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掲載日:2021年12月28日

令和3年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(安藤友貴議員)

県立高校体育館へのエアコン設置について

Q   安藤友貴 議員(公明)

いつ、どこで起きるか分からない大規模災害、災害時の避難所環境整備は、何か起こってからでは間に合いません。避難所の環境を改善し、不安の中、避難されている皆様へ少しでも安心していただきたいと思います。
避難所環境の整備の中でも、今回は空調の件についてお聞きします。
公明党は一貫して避難所となる県立高校体育館へエアコン本設置を訴えてきましたが、本県の考え方は、移動式のエアコン、いわゆるスポットクーラーを調達し設置するという、効果に疑問が残る対応となっています。
そこで、今年の6月定例会で我が会派の深谷議員が、県立学校体育館におけるエアコン設置訓練の実施を提案し、現在教育局が考えている冷房効果や設置方法など一度検証すべきと訴えました。教育長より、「必要な冷房効果が得られるか検証していきたいと思います」との答弁がございました。
早速8月に2校で検証が行われました。8月13日は残念ながら大雨で8月とは思われない寒さであったため検証がうまくいきませんでしたが、8月30日は気温が34度を超える絶好の検証日和となりました。深谷議員とともに川越工業高校に8時に到着し、スポットクーラーの搬入から視察をいたしました。搬入は15人の人員で4台のスポットクーラーが体育館へと運ばれます。
まず、設置されるまでの問題点として、3つ指摘をいたします。
1点目、運び込まれるために人員が15人と多く、加えて電源接続作業の方が4人いらっしゃいました。合わせて19人です。有事のときに人員が確保できるか、疑問です。
2点目に、大型トラックで運び込まれましたが、途中止まっている車が邪魔でトラックが入れない箇所がありました。慌てて車の持ち主を探し、移動してトラックが旋回できましたが、これを有事のときにすぐ行動できるのでしょうか。
3点目、搬入から運転開始まで3時間以上かかりました。しかも、避難者がいない状況でこれだけかかりました。有事の際はもっと時間がかかると予想されます。
さて、次に冷房効果についてです。館内の温度と外気温をプロットしたデータがこちらになります。
これもパソコンに入っておりますが、プロットデータです。外気温との差が約1度から2度です。結論から申し上げますと、残念ながら冷房効果はありません。16時前まで深谷議員と体育館にいましたが、とにかく暑い。絶対温度32度前後でいるわけですから、当たり前です。災害時には人も増えます。より体感温度は上がるでしょう。
視察後、私は電車で地元に戻りましたが、乗換えの朝霞台駅でめまいと頭痛に襲われ、しばらく動けませんでした。深谷議員も頭痛があったそうです。2人とも支援物資が届くまでという想定を考え、水を一口しか飲まなかったのが原因だと思いますが、有事の際に同じような状況になる方も考えられます。
後日、職員になぜここまで温度が下がらなかったのかと聞くと、台数が足りなかったという答えでした。6台あれば効果があったということです。4台でも相当な人員と時間がかかっています。排気口の場所も6台だと増えます。また、2週間以上使用する場合、リース費用は購入と同額の費用となるそうです。仮に6台だと金額はおよそ3,000万円、費用対効果に疑問が残ります。その後の保管もどうするのでしょうか。
それでは、教育長に質問いたします。
教育長は今回の設置訓練の結果をどのように認識しているか、お聞きします。また、私はこの検証の結果、スポットクーラーは諦めて、避難所となる県立高校体育館へエアコン本設置に方向転換すべきです。お答えください。

A 高田直芳 教育長

今回の設置訓練の結果をどのように認識しているのかについてでございます。
県では、これまで近隣にエアコン設置済みの避難所が無い防災拠点校14校について、災害時にエアコンが設置できるよう電源の整備を行ってまいりました。
8月には、この14校のうち重層体育館や体育館周辺の通路が狭く段差があるなど、エアコンの設置に工夫が必要な2校の体育館について、エアコンメーカーのご協力をいただき、無償で設置訓練を実施いたしました。
議員お話のとおり、エアコン室外機一体型の大型のものであったため、搬入には多くの人員が必要となったり、搬入路が十分に確保できずに設置に時間を要するなど実際に訓練を行うことで明らかとなった課題もございました。
また、必要な冷房効果を得るには、今回の訓練で使用した機器よりも多くの機器が必要となることもわかりました。
今回の設置訓練を踏まえ、今後、14校について、災害時の状況をよりきめ細かく想定して、設置や冷房効果などの課題を抽出し、解決策を幅広く検討しておかなければならないと認識したところでございます。
次に、エアコン本設置に方向転換すべきについてでございます。
電源を整備した14校は、体育館の構造や周囲の状況、学校の立地場所など、それぞれ条件が異なります。
そのため、設置や冷房効果などの課題の解決策を検討するに当たっては、災害時の活用可能性など費用対効果も踏まえ、エアコンの本設置も選択肢に含めていきたいと考えております。
県といたしましては、県立高校の体育館が避難所となった際の利用環境の向上に向け、引き続き取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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