トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成28年2月定例会 > 平成28年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (井上将勝議員)
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掲載日:2023年5月16日
Q 井上将勝議員(民主・無所属)
現在、公的な地図は、全国の法務局に保管される地図並びに地図に準ずる図面のみとなっており、その総数は約500万枚で、電子的に保管されています。その半数は、公図と呼ばれる地図と現地との整合性がとれていない図面を基とした内容となっています。
地図作成は、国及び自治体の施策として様々な手法を用いて行われており、その代表的なものが国土調査における地籍調査事業です。現状の地籍調査事業は、実施済み区域の大半を農用地が占め、人口の密集している都市部においては全国で24パーセント程度、埼玉県では22パーセントしか実施されておりません。この法第14条第1項地図作成事業を経て作成された図面を地籍図と呼びますが、この地籍図は、法務局登記官により認定がなされて初めて土地所有権を公示する登記簿と連動する地図、不動産登記法第14条第1項地図として、国の保管すべき法定された地図となります。
地図を保管している法務局では、全国の人口集中地区内で9,300平方キロメートルとも目される公図と現地が著しく相違する地区において、不動産登記法第14条第1項地図作成事業を独自に進めています。ちなみに、このような地域は埼玉県内において約521平方キロメートルあります。本事業では、地図作成事業において最も難易度の高い境界立会業務に登記行政官が直接関与することに加えて、法定された唯一の地図と境界の専門家である土地家屋調査士が従事することにより、境界の定まらない箇所がほぼゼロとの成果を上げています。
この地図作成事業費は、全額国費により実施をされ、埼玉県や県内市町村より予算支出はありません。県内の土地区画が、現地、権利ともに連動し整備されることは、埼玉県による公共事業の予算、工期の短縮につながります。
加えて、地図作成により現地の面積が正しくなり、おおむね従前から登記簿に記載されていた面積より、一般的には約7~8パーセント増加をします。このことは、市町村における固定資産税の適正化が図られ、固定資産税収入の減少を解決するとともに、地権者にとっては資産価値が増加することにつながります。
また、災害、天災、地形変動にも耐え得る地図を完備することで、災害時に迅速な復旧が可能となることや、都市計画や民間開発等の期間や費用が縮減され、不動産取引の円滑化と不動産価値の向上が図られることなど、かなりのメリットがあります。
このような地図を所管する法務局直営の地図作成事業を規模、予算ともに拡充することが、無駄なく日本全土の地図整備を完了することにつながることから、埼玉県としても国に対し直接要望するなど、県内の法務局による法第14条第1項地図作成事業を後押ししてもらいたいと思いますが、企画財政部長にその方針をお伺いをします。
A 中原健一 企画財政部長
本県において、公図に替わる正確な地図であります不動産登記法第14条第1項地図が整備されているのは、県土面積の3分の1程度と承知しております。
登記所に正確な地図が備え付けられることにより、公共事業等の円滑化や、土地境界に関するトラブルの防止が図られ、さらに、大規模災害の発生時には、復興の迅速化が期待されます。
この地図の大半は、市町村が実施しております地籍調査の成果により整備されております。
県内の地籍調査は7市町で完了し、14市町で現在実施されており、県全体の進捗率は31%となっていますが、人口の多いさいたま市、川口市などを含む24市町村は未着手となっております。
全国的にも地籍調査の実施に時間を要する中、法務省では地籍調査が進んでいない人口集中地区のうち、特に公図と現況が異なっている地域を中心に自ら登記所備付地図整備事業を実施しています。
人口集中地区が687平方キロメートルもある本県において、円滑な都市開発や土地取引の環境を整える上で、この事業は有効なものと認識しております。
本県では、これまでにさいたま市浦和区上木崎や川口市青木などで実施されており、平成27年度からは所沢市の寿町ほかでも実施されています。
法務省では、全国で平成27年度から始まった第2次10か年計画の下で従来計画よりも拡大した面積で地図整備事業を実施することとしております。それに加え、東京オリンピック・パラリンピック関連地域等でも追加で事業を実施することとしております。
オリンピック会場を抱え、また人口集中地区が県土の約18%と全国第4位の本県において、事業がさらに加速して実施されるよう、法務省に対して要望を実施してまいりたいと考えております。
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