トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和元年12月定例会 > 令和元年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 令和元年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(石川忠義議員)
ここから本文です。
ページ番号:170111
掲載日:2022年8月15日
Q 石川忠義 議員(県民)
一般質問初日にもありました。今年度から、地球温暖化対策や災害防止等を図るための安定的な財源とするため、森林環境税の創設に伴う国から地方自治体への森林環境譲与税制度が始まりました。
埼玉県ではこれを受けて、今年度は森林環境譲与税を財源として、市町村合計で約3億6,000万円、埼玉県としては約9,000万円の森林関係の予算が確保され、間伐や市町村支援などの事業を行う予定です。地球温暖化防止等に必要な財源と事業であり、積極的な事業展開を期待しています。
一方、埼玉県は平成20年度から、県内の緑を守り、豊かな自然環境を守り育てるための「彩の国みどりの基金」を財源として、毎年度10億円以上の事業も行ってきました。特に、森林の整備と保全に関しては、平成20年度から30年度までの累計で、緑の基金取崩し額の60.7%、約84億円を財源として一定の効果も上げてきました。こうした現状に加え、さらに今年度からは、森林整備・保全のために森林環境譲与税の活用が行われます。
そこで、今後は、みどりの基金を財源として行う事業について、これまで同基金を財源とした事業としては出遅れ感があった生物多様性を念頭に置いた事業にも力を入れるべきですが、いかがでしょうか。
彩の国みどりの基金は、条例で定めた豊かな自然環境を守り育てる、イコール生物多様性のための財源とすべきです。今後は、森林環境譲与税の推移と県内の森林整備・保全の状況を見ながら、彩の国みどりの基金を財源とする事業の配分を見直していくべきですが、知事の考えを伺います。
また、将来の埼玉県への森林環境譲与税額の予測と、それらを財源とした事業の見通しについて、農林部長に伺います。
A 大野元裕 知事
本県では、平成20年度に「彩の国みどりの基金」を創設し、自動車税の一部と寄附金を財源に、「森林の整備」、「身近な緑の保全・創出」、「県民運動の展開」という三つの柱で、みどりの再生に取り組んでおります。
緑を保全、創出する取組は、人間にとって良好な環境をつくるだけでなく、多様な動植物が織りなす豊かな生態系の形成にもつながっております。
例えば、荒廃した森林を整備することによって、豊かな植生が回復し、多くの野生動植物が生息・生育できる環境が再生いたします。
また、都市部の平地林を適正に管理することにより、里山生態系の保全や絶滅危惧種の自生地を守ることができます。
希少野生動植物の保護や外来種の駆除、有害鳥獣の捕獲など生物多様性を守るための取組は、みどりの保全にもつながるものであり、極めて大切なことであると考えます。
みどりの再生と生物多様性の保全は、双方の取組を継続的に行っていくことで相乗効果が生まれると考えています。
現在、生物多様性保全のための取組のうち、ニホンジカの食害から森林を守る獣害対策や狩猟の担い手育成といった事業には、みどりの基金を活用しています。
令和元年度から森林環境譲与税が配分されますが、段階的に額が引き上げられることもあり、市町村における活用を見据えながら、みどりの基金による県の森林整備事業のあり方を再検討していく必要があると考えています。
今後、森林環境譲与税の活用状況を踏まえ、生物多様性の視点も重視しながらみどりの基金の配分について検討し、豊かな自然環境を次の世代に引き継いでいくための取組をしっかりと取り進めてまいります。
A 牧 千瑞 農林部長
「埼玉県への森林環境譲与税額の予測とそれを財源とした事業の見通しについて」お答えを申し上げます。
森林環境譲与税は今後段階的に引き上げられ、令和15年度以降は毎年、市町村に約12億800万円、県に約1億3,400万円が配分される見込みです。
この譲与税は、市町村においては森林の整備や木材利用などの事業に、県はその市町村への支援に活用することとされています。
県では、森林の少ない都市部の市町において、公共建築物などへの県産木材の利用が進むよう、今年度から木造建築技術アドバイザーを派遣しています。
また、県内全市町村を対象に譲与税の活用に関する説明会や勉強会を開催しています。
さらに、都市部市町が山側市町村の森林整備を支援するためのマッチングについての意見交換会も今年度開始しました。
これらの支援を行うことにより、山側の森林整備から都市部における木材利用までの好循環が生まれ、将来にわたって継続するよう取り組んでまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください