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掲載日:2022年8月15日
Q 深谷顕史 議員(公明)
都道府県は、水防法に基づき、大きな洪水被害が予想される河川として洪水予報河川、水位周知河川を指定しており、埼玉県内には、洪水予報河川として4河川、水位周知河川として14河川を指定しています。
しかしながら、台風第19号で決壊、氾濫した県管理の30河川の57カ所は、この洪水予報河川、水位周知河川として指定されていない区間でありました。また、県管理河川151河川のうち、水位計を設置しているのは64河川187カ所、全体の42%にとどまっております。このほか、洪水時の水位観測に特化した低コストで設置できる危機管理型水位計について、昨年度20カ所設置し、今年度10カ所設置を予定しております。
一方、台風第19号が接近、また上陸後に、「埼玉県川の防災情報ウエブサイトに配信されていた河川のカメラ画像が見れない」、「夜は暗くてよく見えない」という声を多くの県民から伺いました。このために、多くの住民が自分で川を見に行くなどの危険な状態が続きました。川越県土整備事務所においても、ウエブサイトで監視カメラの画像を見れないため、専用回線の端末一台を皆でのぞき込んでいる状況であったとも伺いました。
そこで、以下3点について県土整備部長にお伺いいたします。
1点目に、今回の被害を受け、水防警報河川の指定拡大とそれに伴う危機管理型水位計の大幅な増設が急務と考えますが、御所見をお伺いいたします。
2点目に、今年度、簡易型河川監視カメラが37基設置され、ノーマル型のカメラ47基と合わせて合計84基となります。住民が一目で河川の様子が分かる体制づくりは非常に重要だと思います。東京都では、夜間でも高精細な映像を撮影できる4Kカメラを使っての動画配信を始める方針を決めました。本県においても、カメラの設置範囲拡大、夜間監視能力の強化を進めるべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
3点目に、川の防災情報ウエブサイトは、現状、6万を超えるアクセスが殺到した場合、障害が発生すると聞いております。今回の災害時には38万程度のアクセスがあったとされております。河川監視カメラ、画像データの容量が多いことを考えれば、現状での安定運用と今後の増設を考慮した川の防災情報ウエブサイトのサーバCPUやメモリーの強化は必須と思いますが、御所見をお伺いいたします。
A 中村一之 県土整備部長
まず、水防警報河川の指定拡大と危機管理型水位計の大幅な増設についてでございます。
本県では、水防法に基づき、浸水実績の有無、氾濫区域内における資産の集積の度合い、河川の整備状況などを基に、洪水により相当な被害が生ずる恐れがある河川として、18の河川を水防警報河川に指定しているところでございます。
水防警報河川の指定拡大については、水防団の活動や住民の避難行動の迅速化などにつながることから有効な手段ではございますが、水防警報発令のためには、水位計を設置するだけでなく、発令の基準となる水位を定めるために必要な観測データの蓄積に時間がかかります。
このため、まずは、要配慮者施設や市役所などの重要施設が浸水する危険性の高い箇所を中心に、迅速な水防団の活動や的確な避難判断につながるよう、危機管理型水位計の設置を進めてまいります。
また、これと並行し、水防警報河川に指定された場合には、市町村にも法令上の義務が生じることから、平成30年5月に設立した「埼玉県管理河川の氾濫に関する減災対策協議会」などを通じ、指定河川の拡大に向け、市町村などと調整を進めてまいります。
次に、河川監視カメラの設置範囲拡大と夜間監視能力の強化についてでございます。
県ではこれまで、水防警報河川18河川20箇所を含む合計47箇所に河川監視カメラを設置し、その画像をホームページで公開しています。
今年度中には、低コストで設置が容易な簡易型河川監視カメラをさらに37カ所に設置する予定としています。
カメラの夜間監視能力については、カメラの周辺にお住まいの住民のプライバシーへの影響を考慮して、本県では赤外線カメラを使用しております。
そのため、夜間は白黒画像になりますが、画像に写し出される量水標や水位警戒ライン、近傍の橋脚などの構造物を目安に、河川の水位状況は確認できると考えています。
東京都が検討を始めている高画質映像による河川状況の提供については、得られる効用とコストの両面から情報収集してまいります。
次に、川の防災情報ウェブサイトのサーバーCPUやメモリーの強化についてでございます。県では、水位観測所、雨量観測所、河川監視カメラなどの情報を「埼玉県川の防災情報」として、ホームページ上で提供しております。
本ホームページへのアクセスは、平常時は1日あたり1,000件程度、現システムで許容できるアクセス数は、1日あたり約6万件となっております。
ところが、台風第19号の際には、約38万件と集中したため、外部からはホームページが一時的に閲覧できなくなる状況となりました。
川の防災情報を的確に県民に伝えることは重要であり、今後、現在のカメラ設置数を前提とした安定性のみならず、将来の拡張性も十分検討し、アクセス集中に対応したシステムの強化を進めてまいります。
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