トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成28年2月定例会 > 平成28年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (小谷野五雄議員)
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掲載日:2023年5月16日
Q 小谷野五雄議員(自民)
埼玉県民の悲願でありました圏央道の県内区間が昨年10月31日、全線が開通をいたしました。これにより、東名、中央、関越、東北道の各高速道路が、慢性的に渋滞する都心部を通らずに結ばれることになりました。この効果は絶大で、報道によりますと、開通後1か月の実績は、東名高速から東北高速の経路で、開通前は93パーセントの車が都心の都市高速中央環状線を利用したものが、開通後は28パーセントまで減少したということです。これに伴い、圏央道の利用は4パーセントから71パーセントに劇的に増加いたしました。圏央道の利用者が増えるということは、我が埼玉県にビッグチャンスなのです。東京、神奈川、千葉をはじめ、他県からより多くの人が埼玉にやってくるのであります。単なる通過県としないよう、観光やまちづくりに生かしていかなければなりません。
産業に関して、平成18年10月に田園都市産業ゾーンの基本方針を定め、9市2町13地区、延べ280ヘクタールの開発を行い、既に8か所が完了、5か所が施工中です。また、圏央道以北の1市1町において、3か所60ヘクタールの土地区画整理事業を行っております。圏央道の県内全線開通に伴い、産業界における埼玉県のポテンシャルが飛躍的に高まり、立地を希望する企業も数多くあると聞いております。
こうしたニュースがある傍ら、周辺の基盤整備は最近遅れぎみだという話も聞いております。訪れたチャンスを見逃す手はありません。遅れぎみの事業には、県が関与する度合いをこれ以上に多くするなり、あるいは県が主導して取り組むことができないのか、知事にお伺いをいたします。
また、圏央道周辺の開発計画には、田園都市産業ゾーンの基本方針、現の計画は平成28年度が終期とされております。この計画期間が過ぎた後はどのようになるのでしょうか。速やかに次期計画を準備すべきと私は考えます。埼玉県の均衡ある県土発展のためには、地域で雇用を作り出していくことが必要であります。特に、圏央道以北に当たっては顕著です。次期計画はどのような構想を描き、取り組んでいくのか、お考えを知事にお伺いをいたします。
さらに、基盤整備について考えますと、道路をはじめとする農地や工業団地などの産業基盤をつくる用地は、都市計画によって、その用途が細かく定められております。この計画は5年ごとに見直しが図られ、今日に至っておりますが、今年、平成28年はその見直しの年に当たります。圏央道も県内全線が開通し、人、物の流れの変化が生まれています。こうした社会経済情勢の変化を的確に捉え、見直しを行っていただきたいと切に私は願っております。どのような考えを持って臨まれるか、知事にお伺いをいたします。
A 上田清司 知事
産業基盤づくりに県が主導して取り組むことはできないのかについてでございます。
議員お話しのとおり県では圏央道の整備効果を見込み、平成18年の「田園都市産業ゾーン基本方針」制定以来、圏央道沿線や圏央道以北地域の産業基盤づくりを進めてまいりました。
今まで16地区、約350ヘクタールの産業基盤の整備を進めてまいりました。本県では企業の立地のニーズが高く、すぐに売れてしまうような状況でございます。
そこで県では、自らが事業主体となり産業基盤づくりを進めるとともに、市町村支援を強化するという2本柱で産業基盤づくりを加速化させる考えでおります。
まず、県が事業主体となるものでは、企業局が平成28年度に3地区の造成のほか、事業化の検討を進めるために、幅広く情報収集を行っております。
さらに、インターチェンジへのアクセス性を高める幹線道路の整備を重点的に進めるとともに、二つの「見える化」を実現いたします。
一つは、道路の開通目標年度を公表することでございます。もう一つは、インターチェンジまでの到達時間を明らかにすることでございます。
これらにより、進出を考える企業が検討をしやすく、企業進出の促進につながるものだと考えております。
次に、市町村支援ですが、市町村の段階に応じて三つの支援の強化を行ってまいります。
一つ目は、産業基盤づくりを行おうとする市町村に対し、有望な候補地の掘り起こしを市町村と連携して県自ら行うことでございます。
二つ目は、候補地はあるものの経験が少なく、課題を抱える市町村に対しては、ファーストステップ支援として産業用地創出の道筋づくりや職員のスキルアップの向上を支援することでございます。
三つ目は、課題を抱えて進捗が遅れている市町村に対しては、市町村にも出向き一緒になって課題の早期解決を図る支援を行うことでございます。
そのほか、市町村には関西地区で開催する企業向け説明会などにも御案内を出し同行していただき、産業用地の売り込みなどを行っていただいているところです。
次に、「田園都市産業ゾーン基本方針」ではどのような構想を描き、取り組んでいくのかについてでございます。
私は企業誘致にとって県北地域を含めた埼玉の均衡ある発展が図られると考えており、この実現のためには戦略を持って産業基盤づくりを進める必要があると考えております。
圏央道が県内全線開通した絶好のチャンスを逃さず、現基本方針の圏央道沿線地域に加え、圏央道以北地域も含めた地域で企業のニーズに応えられるよう次期基本方針を平成28年度中に策定する考えでございます。
この方針では、適用地域の拡大、整備目標の新たな設定に加え、一層のスピードアップの手法、市町村支援の強化などについて盛り込みたいと考えております。
次に、都市計画の見直しの考え方でございます。
都市計画は国勢調査や都市計画基礎調査の結果に基づき、都市を取り巻く社会経済情勢の変化を踏まえて定期的に見直しを行っておりますが、平成28年度に第7回目の見直しを予定しております。
人口減少の時代を迎えた今、住居系の市街地拡大は駅周辺などの拠点など、人口増加が見込まれる地域に限られることになるかと思います。
一方で工業系については、企業立地のニーズが依然として高く産業基盤づくりの需要が多いことから、計画的に誘導・集積していく必要があります。
この産業基盤づくりにあたっては、特にインターチェンジ周辺での企業進出の需要が高い本県の強みを的確に捉え、都市計画に反映することが重要だと考えます。
これにより、圏央道の県内全線開通の効果を最大限に生かし、計画的な産業基盤づくりを早期に進め、埼玉の均衡ある発展に努めてまいります。
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