トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成28年2月定例会 > 平成28年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (小谷野五雄議員)
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掲載日:2022年8月22日
Q 小谷野五雄議員(自民)
先ほども触れましたが、私は昨年の代表質問で、地方創生現状を捉えるについて、知事にお伺いをいたしました。昨年12月に議会に提案された総合戦略の印象は、内容は画一的で、本当に地域の実情を反映したものだろうか、市町村と一緒に取り組み、作られたものだろうかと思った次第であります。県には、地域振興センターという市町村との連携を担う機関があります。センターと連携し、それぞれ地域の課題を反映し、まとめたものなのか、まず知事にお伺いをいたします。
しっかりと足元を見詰め、地域の持つ強み、弱みを把握し、どうすれば人が、物が動き、活性化するのか、市町村とともに埼玉県の総合戦略を考えていただきたいと私は思っております。今定例会においては、まち・ひと・しごと創生総合戦略特別委員会において引き続き審査が行われておりますが、埼玉の地方創生をどのように決意を持って臨まれるのか、知事のお考えをお伺いいたします。
A 上田清司 知事
地域振興センターと連携し地域の課題を反映してまとめられたものなのかについてでございます。
県の総合戦略は県の将来人口の構造的な変化を見通し、市町村を包括する広域的な立場から課題や施策をお示しするものでございます。
私は本県の将来人口を踏まえて構造的な課題が四つあると考えております。
第一には、生産年齢人口の減少でございます。
第二には、本県への人口の流入、すなわち人口の社会増を維持することでございます。
第三に、少子化への対応でございます。
第四に、異次元の高齢化への対応でございます。
県内では、既に超高齢社会に入っており更に高齢化が進む地域と今後急激に高齢化が進む地域との差がありますが、いずれも高齢化の影響を避けられません。
高齢者が安心して地域で暮らす社会づくりを進める必要がございます。
県としては、このように全県的に共通した課題への広域的な取組をまず第一に進めていく責務がございます。
その上で、議員御指摘のとおり、日本の縮図といえる本県の地域ごとの特徴に留意した施策展開も進める必要がございます。
現在議会で御審議いただいている総合戦略(案)では、東京都区部に近い地域と、その他の地域との特徴を分析しています。
また、県内を地域振興センターの区域に基づき12に分けて、各地域の特徴を踏まえ重点が置かれるべき課題や施策についても整理してお示しをいたしました。
この地域ごとの課題や施策をまとめるに当たっては、地域振興センターごとに開催している「地域の未来を考える政策プロジェクト会議」での検討や議論が役立ったところです。
県としては、広域的な課題と、県内各地域ごとに市町村共通の課題との両方を十分に見据えて取り組んでいるところでございます。
次に、埼玉の地方創生をどのような決意を持って臨まれるのかについてでございます。
県では県民や市町村の御協力をいただき、様々な成功事例を作り出していこうと考えてきました。
例えば、総合戦略の生産年齢人口が減少する中で「稼ぐ力を高める」観点からは、平成15年度から平成24年度までの10年間で名目県内総生産がプラス成長できたのは埼玉県を含めわずかに7県でございます。
東京都も神奈川県もマイナス成長でございました。
この10年間における名目県内総生産の全国シェアの伸びは、愛知県に次いで埼玉県は第2位になっています。
中小企業の血液たる銀行貸出金残高の増加額は、平成15年3月末から平成27年3月末の12年間で3兆2,810億円と東京都に次ぐ全国第2位になっております。
伸び率でみると東京都の約2倍です。
企業誘致については、産業基盤づくりの成果や地の利もあり平成26年までの過去10年間の本社の転入超過数が1,013社で全国1位でございます。
また、高齢化が進む中で安心して暮らせる地域をつくるという観点では、726万県民の強みを生かした様々な県民運動を展開してまいりました。
御案内のとおり、地域の防犯パトロールの組織であります「わがまち防犯隊」は平成27年末現在5,764団体で全国の約8分の1を占めております。
こうした「わがまち防犯隊」の取組や警察官の増員により、平成27年の刑法犯の認知件数は平成16年に比べて約6割も減少しております。
人口の多い10の都道府県の中でも、愛知県に次いで人口10万人当たりの刑法犯認知件数を減らしているところでございます。
こうした中、今後も埼玉の地方創生をしっかりと進めていく考えです。
一つは、生産年齢人口の減少に対応した「稼ぐ力の強化」を更に進めることでございます。
これまでの日本経済は自動車・電機・電子の三本柱と言われてまいりましたが、残念ながら近年は自動車の1本柱になっています。
こうした状況を踏まえ、今後は、新たな成長産業を育てていかなければなりません。
例えば、医療介護サービス需要の爆発的な増加に対応して産業の「稼ぐ力」を強化する、経済の好循環を作り出すことも可能ではないかと考えております。
このため、先端産業創造プロジェクトなどを日本全体の経済成長を押し上げる気概を持って進めてまいります。
また、少子化の対応として「人財の開発」を進めます。
地方創生を成し遂げるためのカギとなるのは、最終的にはやはり人財ではないかと思います。
教育投資こそが、一番の成長戦略であり、今後も全力を尽くしてまいりたいと考えます。
さらに、異次元の高齢化が進む中で「2025年問題」に対応してまいります。
医療や福祉の分野でも、埼玉はこれまで先進的なモデルを出しております。
生活保護世帯などの子供への学習支援、糖尿病の重症化予防、発達障害支援プロジェクトなど国からも高い評価を受けております。
今後はさらに健康長寿埼玉モデルの全県への普及拡大や地域包括ケアシステムのモデル構築を行ってまいります。
県としては、こうした点に力を入れながら地方創生に取り組むとともに、市町村のまちづくり、まちおこしを最大限支援していくという決意で臨んでまいります。
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