほとんど3パーセントを下回っているということです。多くの県内の建設会社は建設業だけではやっていけず、不動産業など他業種の部門の利益でしのいでいるのが実情です。廃業、倒産も続いています。
太田前大臣は、大臣就任後、3年連続で公共事業設計労務単価を引き上げました。担い手三法を改正し、建設会社に適正な利潤をもたらすことは発注者の責務とし、本年度をその元年としました。公共事業は無駄とさげすまれ、3Kの仕事は嫌だと言われた業界を新たな3K、「給料が上がる、休暇が増える、希望が持てる」ようにしたいという強い思いからです。
災害列島日本で、鬼怒川堤防が決壊したときに1週間で仮堤防を造り、東日本大震災のときに2日間で11ルートの道路啓開作業を行って道路上のがれきを撤去、自衛隊などの車両の走行を可能にしたのは地域の建設会社、作業員の皆さんです。この国の国土を守っているのは、手を土と泥、油にまみれさせ、全身に汗を流す建設業の皆さんです。
しかし、せっかく引き上げられた労務単価も85パーセントに切ってしまうのが現状の一般競争入札です。その結果、建設埼玉が今年2,879枚の回答を集めた一人親方、職人、労働者アンケート調査によると、建設職人の賃金はこの4年間全く上がっていません。賃金を500円でもいいから上げてもらいたい、月に一度でいいから土曜日を休みにしてほしい、収入が不安定、絶対跡を継がせたくない、これが実際に現場で働く皆さんの悲痛な声です。
国、県、市の土木工事を受注している複数の県内建設会社の社長から言われました。国の仕事は利益が上がる。県は平均して言えば、赤字にならなきゃいいほうだ。県が安ければいいという感じだから、市だって右に倣えで同じだ。じゃ、建築工事はどうですかと水を向けますと、県発注の建築工事は利益を認めないから、このところ手を出していない。これが実態です。でも、受注しているとおっしゃりたいのかもしれませんが、仕事が少ないため、社員を遊ばせたくないから調査基準価格、もしくは失格基準価格というルールの最低ラインの価格で入札し、利益率が3パーセントにもならない仕事を受注しております。失格基準価格は73パーセントぐらい、WTOに至っては底無しとも言われています。
県企業局の発注一覧を見ました。大手の受注する電気関係の高い落札率に比べて、土木の落札率の低さが際立っています。建設会社への適正な利益の確保の責務を発注者に定めた担い手三法の精神を、埼玉県庁はどう生かしたと言えるんでしょうか。県内建設会社、職人さんたちの現状についての認識も含め、岩崎副知事より御答弁をお願いいたします。
さらに、公共事業設計労務単価に基づいた労務費は100パーセント認めて、一般管理費も80パーセントまで認める形で最低制限価格、調査基準価格、失格基準価格を引き上げること、総合評価の全適用などによって、利益率が3パーセントにも満たない現状を改善するお考えはありませんか、岩崎副知事よりお答えください。
公営企業管理者には、土木以外の電気設備工事の発注に当たって、県内業者の悲願であり、技術力の向上につながるJVをもっと多く取り入れることについて御答弁をお願いします。 

A 岩崎康夫 副知事

平成26年6月に公共工事の品質確保の促進に関する法律、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律および建設業法のいわゆる担い手三法が改正されました。
これにより、発注者の責務として建設企業の適正な利潤の確保のため、予定価格の適正な設定、適切な設計変更、及びダンピング受注の防止などが位置づけられました。
まず、予定価格の設定にかかる設計労務単価についてでございますが、国が約1万3,000件の工事、約16万人の賃金データをもとに、都道府県毎に定めた単価を採用し、国が改定した場合には速やかに県の単価に反映させております。
また、資材価格につきましても、毎年4月と10月の全面改定のほか、毎月主要資材について調査し、一定の変動があった場合には改定するなど、実勢価格を適正に反映させるよう努めております。
平成25年4月以降これまで3度にわたり設計労務単価を引き上げ、その上昇率は全職種平均で30パーセントを上回っております。
次に、適切な設計変更につきましては、施工条件の変化等に応じて設計変更を適切に行うため受注者・発注者双方にとって共通の手引書となる「設計変更ガイドライン」を昨年度作成し、適切な設計変更に努めているところでございます。
次に、技能労働者への適正な賃金水準の確保についてですが、国の調査によれば、未だ十分とは言えないものの、企業の利益率や賃金水準は改善方向が見られる状況とのことであります。
先日、県関係部局と建設業団体との定例の意見交換会では、団体の方々から建設労働者のボーナスの支給について良い方向に向かっているとのお話しがあったと聞いております。
これらのことから、県内建設業においても、国の調査と同様の状況にあるものと認識をしております。
この改善傾向が継続されるよう、12月にも改めて、建設業団体へ要請を行ったところでございます。
今後とも、各団体等と意見交換を行うとともに、適正な予定価格の設定、適切な設計変更、賃金水準の確保に向けた要請などを、しっかりと行ってまいります。
次に、最低制限価格、調査基準価格及び失格基準価格の引き上げについてでございます。
これらの価格は、いわゆるダンピング受注の防止を目的に設定をしているものでございます。
最低制限価格と調査基準価格につきましては、平成20年度以降5回、失格基準価格につきましては、1回の引き上げを行ってまいりました。
その結果、平成27年度の10月末時点での平均落札率は、89.3パーセントとなっており、近年で平均落札率が最も低かった平成22年度と比較して、約4ポイント上昇しております。
また、平成27年度の10月末時点での工事成績の平均点は79.8点と高い水準となっております。
このような状況から、最低制限価格等の引き上げにつきましては、今後の入札状況や工事成績の推移を注視しながら検討してまいります。
次に総合評価方式の全適用についてでございますが、品質確保の観点から有用な制度ではありますが、受注者にとっても負担が大きいという点がございます。
また、工事の性質上、この方式になじまないものもありますことから、総合評価方式が相応しい工事を対象に適切に活用をしてまいります。

A 中野 晃 公営企業管理者

企業局では、県内の企業が施工可能な工事は、県内企業への発注を原則としております。
しかしながら、電気、設備工事については、浄水場の水処理施設や監視制御システムに係る工事など、独自のノウハウを要するものや大規模なプラント工事が多いことから、県内企業が参加しにくい状況にあります。
これを受けて、工事に係るノウハウがなく入札に参加できない県内企業が、県外大手企業と共同企業体「JV」を組むことで、ノウハウの修得に繋げる技術修得型JVを平成23年度から導入しております。
制度導入以来、毎年1、2件だったものが、平成26年度は4件の電気工事について技術修得型JVを採用しております。
また、平成27年度においても平成26年度の導入実績を上回る見込みとなっております。
今後も県内企業の受注機会の拡大と技術力向上を図るため、技術修得型JVを積極的に活用してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

<注意>
氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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