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掲載日:2022年8月15日
Q 美田宗亮 議員(自民)
県は、本年11月8日に住宅用太陽光埼玉あんしんモデル協働事業において、民間企業との協定を締結いたしました。これは、県が太陽電池メーカー6社と協定を結び、太陽光発電設備の共同事業者とするものであり、メーカー側は実績のある販売店や施工業者を紹介することで、太陽光設備の設置を希望する県民が安心して事業者を選択できるようにし、官民連携で更なる住宅用太陽光発電の普及を目指すというものです。今回、協定を締結する企業については、公募で決定したとのことですが、そもそも民間事業者の営業活動に県がお墨付き、インセンティブを与える施策というのはいかがなものでしょうか。このような県のお墨付きがあれば、安心材料となりますし、事業の普及促進につながるとは思いますが、その一方、協定事業者はより利益を得ることとなり、市場での公平な競争が阻害される懸念があります。
また、県は選定の過程で企画提案書を求め、ヒアリングを実施することとしておりますが、あくまで公募に手を挙げてきた事業者相手です。特定の事業者への優遇にならないでしょうか。ヒアリングの際の評価項目も、導入設備に関する評価と事業者の取組姿勢に関する評価の2区分だけで、かなり漠然とした抽象的なものであり、企業に対する評価の仕方が甘いと感じております。仮に企業の信用性を確保するならば、民間機関による予審調査など、財務体制などの企業の質をしっかりと見極めるべきです。
また、実際に施工をする事業者の選定基準にも課題があります。協定を結ぶ事業者から紹介される施工事業者を登録するに当たっての条件を確認したところ、住宅用太陽光発電設備の販売または施工を3年以上行い、3年間で計30件以上の設置をした実績があることとされております。この数字の根拠は計りかねますが、この条件さえクリアをすれば、たとえ信用の点で疑問がある事業者も県のお墨付きを得られるということになります。さらに、販売店や施工業者は全体でわずか83社と限られており、いわば共同事業者の系列業者であります。これは太陽光発電設備を取り扱う他の県内中小企業との公平性の面で問題があると考えております。
さらに、事業名にうたっている県民の安心を確保するためには、しっかり事業者を審査した上で選定し、監理・監督していく必要が生じます。選定した事業者が不良施工を行った場合、県の責任も問われかねません。太陽光設備は10年以上という長期間にわたって使用される設備であり、県としても同様の期間フォローしていく責任が出てきます。例えば、協定を締結している企業や施工業者に経営状況の変化や合併など、企業の存続形態の変化が起きた場合、県としてはどのようにフォローする体制を築くのでしょうか。
このように、本事業は事業者選定の上で透明性や公平性が欠けている上に、選定後も事業者との間における様々な課題が山積されていることが見受けられます。以上のことから、太陽光発電事業を民間企業と連携して実施する施策は埼玉県が行うものとして適切であるとお考えでしょうか。環境部長に御所見をお伺いいたします。
A 小池要子 環境部長
温室効果ガスの排出削減は喫緊の課題であり、CO2の排出がゼロである住宅用太陽光発電設備の普及は必要であると考えております。
太陽光発電設備については、環境負荷の軽減や光熱費の抑制、さらには、災害における電源確保という点からも有用性が認識されている一方、設置に不安を持つ方がいらっしゃるのも事実です。
そこで、県では、有識者や太陽光発電事業者、金融機関などで構成する協議会での意見を踏まえ、平成28年度からこの事業を始めました。
このあんしんモデルは、施工の安全確保や県民に対する丁寧な説明などについてパネルメーカーと協定を結び、協働して住宅用太陽光発電設備の普及を進めていく仕組みとなっております。
このように県と民間企業が連携して事業を進めることは、県民の安心安全の確保につながることから適切であると考えておりますが、一方で現行の制度には改善の余地があることも認識しております。
例えば、県内に多くの販売店や電気工事事業者がいる中で、参画事業者は現在83社と少ない状況です。
より多くの方に太陽光発電設備を安心安全に設置してもらうためには、信頼できる県内事業者に幅広く協力していただく必要があります。
今後、関係業界団体の意見を丁寧に伺いながら、透明性、公平性をより確保しつつ、協力事業者の拡大にもつながるような新たな仕組みの構築も含め検討してまいります。
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