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ページ番号:170428

掲載日:2022年8月15日

令和元年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(中屋敷慎一議員)

県立近代美術館などの美術品や文化財の水害対策について

Q   中屋敷慎一  議員(自民

人命や人々の暮らしに大きな打撃を加え、関東以北に甚大な被害をもたらした台風19号の数ある報道の中で、私は川崎市市民ミュージアムの地下収蔵庫の浸水被害の映像にも大変驚かされました。九つある地下収蔵庫には絵画や浮世絵、古文書などの約26万点が収蔵され、その多くが浸水したとのことでした。大変な被害です。川崎市によると、2018年に改定されたハザードマップでは、ミュージアムのある場所は多摩川流域に千年に一度の大雨が降り、氾濫した場合には浸水深5から10メートルとされており、市は浸水の可能性を認識していたにもかかわらず対策していなかったとのことで、予見できていたとすれば人災と言わざるを得ない状況だったようです。
 さて、本県の台風19号における文化財被害は、歴史的建造物や史跡などの45件に及んだとの報道がありました。幸いにも川崎のような絵画などの被害は発生しなかったとはいえ、今後想定しなければならない台風の大型化や線状降水帯による大雨にしっかりと対処していける方策をとらねば、当時4億2,000万円で購入したピカソの「静物」や、昨年県としては約20年ぶりに1億円を超える高額な絵画として2億9,000万円で購入したポール・シニャックの「アニエールの河岸」などの県民共通の宝、そして国の内外を問わない宝でもある絵画などを守ることはできないのではないでしょうか。私は、これらの宝を未来に向けて健全に確かにつなぎ伝えていくことも、今を生きる私たちの大きな責務であると考えています。
現在、県教育局では、近代美術館をはじめとする八つの美術館や博物館と二つの図書館を所管されているとのことですが、これらの施設はそれぞれの収蔵品をどのように水害から守り、未来へとつないでいこうとしているのでしょうか。例えば、各施設の立地や敷地面積に応じて上層階の収蔵庫を整備することや、水害が予想される際には美術品などを事前に避難させる体制などは整っているのでしょうか、教育長にお尋ねします。
また、水害対策の好事例として、岡山県倉敷市にある大原美術館では、県内南西部を横断する一級河川高梁川が氾濫し2メートルの冠水があることを想定して、2007年に防水壁の立ち上がる収蔵庫を新設対応し、あの西日本豪雨の難から逃れたとの記録もあります。
こうした事例を踏まえると、私は、地下に収蔵庫を備えている近代美術館と歴史と民俗の博物館は、大原美術館収蔵庫のような建築基準法の定めの上を行く取組も視野に入れていかなければならないと思います。美術品や文化財を健全に、そして確かに未来へとつないでいくためには、県内に多くの水害が発生した今だからこそ検討し始めなければならないと考えますが、教育長の御見解をお示しください。

A   小松弥生   教育長

まず、美術館などの各施設の立地や敷地面積に応じて、上層階の収蔵庫を整備しているのかについてでございます。
県立の美術館・博物館の収蔵庫は、収蔵品を長期間、安全かつ安定した環境で保管するため、その材質、形状、大きさや周辺環境、作業のし易さなどを考慮して設置しております。
8館のうち、地下に収蔵庫があるのは、歴史と民俗の博物館、近代美術館、文書館、さいたま文学館の4館で、その内、さいたま文学館以外の3館は、上層階にも収蔵庫がございます。
地下に収蔵庫を設置しておりますのは、耐震性や温度・湿度の管理に優れているということなどによるものでございます。
また、県立図書館の施設は全て地上にあり、県にしか所蔵していないような貴重な書物は、上層階に収蔵しております。
次に、各施設では水害が予想される際に、美術品などを事前に避難させる体制などは整っているのかについてでございます。
美術館・博物館の収蔵品は、その大きさ、状態、数などから、全てを急ぎ避難させることは難しい状況にございます。
次に、美術品や文化財を未来へつないで行くために、収蔵品を水害から守るための取組を検討していくのかについてでございます。
議員お話しのように、川崎市など他県での収蔵品の被害を踏まえれば、台風の大型化や線状降水帯による大雨への、より適切な対処が必要となってくるものと考えております。
そこで、まずは、大規模な水害が予想された際には、美術館・博物館の中で、特に貴重な収蔵品については、事前に上層階や他施設へ避難させるなどの対策を行ってまいります。
その上で、想定外の自然災害へも対応できるよう、施設設備全般のあり方について、十分検討してまいります。
県といたしましては、県民共有の財産である貴重な収蔵品を、確かに未来へとつないで行くために、様々な知見を活用しながら、より良い方法を見出してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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