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掲載日:2022年8月15日
Q 藤井健志 議員(自民)
国際バカロレアとは、1968年にスイス・ジュネーブで設立された国際バカロレア機構が実施する教育プログラムのことをいいます。国際バカロレアのプログラムによって、世界に通用する学力、人間力、倫理的思考力や表現力、コミュニケーション能力を身に付けることができるだけでなく、試験に合格すると認定証書が与えられ、世界75カ国の2,500を超える大学入試において有利になるなど、世界で最も高い評価を受けております。
さて、本県ではグローバル人材の育成と外国語教育の充実の2本柱により、グローバル教育を推進しておりますが、国際バカロレア認定校の設置については財政上の課題、カリキュラム編成の難しさ、専門性を有する教員確保の困難さなどを理由として、導入に対しては二の足を踏んでいる状況です。
本年9月、私は文教委員会の視察で国際バカロレアの手法を取り入れた大阪市水都国際中学校・高等学校の視察に行ってまいりました。児童減少の影響に伴い、閉校となった小学校をリニューアルし、本年4月に開校されておりますが、開校初年度の入学者志願倍率は6.34倍であったと伺っております。学校の設置者は大阪市で、運営は民間法人が行っております。本来、設置者と運営は一体と学校教育法に定められておりますが、国家戦略特区の認定を受けることで全国初の公設民営の学校となっております。公立学校としての教育水準や公共性を保ちながらも、民間企業が有する海外ネットワークやノウハウを用いて専門性を有する教員の確保とカリキュラム編成が可能となっております。
また、試験受験料は各生徒負担でありますが、授業料は公立高校と同様であり、子供たちの進路選択の幅が広がっています。しかも、大阪市は民間企業へ管理代行料を支払っているものの、その額は普通校と同等規模であるとの説明もありました。まだ途上の手法ではありますし、全ての課題が残さずクリアされているものではありませんが、これまで県が導入できないとしていた財政、教員確保、カリキュラム編成といった課題への解決の糸口となる取組ではないでしょうか。
将来を担う子供たちが、この埼玉県で希望する進路の選択を可能とすることは、東京一極集中が教育の分野でも指摘される昨今、人口政策の課題からも極めて重要な施策の一つであります。知事の教育に対する姿勢や考え方が大きく反映されることとは思いますが、そこを突き破る教育長の熱意、決意、リーダーシップ、プラン作成能力が今こそ問われるのではないでしょうか。
そこで、国際バカロレア認定校の設置に向けて具体的な方策の検討に入るべきと考えますが、教育長の御見解をお伺いします。
A 小松弥生 教育長
県では、これまで文部科学省が主催する国際バカロレア教育に係る協議会への参加や、他県の国際バカロレア認定校の見学など、研究を進めてまいりました。
バカロレア実施校では、生徒同士が英語で活発に議論をしたり、対話を通して課題解決などに取り組むなど、大変充実した授業が展開されております。
一方、高校での国際バカロレア導入にあたっては、教員確保、カリキュラム編成に加え、プログラムの性質上、募集人数が20名程度と限られてしまうなどの課題もございます。
見学した学校からは、バカロレアコースを担当する教員の加配などを行うため、相当額の財源が必要であると伺っております。
平成27年度から日本語によるバカロレアプログラムが導入され、近年、そのプログラムを実施している高校が増えておりますが、海外大学へ進学する生徒はまだ少ない状況です。
しかしながら、近年のグローバル化や多文化共生が進む社会の状況を受けて、豊かな国際感覚、幅広い教養を備えた人材の育成が必要であると考えております。
県では、スーパーグローバルハイスクール指定校を中心に、バカロレアの手法を参考にしながら、探究型の授業や英語で学ぶ数学など、世界に通用する論理的思考力や英語力を向上させる教育を推進しております。
さらに、令和2年度に向け、英語のネイティブ教員を採用したり、海外進学に係る手続きや、奨学金制度等の相談ができる環境整備を行うなど、新たな取組を始めております。
これらのグローバル教育の取組を強化しながら、国際バカロレア認定校の設置については、国際バカロレアの導入後の運営上の課題や、具体的な授業内容と評価についても情報を収集し、さらに研究を進めてまいります。
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