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掲載日:2022年8月15日

令和元年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(中屋敷慎一議員)

コウノトリも生きられる環境を未来へとつなごう

Q   中屋敷慎一  議員(自民

本県では、生物多様性の保全を進めるべく2017年度から2021年度を取組の期間とする埼玉県生物多様性保全戦略を展開しています。この県戦略は、生物多様性基本法や生物多様性国家戦略2012-2020といった国の方針などを参考に定められた戦略で、三つの基本戦略からなっています。その基本戦略の2、「里地・里山の多様な生態系ネットワークを形成する」の中に「多様な生態系と野生動植物の保全の推進」とあり、取組の中に「水辺生態系の頂点に位置し、生物多様性を改善する上での総合指標とされるコウノトリについて、その野生復帰が関東広域で取り組まれていることから、国や市町村、庁内関係課、保全団体等と連携し、必要となる事業の推進を図ります」と記されています。
現在、関東広域での取組の中心は、国土交通省が事務局となり、埼玉県も参画する関東エコロジカル・ネットワーク推進協議会と実際に取組を進めている野田市、小山市、鴻巣市が中心となり、5県28市町が参加するコウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラムであり、シンポジウムなどを開いて機運の醸成を図ったり、具体の取組が進められています。
私は、先月12日に、この取組の先進地である兵庫県豊岡市を日帰りで訪ねてきました。市のコウノトリ共生課の職員さんや御当地の中貝市長さんとも意見交換させていただき、先進地としての取組の歴史や努力、成果について御教授いただきました。また、最初にお訪ねした兵庫県立コウノトリの郷公園では、野生復帰を果たして雄大に羽ばたくコウノトリに出会い、すっかりファンになってしまいました。また、市内各所に整備された湿地公園では、えさを探すコウノトリにも出会いました。
お訪ねしてみて最も強く感じたのは、この事業を関東広域で展開していくことは容易ではないということです。でも、だからこそ首都圏、関東広域でこの状況を成し遂げられたときの価値は非常に高いものであると思います。現在、我がまち鴻巣市は関東広域の一員として、いよいよ再来年から開始するコウノトリの飼育に向けて準備を急ぎつつ、関係各所との折衝に力を注いでいます。
さて、この課題については、同じ鴻巣市選出の並木議員も平成29年の9月定例会で質問し、当時の知事は、「市の取組について積極的に支援していきたい」と答弁していますし、環境部長は、コウノトリを含めた多様な生物が生息、成育できる生態系の確保に市町村、保護団体と協力し、積極的に取り組む旨答弁されています。
そこで、まず、答弁後の2年にわたる期間に埼玉県はどのように積極的に鴻巣市の取組を支援したのか、そしてどのように多様な生物が生息、成育できる豊かな生態系の確保に市町村、保護団体と協力し、積極的に取り組んできたのか、環境部長より御答弁ください。
また、大野知事が推進されようとしているSDGsの政府による取組の中には、「生物多様性、森林、海洋等の環境の保全」と明確に記されています。であるならば、事業実施市の取組を支援するにとどまらず、埼玉県が関東広域の旗頭になるほどの意気込みで取り組んでいくべきと考えますが、併せて環境部長のお考えをお聞かせください。

A   小池要子   環境部長

まず、答弁後の2年間に、どのように積極的に鴻巣市の取組を支援したのかについてでございます。
鴻巣市は、平成27年3月にコウノトリの里づくり基本計画を策定し、平成30年11月には「鴻巣市コウノトリの生息域外保全実施計画策定有識者会議」を設置いたしました。
この会議に県も参画し、関係法令についてのアドバイスを行うなど、コウノトリの野生復帰を目指して、検討を重ねてまいりました。
また、こども動物自然公園から講師を派遣し、地元の小学生を対象としたゲストティーチャー授業を行うなどの支援も継続してきたところでございます。
鴻巣市が令和3年度に予定しているコウノトリの飼育開始に向けて、関係機関との具体的な協議を行うほか、その後の繁殖、放鳥など、各ステージにおいても、鴻巣市とともに取り組んでまいります。
次に、どのように豊かな生態系の確保に取り組んできたのかについてでございます。
豊かな生態系の確保には、動植物の適正な保護、自然環境の保全、そして自然を大切にする人材の育成が肝要と考えております。
まず、ムサシトミヨなどの希少動植物については、保護団体や学校などと保護増殖や保全活動を行うとともに、アライグマなどの外来生物については、市町村などと連携した防除を進めてまいりました。
また、彩の国みどりの基金を活用した森林の整備による豊かな植生の回復や、「川の国応援団」への支援などを通じた川の再生に取り組み、動植物が生息・生育しやすい自然環境の保全にも努めました。
さらに、将来を担う世代にも自然を大切にする心が育まれるよう、学校や団体などで子供たちが主体的に取り組む環境保全活動や環境学習を支援してまいりました。
次に、関東広域の旗頭になるほどの意気込みで取り組んでいくべきについてでございます。
コウノトリは、水辺の生態系ピラミッドの頂点に位置すると言われており、自然界で生きていくためには、そのエサとなるたくさんの生き物が育まれる豊かな自然環境が必要です。
こうした自然環境は、私たち人間が豊かな暮らしをする上でも欠かせないものであり、その実現に向けた取組は、正にSDGsの達成につながるものと考えます。
今後も、市町村や保護団体などと協力し、コウノトリをはじめ多様な生物が生息・生育できる環境づくりに取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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