トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和3年12月定例会 > 令和3年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 12月14日(火曜日) > 永瀬秀樹(自民) > 令和3年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(永瀬秀樹議員)
ここから本文です。
ページ番号:209894
掲載日:2021年12月28日
Q 永瀬秀樹 議員(自民)
我が国では今、人口減少、少子高齢化による都市中心部の空洞化からの脱却と都市再生に加えて、ポストコロナのまちづくりとして車から人中心の居心地が良く、歩きたくなるコンパクトな街、ウォーカブルなまちづくりに取り組む必要が高まっています。
世界に目を向けると、これまで都市街路における歩行者空間の整備を推進してきたロンドン、ニューヨークなど世界の主要都市では、今回のコロナ禍を受けてより一層の歩行者利用を促進するため、交通規制による道路の歩行者専用化や歩道の拡幅、オープンテラスの拡幅などが進められており、地方都市にシャッター通りがない国、フランスの首都、2024年オリンピック開催を控えたパリでは、エコロジーで持続可能なまちづくりとして密度、近接性、多様性、デジタル化をコンセプトとした15分都市構想が進んでいます。
コンパクトプラスネットワーク等の都市再生の取組を更に進化させ、公共の空間をウォーカブルな人中心の空間へ転換し、居心地が良く歩きたくなる街中を形成し、多様な人々の出会いや交流を通じたイノベーションの創出や人間中心の豊かな生活を実現し、街の魅力や地力を高め、内外の多様な人材、関係人口を更に引き付ける好循環が確立された都市の構築を目指すことが世界の潮流となっています。
本県においては、知事はコンパクト、スマート、レジリエントの要素を踏まえたまちづくり、埼玉版スーパーシティプロジェクトに取り組むとされていますが、本県のポストコロナのまちづくりとして、これからは実効性ある取組として地域の生活圏を整備し、市民や市外からの訪問者の連帯と住みやすさを高め、地域に根差した歴史や文化や街の魅力に触れ合える心理的なコミュニティ、楽しい界隈づくりにつながる心地よく歩きたくなる歩行者を中心としたコンセプトに据えたウォーカブルなまちづくりを県内全域でより重点的に推進してはいかがでしょうか。知事の見解をお聞かせください。
国は、居心地が良く歩きたくなるまちづくりを進めるため、都市再生整備計画事業等において車中心から人中心の空間に転換する街中の歩ける範囲の区域における街路、公園、広場等の既存ストックの修復、利活用を重点的、一体的に支援する事業として、令和2年度まちなかウォーカブル推進事業を創設しました。この事業の特色は、事業主体としてこれまで対象となっていた市町村、市町村都市再生協議会に加え、これまでの都市再生整備計画事業等では対象とされていなかった都道府県と民間事業者を新たに追加したことにあります。
都道府県は、施行地区内に存在する道路、公園や公共施設等の県有施設に関して市町村と連携して事業対象となれることに加えて、滞在環境整備に関する社会実験の実施やコーディネート等の調査により主体的に事業に参画することが可能です。道路空間を活用した人が歩いて楽しむ街を創出し、コロナ禍を乗り越える新しい日常の定着にもつながる事業として全国各地で取組が始まっています。
本県では、蓮田市中心市街地区の一事業が展開されていますが、私は今後、県は市町村と連携を深め、まちなかウォーカブル事業に主体的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、今後のポストコロナのまちづくりに向け、県内全域に歩行者中心のまちづくりを進めていくため、市町村に積極的に働き掛け、支援していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、国は共に政策を進める政策実施のパートナーとして、各種政策と国内外の先進事例などの情報共有や政策づくりに向けた国と地方のプラットフォームへ参加する地方公共団体としてウォーカブル推進都市を募集しています。現在、さいたま市など本県の14市町を含む全国316地方自治体が登録しており、都道府県としても東京都をはじめ6都県が登録をしています。
本県としても、登録市町と連携を密にし、県内の市町村に歩行者中心まちづくりの機運を高め、街中における回遊性の向上を進めるための具体的な検討を進めるため、ウォーカブル推進都市登録をしてはいかがでしょうか。
以上について、都市整備部長の考えをお聞かせください。
A 大野元裕 知事
ウォーカブルなまちづくりを県内全域でより重点的に推進してはいかがかについてでございます。
居心地がよく歩きたくなるまち、いわゆるウォーカブルなまちでは、人々の往来と滞在時間が増えることでにぎわいが生まれ、その結果、地域経済の活性化や住民同士のコミュニケーションの促進も期待できます。
これまで県においても、駅を中心とした歩行空間の整備を行い、歴史を感じさせる川越の街並みや現代的なさいたま新都心のけやき広場など、ウォーカブルなまちづくりを進めてまいりました。
こうした中、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、テレワークが普及するなど、人々の働き方や暮らし方が大きく変わり、身近な生活圏における居心地の良い空間に対するニーズも高まっています。
議員お話しの、ポストコロナのまちづくりにおいて、ウォーカブルが重要な視点となるという点は、私も認識を共有しているところであります。
現在取り組んでいる埼玉版スーパー・シティプロジェクトの要素の1つである「コンパクト」は、ウォーカブルなまちづくりを進めることにより、高齢化に伴う交通難民や買い物難民といった問題を発生させず、高齢者や子供たちの見守りも可能にする近接したまちづくりを目指しております。
また、居心地がよく歩きたくなるまちづくりには、電車やバスなどの地域の公共交通機関との連携、商業・観光振興、景観まちづくりなど、幅広い視点を持って進めることも必要です。
今後、埼玉版スーパー・シティプロジェクトに基づくウォーカブルなまちづくりの視点を市町村と共有し、地域の歴史や文化などそれぞれの特性を生かした魅力のあるまちづくりを進め、「日本一暮らしやすい埼玉」の実現につなげてまいります。
A 村田暁俊 都市整備部長
まず市町村と連携を深め、まちなかウォーカブル推進事業に主体的に取り組むべきについてでございます。
この事業は、駅周辺などの区域において、道路や公園、民間施設などを活用し、人が快適に滞在できる空間を一体的に整備するものです。
事業区域が隣接市町村に跨るケースも想定されることから、県は県道や公園などの管理者としてのみならず、広域行政を担う立場として関与することが効果的であると考えます。
県といたしましては、関係部局間で連携しながら、ウォーカブル推進事業における個別の事業主体や全体のコーディネート役として積極的に取り組んでまいります。
次に、市町村に積極的に働き掛け、支援していくべきについてでございます。
この事業は、景観のグレードアップや民間施設にも活用でき、地域の特性を生かした魅力的なまちづくりに有効な支援制度であります。
県では、現在、2つの市の整備計画について、令和4年度新規採択に向け国と協議しているところです。
この他にも複数の市町から国の支援を受けるための相談が寄せられており、歩行者中心の視点によるまちづくりの事例紹介や整備内容の提案を行っています。
今後さらに多くの地域で居心地がよく歩きたくなるまちづくりが進むよう、市町村に働き掛けを行うとともに、県の経験やノウハウを生かし支援をしてまいります。
次に、ウォーカブル推進都市の登録についてでございます。
県内に歩行者中心のまちづくりを広げていくためには、県自らが国の施策や国内外の事例を情報収集して知見を高めていく必要があります。
また、ウォーカブルなまちづくりは、埼玉版スーパー・シティプロジェクトにおける「コンパクト」の要素を具体化する重要な施策となるものでございます。
このため、県といたしましてもウォーカブル推進都市に登録し、そのネットワークから得られる知見を市町村の機運向上や具体的な事業内容の検討に活用してまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください