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掲載日:2021年12月28日
Q 前原かづえ 議員(共産党)
新たにオミクロン株の国内感染例の確認によって、緊張感が急激に高まっています。第6波は必至という認識でなければなりません。
私は、コロナ禍で奮闘された医療機関の労働者に敬意を申し上げます。しかし、敬意、感謝を捧げるだけではなく、今早急に必要なのは民間医療機関で働く労働者の処遇改善です。
私は、労働者の方の懇談に参加させていただきました。ある病院では、20%以上の退職者が出ているという重大事態も報告され、長期にわたるコロナ対策で医療労働者は疲弊して切っています。ある看護師は、一般病棟や外来看護師の中からコロナ病棟に看護師を送り出し、その分人手不足の中で頑張ってきているのに、コロナ患者と接していないので手当はない。コロナ病床以外の現場からは、特殊勤務手当に対する不満が出てしまっていると話されていました。
秋山文和県議の質問で、「診療報酬の改定を国に求めてほしい」と述べましたが、医療機関が安心して医療労働者に手当を支給するためにも、報酬改定とともに減収補填の仕組みがどうしても必要だと考えます。
第6波に向けて、今後こそ減収補填を行うよう国に求めていただきい、知事の答弁を求めます。
また、検査技師の方からは、医師、看護師、他のスタッフも少なく放射線技師が多忙だった。感染拡大で検査数が増大、ふだんの作業が後回しになり、毎日2時間の残業が厳しかったとのことでした。それにもかかわらず、看護師と検査技師で特殊勤務手当の額に差別を設けている医療機関もあったようです。これは差別する医療機関の問題というよりも、そもそも手当総額が低いという問題だと思います。
特殊勤務手当の補助額を増額すべきと考えます。保健医療部長の答弁を求めます。
発熱外来診療検査機関では感染症検査機関等設備整備補助を行い、様々な危惧や装備を購入したそうです。しかし、その装置を使うためには人手が必要です。設備整備事業には、その後の運用のための人件費は当然含まれていません。県として診療検査機関には50万円が支給されていますが、発足のための一回きりの支給です。
ここで質問です。
診療検査機関に対し再び50万円を支給することについて、また、人件費の補填となる支援を国に要望することについて、保健医療部長の答弁を求めます。
A 大野元裕 知事
まず、第6波にむけて、今度こそ減収補填を行うよう国に求めることについてでございます。
新型コロナウイルス感染症患者の受入医療機関の昨年度の医業収益は大幅に悪化したものの、国や県からの補助金が加わることで、平均的には損益がほぼ均衡するような状況となりました。
今年度上半期の受入医療機関の医業収益見込は昨年度に比べ、多くの医療機関で改善するとした調査結果もありますが、いわゆる第6波の到来など今後の感染動向が見通せない中、地域医療を支えるために医療機関の経営を安定させることは大変重要でございます。
これまで国に対し、私自ら医療機関の窮状を訴え、医療機関の経営に支障が生じないよう様々な要請を行うとともに、全国知事会としても、コロナ病床確保に係る診療報酬の引上げや財政支援などを国に提言をいたしました。
その結果、緊急包括支援交付金による空床補償を含めた病床確保料や診療報酬の引上げが実現したところでございます。
また、県としても独自に入院協力金や看護職員手当を創設するなど、財政的な支援を行ってきたところであります。
私は、コロナ禍における医療機関の経営支援は、真に必要な分野に対し、減収補填ではなく診療報酬の改定により対応することが基本であると考えております。
今月6日に開会した臨時国会において、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、収入を1%程度、月額4,000円を引き上げるための措置が審議をされております。
こうした国の動向を注視しながら県としても必要な対応を行ってまいります。
A 関本建二 保健医療部長
まず、「特殊勤務手当の補助額を増額すべき」についてでございます。
県では、感染リスクの高い患者への入院診療に携わる医療従事者に特殊勤務手当を支払う医療機関に対して、医療従事者1人1日あたり4,000円を上限として手当の原資を補助しております。
この補助は、令和2年度に看護職員のみを対象に創設しましたが、医療機関からの要望を反映し、令和3年度からは入院診療に携わる医療従事者に対象を広げ、検査技師も対象としました。
また、国では、11月に閣議決定した「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」において、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、段階的に収入を引き上げる措置を講じるとしています。
この処遇改善の収入を検査技師などのコメディカル職員の処遇改善に充てることも認められております。
現在、国会で、この対策に係る補正予算が審議されています。こうした国の動向を注視しながら県として必要な対応を図ってまいります。
次に、診療・検査医療機関への50万円の再交付及び人件費の補填支援の国への要望についてでございます。
昨年度、診療・検査医療機関に対しては国から診療時間や患者数に応じた補助金が交付されましたが、本県では独自に50万円の協力金を交付いたしました。
この協力金は、新たに診療・検査医療機関となることで生じる事務負担に配慮し、早期の登録を促すためのインセンティブとして交付したものです。
今年4月から国の財政支援が大きく後退したため、国に対し、医療機関名等を公表した医療機関への財政的なインセンティブを繰り返し要望してまいりました。
その結果、自治体のホームページで公表した診療・検査医療機関への診療報酬が、9月28日から患者1人当たり2、500円も拡充されました。
この診療報酬の中で、医療材料の購入費や人件費等の運営費などを賄うこととされています。
診療報酬拡充の効果もあり、12月10日現在、診療・検査医療機関の数は1、360機関にまで増加しております。
県といたしましては、現時点で協力金の交付や国への人件費補填支援の要望を行う予定はございません。
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