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掲載日:2022年8月15日
Q 井上将勝 議員(民主フォーラム)
10月から国の幼児教育・保育の無償化制度がスタートいたしました。その基本理念は、子ども・子育て支援給付、その他の子ども・子育て支援の内容及び水準は、全ての子供が健やかに成長するように支援するものであって、良質かつ適切なものであり、かつ子供の保護者の経済的負担の軽減について適切に配慮されたものでなければならないというもので、少子化の原因となっている高額な教育費に対し支援をし、どんな家庭の子供にも質の高い教育が受けられるようにすることが狙いです。
しかしながら、全ての子供にという基本理念にもかかわらず、外国人学校幼児教育施設や、実態は幼稚園、保育園に近い幼稚園類似施設について無償化の対象外となっています。そうした無償化対象外施設は県内に16カ所あります。対象外となった施設も、これまで地域に根差し幼児教育に貢献をしてきたはずです。国の制度設計の範囲外であるからといってしゃくし定規に切り捨てていいものではありません。
国も幼児教育類似施設への対応として、各自治体において子育て支援の重要な拠点と判断する施設への支援については、積極的に検討をいただきたいと都道府県に言ってきております。県内においても狭山市や志木市が保護者の経済的負担を軽減し、幼児教育の機会を平等に提供するため、市内で幼児教育に貢献してきた実績のある施設に単独で補助をしています。県もそうした地域の幼児教育に貢献してきた施設に対し支援を考えるべきではないでしょうか。
無償化の対象外となっている施設利用者も等しく納税義務を果たしており、特に今回の無償化の財源は、消費税増税分が充てられます。にもかかわらず、一部施設だけ対象外となっているのは、税の公平性の観点から考えても著しく不公平です。また、外国人学校も教育の質を担保した施設として長年地域教育に貢献し、所在する自治体から幼稚園園児教育助成金など財政的支援を受けている実績があり、多様性が求められる現代においてそうした学校を対象外にすることは外国人差別にもつながります。このまま無償化対象外施設として放っておかれれば、運営に行き詰まる施設も確実に出てきます。
そうした事態を防ぐためにも、長年地域教育に貢献してきた外国人学校や幼稚園類似施設には、県として支援をしていくべきです。県が支援を主導することで県内市町村にも支援の輪が広がり、結果的に国の支援にもつながるものと考えます。知事に御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
幼児教育・保育の無償化は、質の高い幼児教育の機会の保障、少子化対策、待機児童対策の観点から国が打ち出した政策であります。
そのため、無償化の制度設計は国が中心となって全国一律の基準を定めています。
この無償化の対象外とされた施設のうち、まずは、議員御指摘の外国人学校に対する支援であります。
外国人学校などの各種学校は、学校教育法第134条に規定されており、同法第1条の幼稚園、小学校などの学校とは異なり、幼児教育を含む個別の教育に関する基準がない中で多種多様な教育を行っています。
各種学校は、したがって、法律により幼児教育の質が制度的に担保されていないことから、無償化の対象にはならないと国が明確に判断をしています。
したがって、各種学校に対して県として独自に無償化に相当する財政的支援を行うことは困難であり、御理解をいただきたいと思います。
次に、幼稚園類似施設に対する支援についてです。
幼稚園類似施設は、幼稚園に類する教育活動を行っているものの、法令で定める基準を満たしていないことなどの理由から幼稚園の認可を受けていません。
したがって、現時点で国は無償化の対象にならないとしています。
しかしながら、このような施設は、それぞれ歴史的な経緯があって、地域や保護者のニーズに応え、特色ある幼児教育を実践しているものと認識をしています。
幼稚園類似施設を無償化の対象とするためには、幼児教育の質が担保されていることを確認することが必要であり、その方法について地域の実情を踏まえた具体的な議論が必要であると考えます。
また、幼稚園類似施設は本県だけでなく全国各地に200以上の施設が存在しています。
こうした施設に対する支援の在り方については、全国に共通する課題であることから、本年6月に国に対して早急に結論を出すよう要望したところです。
幼稚園類似施設に係る課題については、現在、国において検討しているところであり、その状況を踏まえ県として適切に対応させていただきたいと考えております。
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