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掲載日:2022年8月15日
Q 中川 浩 議員(改革)
県庁の人事異動が約3年なのは、癒着を生まない、硬直化を防ぐといった理由付けがあろうかと思いますが、それはあくまで表面的なことで、県庁からの見方であり、その短い異動を外部から客観的に見たらどうか。
まず、異動させたからといって、硬直化しない保証はありません。職員にとっても、これまで担当ではなかったことから理解しづらいことを言われるのですから必要以上な負担で、電話などで外部との応対を1年目はしなくていいわけではありませんし、予算に関われるのは2年間で、新たな提案をしたら、それを見届けずの異動になります。
技術職よりも総合職の多い県庁職員の皆さんが3年で異動では、国が判断していない問題に、国よりも住民に身近な県庁が専門的に県庁として調査に取り組んで判断することも仕組みとしてできにくい状況で、埼玉県民には実害があります。
例えば、23年前、狭山や所沢、川越の市境で産業廃棄物の焼却施設が乱立し、住民はのどが痛くなるほどの状況でしたが、県庁に相談をしても、マスコミや国が動くまでの1年もの間、県庁は国が動かないから動けない状態で、結果として農家は農産物が当時売れなくなる被害に遭い、農家や住民の方につらい思いをさせてしまいました。現在でも国が判断や対応していない問題は幾つもあり、問われるのはそれに向き合う仕組みです。
職員が異動でかわるたびに、専門家や現場を知っている外部の人は一から説明しなければなりません。ある専門家の方に伺ったところ、その不理解が理由で、行政との事業をお断りしたことがあるそうです。外部の方が県職員に現場の実情を説明したからといって問題点を認識しにくく、「今は考えていません」と思う原因の大きな理由は、約3年で異動になってしまう組織的なマイナス面だと思います。
1年に異動する県職員数はおよそ全体の4分の1、2,500人に及びます。県の税金を使って、又は県職員ができることは限られております。それだけに現場を担ってくださっている民間や市町村の方の協力なくしては、埼玉県は向上できません。まして、「日本一暮らしやすい県」を目指すには、人事異動の仕組みを変え、県民の状況を専門家に近いレベルで対処するには異動期間の具体的延長が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
また、県庁の各担当課が行う民間専門家への相談が予算化されているか、全庁的な把握と予算の拡充をどうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
A 大野元裕 知事
異動期間の延長の必要性についてであります。
議員から、県職員の異動サイクルが短いために外部の方が困っている、というお話をいただきました。
信頼関係が出来ている県の担当者が、3年程度で異動してしまうことについて、外部の方が不満に思われる可能性は確かにあるかも知れません。
議員御指摘のとおり、職員の専門性を高めスキルを磨くためには、同じ部署を長く経験させることは有効な方策の一つです。
その一方で、組織を円滑に運営していくためには、職員の能力開発やキャリア形成にも重点を置かなければなりません。
同じ仕事ばかりしていると、仕事の幅は広がりにくくなります。
若いうちから様々な部署を経験させて、幅広い知識などを習得し柔軟な対応ができる職員を育成することも重要であります。
一人の職員が同じポストに長くとどまると、次の職員の育成が遅れてしまうことや、行政においてはあるべきではない杓子定規の職員が増えてしまうこと、縦割り行政になるといった弊害も生じかねません。
人事異動により組織の新陳代謝を促進し、新しい発想を取り入れた業務改善や組織の活性化につながる効果も期待したいと思います。
県民や外部の専門家から評価されて信頼関係を築ける県職員は、必ずしも経験年数が長いだけが要因であるとは思いません。
肝心なのは、異動期間の具体的延長よりも、職員が県民目線で考え、柔軟な発想で意欲的にチャレンジができるようになることだと思います。
私は職員に対して、日頃から県民目線で物事を考えることの大切さを繰り返し話しています。
私自身が現場に出かけて県民と意見交換する姿勢を見せることによっても、県民に寄り添う姿勢を職員に浸透させていきたいと考えています。
県職員は役付職員であれば3年、一般職員は4年を基準として人事異動を行っていますが、しかしながら、必ずこの年数で異動させるものではありません。
専門的な知識、経験、ネットワークが求められる職や県政の中長期的な課題への対応が必要な職については、通常の異動年限より長い期間配置することも検討することとしております。
議員の御指摘も踏まえた上で、個々の職場の状況に応じつつ、より弾力的な人事異動を行い、業務執行体制の確保に努めていきたいと思います。
次に、民間・専門家への相談は、予算化されているのか、また全庁的な把握と予算の拡充をどう考えているのか、についてであります。
民間・専門家への相談や県民の皆様からの意見聴取の方法には、県政サポーターに対するアンケート調査や県政世論調査、各種審議会への諮問など様々な方法がございます。
どのような方法を取るかについては、個別の事情によるものですので、全庁的に一律的に把握することまでは考えていません。
今後の予算の拡充につきましては、必要性を検討の上、対応してまいりたいと考えております。
再Q 中川 浩 議員(改革)
先ほど私から、国がどう言っていようが、県としてどう考えるのかということができていないのではないですかというふうに申し上げました。そして、先ほどSDGsに取り組むにはそういうことを新たに人事異動の仕組みでやっていかなければならないのではないですかという趣旨で申し上げました。
なので、今の人事異動の延長上では、それらがカバーできるとは思いませんので、当然、先ほど知事が言われたずっと同じ場所で全員がいるというのは私も現実的ではないと思うんですが、県として独自にどう考えるのかという行く末が国に比べてどうかは、私は国会議員になったことがないので何とも言えませんけれども、現場の人から見てそのように受け取られるので、人事異動の今後の具体的な在り方で変化をする必要があるかどうか、御答弁いただきたいと思います。
先ほど御答弁の中で数字を様々述べていただいて、できていない、足りていないということが確認できたことはとてもありがたかったです。ありがとうございます。
再A 大野元裕 知事
人事異動に当たっては、基準の年数を県では定めておりますけれども、絶対にこれが正しいという正解はありません。
私個人の経験で役所に勤めていたこともありますけれども、それぞれの任務に応じて、あるいは職責に応じて、確かに検討すべきことはあると思っております。
従いまして、先程申し上げましたが、県職員は役付職員であれば3年、一般職員は4年を基準として人事異動を行っていますが、必ずこの年数で異動させるものではありません。
他方で、キャリア形成、さらにはそれぞれの職員の育成や組織の新陳代謝を促すことなども踏まえて、中長期的な課題への対応が必要な職については通常の異動年限より長い期間配置することなども含めて、検討させていただきたいというふうに思っております。
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