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掲載日:2021年12月28日
Q 美田宗亮 議員(自民)
昨年11月に東京都町田市で、女子児童がネットいじめを受け自殺するという痛ましい事件が起こりました。学校で配布された情報端末を使ったいじめがあったということで、いじめ問題は暴力や悪口といった対面によるリアルなものから、SNSの仲間外れ、誹謗中傷などインターネット空間で行われるバーチャルなものまで複雑化しております。
国の調査では、令和2年度のいじめ認知件数は51万7,163件であり、昨年度から減少したものの、ネットいじめの認知件数は1万8,870件と過去最高を更新しています。また、国立教育政策研究所のいじめ経験の調査では、小学校4年生から6年生までの3年間で暴力を伴わない仲間外れ、無視、陰口のいじめを受けた経験のある児童生徒は80%、いじめを行った経験のある児童生徒は69%であり、いじめはどの子供にも、どの学校にも起こり得るものといえます。平成30年に発売開始したいじめ保険というものがありますが、これは弁護士に相談する際の費用を保証し損害賠償請求等もサポートする保険として話題を集めていることも、その象徴ではないかと思っております。
一方、小学校でのいじめ発覚のきっかけは、アンケート調査など学校の取組による発見と本人からの訴えが全体のおよそ4分の3を占めるとされ、多くが本人や周囲が声を上げることで発覚することに至っております。
県では、いじめ防止の施策の一つとして、いじめの未然防止のための道徳教育の充実を掲げております。道徳は平成23年の大津市のいじめ事件を受けて小中学校で教科化されていますが、こうした現状を踏まえると道徳教育においてはいじめを起こさないという視点に加えて、仮にいじめが起きたとしてもいじめを傍観させないという視点を持たせることが必要と考えます。
これらを踏まえて、いじめ問題へ対応するための道徳教育をどのように効果的に行っていくのか、教育長に御見解をお伺いいたします。
A 高田直芳 教育長
いじめは決して許されるものではなく、また、教職員一人一人が「いじめはどの学校でも、どの子にも起こり得る」という認識を持つことが重要です。
さらに、誰もが被害者にも加害者にもなり得ること、傍観することがいじめを助長することなどを、全ての児童生徒に理解させることも重要です。
そこで、県では小中学校の道徳の授業において、児童生徒がいじめ問題を自分自身のこととして捉えられるよう、「自分ならどうするか」「今までの自分はどうだったか」を考え、議論する道徳を実践しています。
そのため、道徳の教科書に加え、県独自の教材「彩の国の道徳」を活用しており、その中で、傍観者もいじめる人と同じように相手を傷つけていることに気づかせる内容もとりあげています。
また、道徳の授業だけでなく、全ての教育活動を通して温かな人間関係づくりや他者を思いやる心を育む道徳教育の充実にも取り組んでおります。
今後も、学校や市町村と連携し、SNSを介したいじめなど新たな課題にも対応しながら、いじめを未然に防止するための道徳教育の充実に粘り強く取り組んでまいります。
再Q 美田宗亮 議員(自民)
今、様々な取組はお伺いいたしましたが、そういった多様な取組をするということは、道徳教育を推進する側の教員の道徳に関するリテラシーも非常に重要と思いました。教員の不祥事も後を絶たない現状ではありますけれども、こうした教員への道徳教育といいますか、倫理観の醸成はどのように取り組まれるのか、それもお伺いしたいと思います。
再A 高田直芳 教育長
子供たちに道徳教育を行う教員の倫理観の育成をどう図るのか、という御質問だと受け止めております。
最近、教員採用が大量採用の時代を迎えておりまして、毎年2,000名近くの教員を採用している状況でございます。
子供たち一人一人は、未来の埼玉、あるいは日本を背負って立つ大事な宝でありますので、その子供たちにしっかりとした道徳心を持たせるように、教員の倫理観の醸成にも努めていかなければならないと思っております。
教員は人の人生を左右する非常に重要な重たい職務を負っておりますので、自らをしっかりと律した上で、その崇高な使命を自覚をして、教職活動に取り組めるように継続して指導をしてまいります。
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