トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成28年2月定例会 > 平成28年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (神尾高善議員)
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掲載日:2023年5月16日
Q 神尾高善議員(自民)
本県の畜産は、乳牛、肉牛、養豚、養鶏など県内全域で行われております。畜産は、水田や畑作に対する有機肥料の供給源という側面もあり、食の安全・安心を確保するという観点からも衰退させてはなりません。酪農家からは生乳のまま出荷した場合、6次産業化などによって自分で加工品として販売した場合に比べて半分以下の値段にしかならないとの話も聞きます。
知事は、農産物のPRをする際、「地産地消、近いがうまい」というフレーズをよく使います。スーパーなどに地産地消コーナーが設置されるなど、生産者の顔が見える県産の安全・安心な農産物をまとまって見ることができるようになってきました。しかし、このコーナーに含まれていないものがあります。それは卵です。卵は、卵のコーナーにほかの産地のものと一緒に置かれているケースがほとんどです。スーパーなどでは目玉商品となる卵も同じ地産地消コーナーに並べるべきと考えますが、県としてどのように取り組むことが可能か、農林部長に伺います。
また、養鶏業の方から、次のような声を聞きました。県では、鶏の餌として飼料用米を推奨している。水田農家の休耕田対策になることから、我々としても協力したい。しかし、県からは飼料用米に関する情報提供など具体的な支援がないというものでありました。現在、飼料用米は一たん県外へ運ばれ、貯蔵された上で、また県内の畜産業者が個別に契約し、県内に運んでくるという状況であります。無駄な移動ではないでしょうか。飼料用米については、県内での流通が図られるような支援が必要と考えますが、農林部長に伺います。
そして、同じく養鶏業の方から、次のような声も聞かれました。飼料用米は年1回の収穫となるため、自分たちで貯蔵しておく場所が必要となる。そこで、倉庫を建てようとしたところ、住宅と同じような建築基準を求められた。過剰な投資になってしまうとのことであります。
卵は物価の優等生と言われておりますが、これは養鶏業者による生産効率の向上などの努力によるものであります。国からは、畜舎、堆肥舎に対して建築基準の緩和が平成14、15、16年に示されております。今後、本県の畜産業を衰退させないためにも、畜産農業施設の建築基準に関し、県独自の建築基準の運用など何らかの対策が必要と考えますが、都市整備部長に伺います。
A 河村 仁 農林部長
「量販店等の地産地消コーナーでの県産卵の扱い」についてでございます。
県内には、地産地消コーナーを設置しているスーパーなどの量販店が524店舗ございます。
埼玉県産卵について、他の産地の卵と差別化を図り、来店者にアピールしていくためには、地産地消コーナーで取り扱っていただくことが有効と考えております。
しかしながら、地産地消コーナーは、野菜売り場に設置されていることが一般的で、埼玉県産卵の取扱いは一部に留まっています。
卵を一か所にまとめて置くことは、商品を管理しやすくするなど、販売する側に一定のメリットがあると思われます。
今後、地産地消コーナーに埼玉県産の卵を置いていただくためには、量販店に対して、地産地消の意義を丁寧に説明し、理解を得ていくことが必要と考えております。
県では、地産地消を推進するため、毎年度、量販店への訪問活動を行っており、こうした機会をとらえ、品質の高い埼玉県産の卵を地産地消コーナーで扱っていただけるよう働きかけてまいります。
次に、「飼料用米の県内流通が図られるような支援」についてでございます。
輸入飼料価格が高止まりする中、国際相場や為替の影響を受けない飼料用米の利用を拡大することは、畜産農家の経営安定のために重要と考えております。
このため、県では、平成22年度から、飼料用米を混合するための機械などの整備を支援するとともに、市町村や農協と連携し、稲作農家と畜産農家のマッチングを行っております。
その結果、県内流通の飼料用米の利用農家数は、平成21年度の10戸から、平成27年度には34戸に増加しております。
このような中、国においては米の需給調整を図る観点から、飼料用米の作付拡大を進めており、県内の飼料用米の生産も、平成27年度に13,559トンと、前年度に比べ2.7倍に増加しています。
今後、こうした飼料用米を県内の畜産農家が年間を通じて利用するためには、保管場所の確保が必要と考えております。
このため、県では、平成28年度から、飼料用米の県内流通に取り組む農協などに対し、集出荷施設の保管用倉庫への改修を支援いたします。
今後とも、畜産農家の方々に、埼玉県内での飼料用米の生産状況など必要な情報を提供することなどにより、飼料用米の県内流通が進むよう積極的に取り組んでまいります。
A 秋山幸男 都市整備部長
畜産農業施設の建築基準についてお答えを申し上げます。
建築基準法は、全ての建築物の安全性を確保する最低限の基準として、昭和25年に定められ、その後、社会情勢の変化に応じて様々な改正が行われてきました。
畜舎やそれに付属する倉庫などにつきましても、お話しにございましたように平成16年度まで数度にわたり、国の規制緩和推進計画の一環として、基準の一部が緩和されてまいりました。
畜舎等は一般的に、住宅に比べて人が使用する時間が短く、住宅が建て込んでいない地域にあることから、安全が確保しやすいことがその背景にございます。
この緩和では、安全性を考え、市街化区域以外に建築されること、平屋建てで高さが13メートル以下であること等が条件とされております。
緩和された基準を用いれば、柱、梁、基礎などの建築構造部材を一般的な建物より少なくでき、住宅などに比べ経済的に建築することが可能でございます。
建築基準法のこの緩和基準は全国一律に適用されており、地域性などによる運用は認められておりません。
しかし、畜産業の振興のためにも、まだ緩和の余地があるのではないか、といった現場の声もいただいております。
今後もこうした声をよく聞いて、建築基準法を所管する国土交通省に対し、緩和を望む声が大きいことを伝えてまいります。
<注意>
議員の氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。
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