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掲載日:2022年8月15日
Q 松井 弘 議員(自民)
大野知事は、上田前知事が掲げていた3大プロジェクトに新たな時代の潮流、大野知事の視点を加え、5大プロジェクトに発展させるとして公約を定めています。5大プロジェクトのうち「人生100年プロジェクト」は、健康長寿埼玉プロジェクトに高齢者のスポーツ行動率UPを組み合わせたものとして示されています。そして、工程表に記載されている主な取組内容は、スポーツ推進団体との連携による健康長寿埼玉プロジェクトの推進、高齢者がスポーツ・レクリエーションに気軽に参加できる場や機会の充実、スポーツ・レクリエーションの魅力向上、身近なスポーツ団体の活性化です。
しかし、これらの取組だけで人生100年プロジェクトと銘打った事業と言えるのでしょうか。人生100年時代には高齢者だけでなく、子供や若者を含めた全ての世代が含まれるのではないでしょうか。全ての人が元気に活躍し、安心して暮らすことができる社会が重要なのではないでしょうか。
今回提示された工程表では、取り上げる事業が限られており、余りにも残念な内容であります。大野知事が言われている埼玉版SDGsの理念、「誰一人取り残さない」との考えから遠く離れており、多くの世代を取り残してしまうものではないでしょうか。
国では、人生100年時代を見据えた経済社会システムを作り上げるための政策のグランドデザインを検討する会議として、人生100年時代構想会議を開催し、その審議内容を踏まえ、人づくり革命と生産性革命を両輪として、新しい経済政策パッケージを閣議決定しています。その内容は、人づくり革命として、幼児教育の無償化、待機児童の解消、保育・介護人材の処遇改善、リカレント教育、高齢者雇用の促進などが挙げられています。また、生産性革命として、中小企業、小規模事業者等の生産性革命、Society 5.0の社会実証と破壊的イノベーションによる革命などが示されています。
このように、人生100年時代に対応していくためには、教育を受け、就職し、退職後に老後の生活を送っていくという単線的な人生ではなく、一人一人の人生に応じて多様な生き方ができるように、様々な取組を行っていくべきと考えます。
そこで、知事は人生100年時代をどのように考え、子供から高齢者まで全ての世代に向けて、この人生100年プロジェクトをどのように進めていこうと考えているか、御所見を伺います。
また、知事は一般質問2日目の千葉議員が行った知事公約と今後の施策展開についての質問に対して、「公約の中では地域包括システム構築の一部を取り上げており、それにとどまるものではない」との答弁がありました。この考えは、人生100年プロジェクトの公約にも当てはまるのでしょうか。
今回出された工程表には幹が記載されていないのに、一部を取り上げたと言われても違和感があります。知事がこの工程表を通じて伝えたかったことは、現時点ではそれぞれのプロジェクトは幹となる施策や効果が定まっておらず、スケジュールも未定であり、公約に掲げているような政策は、今後走りながら考えていくということを示しているように感じられますが、知事のお考えを伺います。
さらに、具体的な事業計画に対しても質問させていただきます。
コバトン健康マイレージに関して参加人数の目標は、平成29年度予算見積調書では平成31年度までに40万人と記載がありますが、達成することは難しいため、今年度末までに10万人の達成を目指すと修正しています。それに対して、実績値は10月末現在の実績で6万6,515人です。今年度末までに達成できるのでしょうか。また、達成したとしても、これで終わりではありません。今後、参加者を増やしていくことが重要となりますが、工程表を見ると、団体や民間事業との連携、アプリの機能向上としか記載されていません。更なる目標を定め、具体的に、いつ何を実施していくのか、知事の御所見を伺います。
次に、高齢者スポーツ参加について伺います。
工程表には、高齢者がスポーツを気軽に始める機会となるイベント等の開催支援、高齢者が参加しやすいスポーツ大会等の開催支援と記載がされているのみですが、東京2020オリンピック・パラリンピックが開催される翌年に、関西でワールドマスターズゲームが開催されます。本大会は、生涯スポーツの祭典であり、高齢者のスポーツ参加に対する意識を高めていくには絶好の機会と考えますが、工程表には記載がありません。知事は、このまたとない機会をどのように活用していく考えなのでしょうか、御所見を伺います。
A 大野元裕 知事
まず、人生100年時代をどのように考え、人生100年プロジェクトをどのように進めていくのかについてでございます。
議員お話しのとおり、人生100年時代を考える場合には、高齢者だけではなく子供や若者を含めた全ての世代を見通す必要があることについては私も全く同感です。
このため、既に県においてもライフステージにあわせ、子供の学習支援を行うアスポート事業、働く世代の健康づくりを推進する企業の健康経営の取組を進めているところであります。
また、高齢者の社会参加を支援するアクティブシニア事業、女性が活躍する社会を目指すウーマノミクスなど、多様な取組を実施しております。
さらに、公約に掲げた「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」では、地域内における人材の確保、子育て環境の向上、高齢者の働く環境の整備など、全ての世代をカバーする取組を目指しております。
次に、「人生100年プロジェクト」の工程表には幹となる施策がないが、施策は走りながら考えるのかについてでございます。
私の公約、「人生100年プロジェクト」では、人生100年時代を実り多いものにするためには、特に健康づくりが重要と考え、「健康長寿埼玉プロジェクト」と「高齢者のスポーツ行動率UP」を柱として掲げさせていただいたところであります。
この柱のもとに、コバトン健康マイレージを始めとする多様な取組を工程表でお示しをさせていただきました。
渋沢栄一翁は「四十、五十は洟垂れ小僧、六十、七十は働き盛り、九十になってお迎えが来たら百まで待てと追い返せ」と説きました。人生100年時代の到来を予見するような言葉です。
生涯、社会の様々な担い手として活躍し、生き生きとした人生を送るためにも何よりも健康であることが重要であります。
人生100年時代及び人生100年プロジェクトの取組につきましては、予算編成作業などを通じて具体的な手法などを更に精査するとともに、県民や県議会議員の皆様の御意見もお伺いをいたしながら、県行政の施策としての実効性を高めていくところであります。
次に、コバトン健康マイレージについてでございます。
コバトン健康マイレージの参加者数が順調には伸びていないことは、私も承知しています。
このため、参加者拡大に向けては、未参加の市町村や保険組合などに働き掛けを行うといったこれまでの取組に加え、健康経営に取り組む企業に参加を促したり、スマートフォンアプリを活用し、若い世代への働き掛けを行っているところであります。
さらに、私が自らが新聞特集紙面において県民に参加を呼び掛けるなど、目標達成に向け取り組んでいるところでございます。
一方で、県や市町村だけの行政の取組には限界があります。
さらなる参加者拡大のためには、民間との連携によりコバトン健康マイレージの魅力を高め、活用の幅を広げていくことが必要であります。
そのため、費用対効果の面を十分検証した上で、スポーツジムの利用や健康に配慮した食事を取ったことなどでポイントが貯まる仕組みの導入、登録手続の簡素化などにも取り組んでまいります。
新たな目標については、今後の参加者数の伸びやこうした参加拡大策の進捗状況を踏まえ、検討をしてまいります。
次に、高齢者のスポーツ参加についてでございます。
世界最大級の生涯スポーツの大会であるワールドマスターズゲームズが2021年にアジアで初めて関西で開催されます。
この大会は、トップアスリートだけではなく、30歳以上であればスポーツの経験や障害の有無などを問わず、誰もが出場できる国際大会であります。
多くの高齢者がこの大会への出場を目指したり、あるいは大会での選手の活躍を目にすることによって、高齢者のスポーツへの参加意識が高まります。
私は人生100年プロジェクトの中で、高齢者がスポーツやレクリエーションに気軽に参加できる場や機会の充実を設けました。
1年半後に迫ったワールドマスターズゲームズの開催も、議員御指摘のとおり、そうした取組を進めていくための絶好の機会であると捉えています。
県といたしましては、大会組織委員会や競技団体と連携をし、大会に関する情報を県民に幅広く周知するとともに、大会への参加を呼び掛けるつもりでございます。
また、大会開催をきっかけとして高まる高齢者のスポーツへの「関心」を「実践」へとつなげる取組も重要です。
そこで、例えばスポーツイベントなどの機会に様々な競技体験を行ってスポーツに親しむきっかけをつくったり、既存のスポーツ大会に高齢者部門を設けるなど、スポーツを実践する場の拡充を検討してまいります。
さらに、既に国内では、日本スポーツマスターズという生涯スポーツの全国大会が毎年開催されておりますので、こうした大会への県民参加も進めてまいります。
私は、このような取組を進めることによって県民の健康寿命を伸ばし、生涯、社会の担い手として生き生きと活躍できる社会を目指す「人生100年プロジェクト」を強力に推進してまいります。
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