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掲載日:2021年12月28日
Q 前原かづえ 議員(共産党)
まん延防止措置や緊急事態宣言下で演劇や演奏会などはコロナのために発表できなくなるという異常な事態が続く中、演ずる人も、鑑賞する人も、文化芸術がいかに大切なことかを実感してきました。先日開かれた埼玉WABI SABI大祭典に参加してきましたが、久しぶりの有観客のイベントで感動いたしました。来年こそ、コロナ禍で萎縮していた芸術文化が大きく花開く年にしたいと思います。
国も新たな補正予算を決定したようですが、知事の文化芸術支援の決意を求めます。
私は、高校芸術鑑賞に関わる劇団関係者のお話を伺いました。学校講演のキャンセルにより講演料が入ってこない。実施できたとしても、3密を避けるために本来1回講演のところ2から3回の講演に増やして実施するケースが多いにもかかわらず、劇団はワンステージ分の上演料で受けているのが実態です。また、コロナまん延でキャンセルとなった場合も、上演料のキャンセル料がもらえないこともあるそうです。
東京都では修学旅行と同様、キャンセル料の補填を行っています。埼玉でも一定のキャンセル料の補填を実施すべきと考えます。教育長、いかがですか。
先日、学校演劇鑑賞会に参加させていただきました。主人公は学校でいじめを受けている男子生徒で、自分は何のために生きているのか分からないと悩み、生きることの意味を投げ掛ける物語です。観劇後の生徒さんからは、「自分と変わらない年齢の子が主人公で身近な問題だったので考えさせられた」「自分は演劇部に入っている。照明や音響、舞台装置などわくわくすることがたくさんあった」と感想が寄せられ、先生からも「教師の立場からも思わずほろりとする場面がありました」と話されていました。
このように演劇など芸術鑑賞は、結論を押し付けるのではなく、それぞれの立場から自分の頭で考えさせるので、広く深く感性を育てることになります。
埼玉県議会は平成30年12月定例会で、「高等学校における演劇鑑賞教室実施に関する請願」を採択しました。その後、平成30年度、演劇鑑賞について、高校は29校、令和元年度は40校が実施しましたが、しかし、コロナ禍の中、令和2年度は5校に落ち込みました。もともと鑑賞実施校が少ないからです。
生の舞台に触れることは、生徒たちの健やかな成長を確かなものにします。このような機会を生徒たちから奪ってはなりません。
かつて長野県では、演劇鑑賞を県で予算化し、全県立高校で演劇鑑賞会が行われていました。山間部の小規模校にも演劇鑑賞の機会を保証するという考え方からです。
本県での学校の芸術鑑賞は保護者負担となっています。大規模校は大規模な文化芸術鑑賞が可能ですが、小規模校は難しくなります。公的支援制度が必要と考えますが、教育長、答弁を求めます。
文科省が令和2年度に実施した体験活動等を通じた青少年自立支援プロジェクトで、小学生の頃には体験活動をよくしていると、その後の成長に良い影響見られることが分かったと見解を発表しています。文化的体験を多くの子供たちに等しく体験できる場が学校です。コロナ禍の中、様々な体験が縮小される中で、演劇など芸術鑑賞を高校だけではなく、小中学校へも大いに広げていくことについて、教育長の考えをお示しください。
A 大野元裕 知事
コロナ禍で委縮した文化芸術への支援の決意についてでございます。
医療関係者はもとより、県民や事業者の皆様の御協力により、新型コロナウイルスの感染状況は落ち着きを見せ、休止状態にあった多くの文化芸術活動も、徹底した感染対策を行いながら、再開し始めています。
先月開催した埼玉WABI SABI大祭典でも、出演者、観客、主催者である県の三者がそれぞれの立場でしっかりと感染防止対策を行うことで、観客を入れて開催することができました。
同時に、オンライン配信も行い、いつでもどこでも何度でも鑑賞できる新たな楽しみ方を提案し、コロナ禍におけるリアルとオンラインのハイブリッド型イベントとして、県がモデルを示せたと考えております。
私も会場を訪れ、着物のファッションショーに参加し、その熱気を肌で感じるとともに、観客の皆様の笑顔を拝見し、文化芸術が人々に与える力を目の当たりにしてまいりました。
全ての出展ブースを回り、皆様にお声掛けをさせていただきましたが、参加団体からは「発表の場があることが嬉しい」、来場者からは「久しぶりに生の文化芸術に触れられた」などたくさんの喜びの声をいただきました。
私は、先行き不透明なコロナ禍の今だからこそ、人々に感動や安らぎを与え、心の支えとなる文化芸術の役割は極めて重要であり、人々の期待も一層高まっていると再認識をいたしました。
文化芸術の灯は決して絶やしてはなりません。私はこの思いを持って、県民の皆様が安心して文化芸術活動を行えるよう支援に取り組み、埼玉の文化芸術をしっかりと未来へ繋いでまいります。
A 高田直芳 教育長
まず、埼玉県でも、一定のキャンセル料の補填を実施すべきについてでございます。
多くの県立高校では、芸術鑑賞会を実施し、生徒が演劇や伝統芸能、音楽などの文化芸術に親しむ機会を設けております。
昨年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、芸術鑑賞会を企画した学校のうち3分の2の学校で実施できませんでしたが、キャンセル料が発生した学校は限られており、補填に係る要望等はございませんでした。
また、今年度については、緊急事態宣言が明けた10月以降、芸術鑑賞会が順次実施されておりますので、キャンセル料等に係る対応への必要性は低いものと考えております。
次に、小規模校が大規模な文化芸術鑑賞を行うことは難しいため、公的支援制度が必要と考えるがいかがかについてでございます。
議員御指摘のとおり、大規模な芸術鑑賞会の開催は小規模校等では難しいものと認識しております。
そこで、例えば、小規模の高校において他校と合同で芸術鑑賞会を実施するといった工夫を行っている事例がありますので、校長会議等を通じて情報提供するなど、小規模校での文化芸術鑑賞が実施できるよう支援してまいります。
次に、コロナ禍において、様々な体験が縮小される中で、演劇など芸術鑑賞を、小・中学校へも大いに広げていくことについてでございます。
学校での文化芸術鑑賞は、子供の豊かな情操を養うとともに、生涯にわたり文化や芸術に親しむ態度や思考力・判断力・表現力等を育成する上で、大きな役割を果たしております。
議員御指摘のとおり、演劇など文化芸術鑑賞が小・中学校で実施されることは大変有意義なことであり、多くの学校で実施されております。
また、県では、演劇などの文化団体を小・中学校等に派遣し、児童生徒が芸術文化活動を鑑賞・体験できる「芸術文化ふれあい事業」を実施しております。
さらに、国が実施しております芸術鑑賞に係る支援事業についても周知し、活用について働き掛けています。
今後も市町村と連携しながら小・中学校における文化芸術鑑賞の充実に努めてまいります。
再Q 前原かづえ 議員(共産党)
国のやる文化芸術の支援で、子供の文化芸術の鑑賞体験等総合パッケージが高校の演劇は含まれていないんですね。先ほど知事が国の支援施策についてのすばらしい見解を述べられましたけれども、この今回のコロナの中でいろいろばらつきが起きている中、是非県の積極的な支援をお願いしたいんです。
今回、鑑賞で伺った高校生は、そこの高校の子は1年のときはジャズを聞いた、それから2年のときには落語を聞いている、3年のときには演劇ですよね。そうやって3年間、しっかりとコロナの中でもいろんな方たちの協力によって、そういう芸術に触れていることができているわけですよ。
ところが、片や全然一切そういうことがなかったというままで卒業する子もいるわけですので、是非このコロナ禍で実施したところを学びながら、全高校に芸術鑑賞の場を作っていくという、そういうことを後押しする考えを是非示していただきたいと思います。
再A 高田直芳 教育長
御質問は、高校生にも文化芸術に触れるような支援を積極的にというふうに承りました。
高校生など感受性の豊かな時期に本物の芸術文化に触れることは、その後の豊かな人生を送る上で非常に大切なものだと考えております。
高等学校の様々な学校行事などにつきましては、基本的には保護者の方の御負担でお願いしているところでございます。
昨年度芸術鑑賞会を計画いたしましたのは、全ての県立高校のうち99校でございました。
今年度は101校で計画をしております。
学校の実情等によりまして、毎年、あるいは3年に一度、2年に一度といった芸術鑑賞会の実施の状況になっております。
引き続き、様々な情報を学校に提供することによりまして、少しでも充実した芸術鑑賞の機会が学校でもてますように、支援をしてまいります。
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