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掲載日:2022年8月15日
Q 深谷顕史 議員(公明)
私は、台風が上陸した10月12日と13日、川越市内の河川の増水状況や地域を見回り、開設された避難所にも伺いました。2年前の平成29年に内水被害に見舞われ、当時、私自身もボランティアに通った川越市の寺尾地区では、12月4日時点で床上浸水141軒、床下浸水125軒という甚大な内水被害に遭ってしまいました。落胆する住民の皆さんの姿がまぶたに焼き付いて離れません。以来、本日に至るまで、とにかく現場に足を運び、被災されたお一人お一人の声を聞き、無我夢中で対応に当たってまいりました。
さきの10月臨時会における決議のとおり、防災・減災、国土強靱化緊急対策事業を積極的に活用し、県管理河川の改修計画の前倒しや、国直轄管理河川の改修に合わせた治水対策を行うなど国の有利な制度をできる限り活用し、県土強靱化の予算を大幅に確保するべきであります。
加えて総務省は、自治体が実施する河川のしゅんせつ工事等を地方交付税で財政支援する仕組みについての検討に入りました。甚大な被害のあった本県は、被災前よりも防災力を向上させる改良復旧の考えを取り入れ、さらに河川のしゅんせつ、河床掘削、河道拡幅などの整備を強力に推進すべきです。
災害のリスクは、水害だけではありません。30年以内の発生確率が70%とも80%とも言われる南海トラフ大地震や首都直下地震など、東日本大震災を上回る巨大な被害をもたらす大地震が刻一刻と日本列島に迫っております。大規模自然災害から県民の命と財産を守るために多くの課題が浮き彫りとなった今回の災害を教訓に、河川整備をはじめ、被害を最小限に抑える防災・減災対策をあらゆる面で早急に強化する必要があります。
そこで、お伺いいたします。
自然災害から県民の命と財産を守るために、今こそ防災・減災を県政の主流に押し上げ、あらゆる対策を講ずるべきであります。知事の御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
はじめに、深谷議員が今回の台風に際し、地元の河川の状況の確認や、避難所への訪問など速やかに現状を把握され、ボランティアとしても御活動いただきましたことに敬意を表します。
今回の台風第19号は記録的な豪雨をもたらし、複数の河川の氾濫や堤防の決壊により、極めて広範囲にわたり家屋等が浸水するなど、本県は甚大な被害に見舞われました。
私も被災地を訪問し、自らその爪痕を目の当りにし、自然の脅威と被害の大きさに愕然としました。同時に、国や市町村と連携して防災・減災対策を速やかに強化する必要性を改めて強く感じました。
このため、10月21日に神尾髙善県議会議長をはじめ、被害の大きかった7市町の首長の皆様とともに国に対し、防災・減災の観点を含め、緊急かつ重点的な支援を求める要望を行ったところでございます。
また、本定例会では被災地の復旧、そして被災者の生活と生業の再建に向けた取組を更に加速させるため補正予算を提案させていただいており、御賛同いただきますようお力添えをお願い申し上げます。
水害については、気候変動により更に降雨量が増大し、頻発化・激甚化することが懸念されています。
このため流域の状況に応じ、河床掘削や河道拡幅、調節池の整備、雨水流出抑制施設の設置など様々な対策を進めるとともに、防災情報の充実を図るなど、ハード・ソフト一体となった総合的な治水対策を進めていきます。
台風第19号では堤防の決壊をはじめ、県内各地で河川からの溢水・越水などが発生したことを受け、堤防等の災害復旧を早急に進めるとともに、計画に定めている治水対策のスピードアップを図ります。
また、地震につきましても、東京湾北部でマグニチュード7クラスの地震が今後30年間に70%の確率で発生すると予想されています。
このため、県では、昭和55年より古い基準で建設された橋りょうについて、平成7年度から耐震補強工事を実施してきました。
さらに、平成28年に発生した熊本地震の被災状況を踏まえ、平成8年より古い基準で建設された橋りょうについても、令和元年度から耐震補強に着手しました。
こうした対策とともに、いざ災害が発生した時に被害を最小限に止めるためには危機管理体制の強化が不可欠であります。
県は消防、自衛隊などの実動部隊を持たず、また国と異なり専門知識を有する人材も限られています。
そこで、災害や危機ごとに対処すべき具体的なシナリオを作成し、訓練を重ねながら、専門的な知識を有する様々な官民の機関、組織を連結させる取組を進めてまいります。
私が目指す埼玉県像は「日本一暮らしやすい埼玉県」であり、これを支えるのは何よりも県民の安心・安全を確保することです。
このため防災・減災対策を県政の主流の一つとしてしっかりと取り組んでまいります。
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