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掲載日:2022年8月15日
Q 井上将勝 議員(民主フォーラム)
今回の台風第19号では浸水被害により多くの方々が避難生活を余儀なくされ、その中でペットを飼っている被災者から避難の難しさについて嘆く声が多く聞かれました。10月14日の朝、「中1男子」というワードがツイッターのトレンド欄に上がりました。川越市で浸水した自宅の二階から消防ボートで救助された中学1年生の男子生徒が、「ネコを飼っているので避難できなかった」と述べたという報道に触れた市民が、ネット上でペットの同行避難について様々な意見を表明したことによるものでした。
ペットの同行避難については、2011年、東日本大震災で問題視され、それを踏まえて環境省が災害時におけるペットの救護対策ガイドラインを作成しました。それによると、災害が起こったときに「飼い主はペットと同行避難することが基本である」と書いてあります。しかしながら、避難所には動物が苦手な人、そしてアレルギーを持っている人もいることから、ペットの避難所への同行避難が認められるかは、最終的には各自治体や避難所の判断に委ねられています。そのため、自分が暮らしている地域でペットと一緒に避難できるかを不安に思っている飼い主の方は大勢いらっしゃると思います。ペットを飼っている人にとっては、それは単なるペットという愛玩動物ではなく、もはや立派な家族です。その家族が避難所に入ることが許されないとなれば、自分も避難をやめる、もしくはちゅうちょするというのは人間として当然の反応であると思います。
そうした方々の不安を払拭するためにも、県として積極的にペットの同行避難仕組みづくりを進めなくてはなりません。具体的には、各自治体、各避難所がそれぞれの判断でばらばらの決定をしなくていいように、ガイドラインとなるようなペットの同行避難を盛り込んだ避難所開設運営マニュアルの作成をすべきと考えます。動物が苦手な人、アレルギーを持っている人など様々な人が集まる避難所において、その避難所自らの判断でペットの同行避難を決めることはかなり勇気が要ります。そうした運営マニュアルを県が責任を持って作成すべきです。
重ねて申し上げますが、ペットは家族です。その家族を置き去りにして避難しなくてはならない、それならば自らも避難しないというような事例をこれ以上増やさないためにも、当然のようにペットもともに避難できる体制を一刻も早く構築すべきと思いますが、保健医療部長のお考えをお伺いいたします。
A 関本建二 保健医療部長
近年、ペットは家族の一員という意識が高まっており、台風第19号の際にもペットの同行避難が注目を集めたところです。
避難所でのペットの受入れについては、避難所を設置する市町村の理解が欠かせません。
そこで、県では平成27年度から毎年、全市町村を対象とした研修会を実施しており、東日本大震災で実際にペット避難所の運営に関わった職員の講演や、ペット受入れに関する様々な状況を設定した避難所運営の机上訓練などを行っております。
また、平成29年度からは、県の担当者が入間市や吉川市の防災訓練に出向き、実際にペットを連れた飼い主とともに同行避難に関する実地訓練も実施しております。
災害時には、まず飼い主が自らの安全を確保することが大切です。
議員御指摘のとおり、飼い主が避難をためらい、命の危険にさらされることがないよう、各市町村がペットと同行避難できる体制を構築し、これを飼い主の皆さんへしっかりと周知することが必要です。
このため、県では国のガイドラインを基に、同行避難者の受入れやペットの管理スペースの確保など同行避難に関する基本的事項や、具体的な事例なども盛込んだ運営マニュアルの作成に着手したところです。
今後は、この運営マニュアルを基に市町村に対する研修内容を一層充実させ、同行避難を前提とした避難所運営がなされるよう努めてまいります。
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