トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成28年2月定例会 > 平成28年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (鈴木正人議員)
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掲載日:2023年5月16日
Q 鈴木正人議員(県民)
総合教育会議は、地方教育行政法の改正に伴い、平成27年4月から各都道府県、市町村に設置される会議体であり、首長と教育委員会により構成され、地域における教育行政の指針となる大綱を策定するものであります。知事や市町村長など首長と教育委員会が円滑に意思疎通を図り、教育の課題及び目指す姿等を共有しながら、連携して効果的に教育行政を推進していくための会議であると認識をしております。
狙いとしては、首長が教育行政に果たす責任や役割が明確になるとともに、首長が公の場で教育政策について議論することが可能になることや、首長と教育委員会が協議、調整することにより、両者が教育政策の方向性を共有し、一致して執行に当たることが可能になることだと言われております。
今までは選挙で選ばれた首長さんが公約を掲げて、教育に関する考えや理念を持っていても、教育委員会の独立性から直接議論に参加し、指導力を発揮することは難しい状況でありましたが、今回の地教行法の一部改正によって、総合教育会議によって教育委員会の皆さんと公の場で議論することが可能になりました。
これまで知事に教育に関する質問をいたしましても、感想や希望を述べていただく形になり、民意を得て当選した知事が、教育委員会委員の任命権を持って教育に関して一定程度の影響力は持てても、公の場で直接何も意見できない状況が続いておりました。初当選後などは新しい首長が直接任命した教育委員会委員がいないため、公約を掲げ当選した知事の考えをほとんど無視することも可能であり、民意と関係なく密室で教育行政が行われているという批判も出ておりました。
例えば、歴史教科書採択では、首長が自虐史観の教科書は好ましくない、ふるさとに自信や誇りの持てる教科書がよい、又は公教育における学力向上をしっかり位置付けていただきたい、いじめ問題に対して徹底した調査と情報公開をすべきと議会答弁で希望や感想を述べても、全く違った結果が出ることもしばしばあり、こうした教育行政の民意とのかい離がなくなることが期待をされております。
総合教育会議の設置以前から自虐史観への疑問、学力・体力の向上や規律ある態度の育成について、教育に関する熱い思いを議会の場でも披露されていた上田知事でありますが、本年度より我が埼玉県でも始まり、5回に及ぶ埼玉県総合教育会議によって、民意で選ばれた上田知事の影響力はどのように発揮され、埼玉教育の振興に関する大綱にどのような形で思いが反映されたのか、上田知事にお伺いいたします。
A 上田清司 知事
今回の法律改正において、具体的な教育行政は教育委員会が担いつつ、教育に対する大きな方向性、いわゆる教育理念については首長のリーダーシップの下に大綱として定めることになりました。
本県においても、埼玉県総合教育会議においては、私が議長になって、教育委員の皆さんと5回にわたって議論を重ねました。
全部オープンで、また過不足なくそれぞれ教育委員の皆さん、それぞれが意見を申し上げ、合議を重ねてきたところでございます。
この議論において、行政側の目線ではなくて、子供たち生徒たちのための視点というのを終始意識をしてきたところです。
子供たちが一人一人様々な能力があって、可能性がある。また、失敗しても何度でもチャンスがあるような、そういう教育課程が必要であること、そして、そういう環境を作ることが大人の使命であるということ、子供たちへのメッセージを、この大綱でしっかり示しました。
また、松尾芭蕉が言った「不易流行」、いつの世も、いじめはだめだと言ったら絶対だめと、そういう変えてはならないものは変えてはならないし、世の中で様々に変化があったら、それに合わせて変えるものは変えていくという、そういうことについてもはっきり大綱の中で定めました。
さらに、何よりも全ての子供たちに、埼玉県にとって大事な「宝」であり、かけがえのない「財産」だというメッセージを送りました。
教育は誰かのためにある訳ではなく、正に子供たちのためにあるという思いをこの大綱でしっかり定めたところでこざいます。
大綱の内容は私自身の考えを大きく披露させていただきましたが、各教育委員の皆さんも同じような考え方を持っておられましたので、それが重なった部分というのが、たまたま私の影響で重なったのか、皆さんの考え方が一緒だったのか、そこは私には判別できません。
したがって、影響がどうだったかということについてはお答えができない。こんなふうな感じでございます。
これまでも、教育委員会には、それなりに私の考えを踏まえた教育行政を行っていただきました。
今回の大綱策定により、私と教育委員会が教育に関して共通認識を持った、そしてそれを明文化した、ということでございますので、大きな枠組みについては私にも責任がある、こんなふうに理解をし、またその責任の下に教育委員会においては実務をしっかりやっていただきたいと考えているところでございます。
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