トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成28年2月定例会 > 平成28年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (鈴木正人議員)
ここから本文です。
ページ番号:65381
掲載日:2023年5月16日
Q 鈴木正人議員(県民)
御承知のとおり、2月6日午前3時57分、台湾南部高雄市を震源とするマグニチュード6.4の強い地震が発生いたしました。震源に近い台南市では9棟が全壊、5棟が傾くなどして、台南市全体で500人以上が負傷をしております。このうち永康区では地上16階、地下1階のビルが横倒しに倒壊し、地震全体の死者9割以上に当たる117人の死亡が確認されるという大きな被害が出てしまいました。亡くなられた台湾の方々に心より御冥福をお祈り申し上げます。
記憶に新しいと思いますが、台湾の皆さんは、平成23年東日本大震災の際には、義援金など多大な援助をいただきました。台湾南部地震直後には東北の被災地などを中心に、今こそ台湾に恩返しをしなければならないという機運が高まりました。
本県も、台湾の三三企業交流会顧問が県庁を表敬訪問するなど、経済交流のほかにも修学旅行生を相互交流で受け入れ、昨年は県立草加高校に今回被害のあった台南市にある台湾国立台南家齋女子高級中学の生徒76名が訪問し、世界のひのき舞台で活躍できる人材育成を目指して文化交流を実施するなど、埼玉県と台湾の皆さんとの交流は若者レベルも含め年々深まっております。
私ども埼玉県民といたしましても、東北の復興支援をしていただいた恩返しという意味だけでなく、埼玉と台湾の更なる友好のあかしとして積極的に支援すべきだと考えております。しかし、今回の台湾南部地震ですが、台湾現地からお願いということでフェイスブックなどの情報を見ますと、台南人が日本人にしてもらって喜ぶのは募金ではなく、台南への観光だという書き込みもありました。
現地、台南市では倒れたビルのことばかりテレビニュースなどでクローズアップされ、この崩壊したビルは手抜き工事の違法建築であって限定的であり、それ以外のビルは大丈夫とのことであります。そうしますと一番現地で困るのが、実は風評被害で観光客が来なくなること。地震直後はキャンセルも相次ぎ、台南市は台湾の京都と呼ばれている場所なので、観光客が来なければ観光産業が成り立たなくなるとの訴えがありました。
こうした現地の生の声なども勘案しながら、台湾南部地震の支援としてはもちろん恩返しの義援金もありがたいのですが、それだけでなく台南市をはじめ台湾に観光で行ってもらうようアピールすることや、埼玉県と台湾との相互交流事業を更に進め、多くの県民が台湾を訪れる機会を増やすことも支援策になるのではないかと考えております。
そこで、今回の地震の被害を受けて埼玉県はどのような支援策を実行し、今後どのように考えているのか、上田知事にお伺いいたします。
A 上田清司 知事
今回、台湾南部地震の第一報を聞いたのは、2月6日土曜日の早朝でした。
ビルが倒壊する状況や死者、行方不明者の状況が明らかになるにつれて、東日本大震災の際、世界中で一番、義援金や様々な支援物資をいただいた地域が台湾だったことを思い出し、何かできないかと考え、せめて県庁で義援金を募ろうということになり、手配をさせていただきました。
そして、台北駐日経済文化代表処の代表にお見舞いのメッセージも送りました。
今月末を義援金の締切としておりますが、昨日時点で約7,000人の賛同をいただいているところです。取りまとまり次第、台北駐日経済文化代表処に届けたいと考えております。
台南市内の観光地で、議員御指摘のような風評被害があるとすれば、残念なことです。現地の正しい情報が、県民の皆さんに伝わるようにしたいと思います。
本県の走る宣伝部長である公務員ランナーの川内優輝選手は、今回の地震を受けて3月20日の台湾の新北市のマラソンに参加するそうであります。
「自分が走ることで日本が応援しているという思いを伝えたい」とコメントしています。大変誇らしい県庁職員です。また、ブログなどで紹介し、現地の正しい情報をPRしたいと思っています。
台湾と交流し理解を深める取組として、教育局では高校生同士がチームを組んで商品開発を行うというユニークな事業を行っております。
これは、県内企業であります三州製菓株式会社の協力の下、県内の四つの専門高校と台湾の職業学校の生徒が協働し、洋菓子の商品開発を行い台湾の菓子店で販売するという取組でございます。
インターネットTV電話で意見交換をしたり、現地で試作評価会を行ったりと、一つのチームで開発を行うことで、お互いの理解が深まり非常に良い交流ができていると聞いております。
台湾からの教育旅行の誘致は積極的に行っているところであり、年々増加しております。来年度は、現地に埼玉国際観光コンシェルジュを設置し、更に強化していきたいと思っています。
こうした交流を積み上げて、お互いの魅力を再発見し、台湾との友好関係を更に深めていきたいと考えております。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください