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掲載日:2022年1月19日
Q 柿沼貴志 議員(県民)
児童相談所の保護事案について、大前提として虐待から子供たちの命を守る、これが重要であります。一方で、昨今の虐待事案や相談件数の増加に伴い、児童相談所の業務負担としては増すばかりであります。増える対応件数に付随し保護施設の足りなくなっているために、熊谷市に一時保護所を増設する計画も進んでおりますが、こちらもすぐに入所児童が定員になってしまうことが予想されます。
こうした児童相談所のひっ迫した業務過多と保護の現状から、児童相談所の負担軽減や一時保護所の子供の権利擁護について質問いたします。
虐待事案において、児童相談所は保護と支援の相反する機能を担っております。子供の命を守ること、これが第一義ではありますが、保護後の支援や再発防止にも取り組まねばなりません。そこには保護された家庭との信頼関係の構築に当たり専門性が必要になってきますが、現状のままでは更なる機能の強化を児童相談所だけで担うことは、既に限界のような状態であると考えます。
また、保護の時点で家庭と児相は敵対の関係の構図に陥りやすく、保護と支援を同一の機関で実施することにも無理があるものとして、長年多くの専門家から指摘を受けています。
東京都児童福祉審議会では2020年の12月に「新たな児童相談の在り方について」を公表しております。その報告書では、増大する虐待通告への適切な対応として、民間機能等の活用の検討や児童相談所と区市町村が設置している子供家庭支援センターとの連携強化などが提言されています。こうした取組は、児童相談所の負担軽減につながることが期待されます。
そこで埼玉県としても、児童相談所の負担軽減に前向きに取り組むべきだと考えますが、福祉部長の答弁を求めます。
A 山崎達也 福祉部長
議員お話しのとおり、児童虐待相談対応件数の増加に伴い、児童相談所の業務負担も増しており、民間機関の活用や市町村との連携強化等による児童相談所の負担軽減を図る必要があります。
このため、本県では、児童虐待通告のうち、児童相談所がリスクが低いと判断した事案について、県からの委託を受けた外部の民間団体が家庭訪問などの安全確認を行う取組を、一部の児童相談所で実施しています。
また、各市町村では児童相談所と適切な役割分担の下、緊密に連携して虐待対応などにあたる「子ども家庭総合支援拠点」の設置を進めています。
この「子ども家庭総合支援拠点」には、専門職員である子ども家庭支援員や虐待対応専門員などが配置され、体制が充実することから、児童虐待の発生予防・早期発見・早期対応が可能となります。
現在、県内20市町に設置されていますが、県では今後さらに設置する市町村が増えるよう積極的に支援を行ってまいります。
さらに、虐待事案のうち市町村で支援することが適当なものについては、児童福祉法に基づき市町村へ事案を引き継ぐ「送致」や継続的な指導を市町村に委託する「指導委託制度」の活用を進めていきます。
児童の安全確保や保護後の支援など児童相談所に求められる役割をしっかり果たしていくため、様々な手法を適切に組み合わせることにより、児童相談所の負担軽減を図ってまいります。
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